お勉強 生地

「つむぎ」と「かすり」その2

2018年9月23日

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紬と絣。意味は違うのにどこか紛らわしい言葉です。きものを見ながら考えてみます。

前回の記事はこちら↓

5.絣文様の紬

絣文様でできている紬のきものを挙げてみます。

①蚊絣(かがすり)や亀甲(きっこう)絣

<結城紬>

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△絣の拡大

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△絣の拡大

<大島紬>

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△絣の拡大

②その他の絣

<琉球絣>(琉球紬とも)

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△染織家・田島隆夫作の琉球絣(袷)

以下の記事参照↓

 

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△単衣の琉球絣

<十日町絣>(十日町紬とも)

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③大島紬は紬ではない?

①で、「絣文様の紬」として挙げた大島紬ですが、実は、現代の大島紬のほとんどは紬ではありません。

手紡ぎ糸からではなく、機械で精練された生糸が使われているからです。

昔は薩摩藩の上納品として織られていた大島紬ですが、明治後期に防染のための締め機(しめばた)が開発されました。

図案通りに締め機で絣糸をくくっていくことで、緻密な蚊絣文様ができるようになったのです。

そして生産性向上のため、地機でなく高機で織るようになり、高機では織りにくい紬糸から、生糸に変わって行きました。

あのなめらかな手触りは生糸から織られているからですね。

ただし、現代でも真綿から作られた大島紬はあるようです。

 

6.絣文様だが、紬でないもの

絹以外の糸で作られた絣文様のきものを挙げてみます。

①木綿

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△弓浜絣

鳥取県の弓ヶ浜半島(米子市、境港市)で製作されています。

以下の記事参照↓

 

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△綿薩摩(薩摩絣)

宮崎県都城市で製作されています。

以下の記事参照↓

 

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△久留米絣

福岡県久留米市および周辺の旧久留米藩地域で製作されています。

以下の記事参照↓

②麻

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△越後上布

新潟県南魚沼市、小千谷市を中心に製作されています。

以下の記事参照↓

 

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△宮古上布

沖縄本島から南西に290Kmにある宮古島で製作されています。

以下の記事参照↓

 

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△越後上布

 

7.カジュアルなのに手間がかかる絣たち

無地の紬や後染めされた結城紬などは、少しよそゆきでお洒落な着物として着用できますが、「絣」のきものは昔も今も日常着として、気楽な場所でのみ活躍するものです。

それなのに、多くの絣のきものは、1反作るのにとても手間がかかります。

琉球絣で1ヶ月、久留米絣は2ヶ月、結城紬は数ヶ月から1年、宮古上布は1年以上かかることも。そして越後上布の絣入りは2年かかると言われています。

今では芸術とも言える染織技術を駆使し、長い時間をかけて作られた絣たち。

それらが世代を超えて受け継がれ、着続けられるのは、作り手の技術だけでなく、布に込められた魂によるものなのかもしれません。

 

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