お直し/リメイク

二部式作り帯のつくりかた

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今日は名古屋帯を切って、二部式の作り帯にする方法をご紹介します。

過去に取り上げた作り帯も、あらためて目的別にご紹介します。

1.シミを隠すために

①気がかりだった帯

今日ご紹介するのは、長年気になっていた古いもので、母が昭和50年代に愛用していた紬の八寸名古屋帯です。

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△お太鼓部分のシミ

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△胴部分のシミ

このように白地部分のシミが目立ち、そのままでは締められないことが以前からわかっていました。

着用を半ば諦めていたので、5年前には代わりになるような帯を購入してしまいました。

その時の記事はこちらです。

けれども、格段にこの帯の手触りが良いことや、柄を気に入っていた私が「白樺の帯」と呼んでいた思い出もあり、なんとかもう一度生かしたいと考えました。

②もう一度よく見る

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今回もう一度帯を広げて見たところ、シミは一部分だけで、全体に広がってはいないことが分かりました。

二部式にリメイクすれば、シミは隠せるのではないかと思いました。

この帯を作り帯にした様子を次にご紹介します。

 

2.作り帯にする方法

切る

①お太鼓と胴を切り離す

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右がお太鼓になる部分です。

シミがあるところに赤い待ち針をさしています。

②手先を切る

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手の部分を45cmカットしました。

 

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△三分割された帯

左……胴
上……お太鼓
下……手先

お太鼓をつくる

③お太鼓の形を作る

シミを隠すためにお太鼓の形を決め、固定式にします。

 

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きれいな部分でお太鼓を作り、きものクリップで留めます。

 

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お太鼓の裏側はこのようになっています。

④お太鼓を縫い止める

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お太鼓を折り返した部分をたれに縫い付けてとめます。

 

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絹の紬帯ですが、白地なので白の木綿糸を使いました。

 

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両端をしっかり留めます。着用時は手先で隠れる部分です。

⑤手先をつける

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タレの裏に手先を縫い付けます。

 

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手先を通した時に、2~3cmずつ両端が出るように調整します。

 

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着用すると見えないので、適当に縫えばよいです。

 

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手先が付きました。

⑥お太鼓裏の処理

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お太鼓の裏側を手先にかぶせるようにおろします。

 

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お太鼓裏をタレ部分の生地に縫い留めます。

手先が付いている側は、手先と裏側の生地+手先とタレ生地、両方を縫い付けます。

この時注意が必要です。

 

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縫うのはお太鼓の上から約15cmまでです。

 

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帯枕の出入り口が必要だからです。

 

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裏側の処理が終わりました。

⑦お太鼓を安定させるために

これは必ずやることではありませんが、

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この部分(お太鼓表側)の浮きが気になるので……

 

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一ヶ所だけタレに縫い止めました。

胴部分をつくる

⑧胴部分の長さを決める

胴に巻く部分を作るときは、実際に巻いてみて長さを決めます。

帯を巻いた時に、両端の紐の付け根が背中側に来て、お太鼓に隠れるのがちょうどよい長さです。

また、今回のようにシミが前に出ないように巻けるかを確認してから長さを決めます。

長すぎた場合はカットします。帯が短い場合は、見えない部分で布を足すと良いと思います。

⑨紐をつける

6~70cmくらいの紐を2本用意します。ウール以外なら何でも良いです。(ウールは虫食いになることがあります。)

 

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今回は厚手の綿テープを使用しています。

 

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帯幅を半分に折り*、両端を斜めにして、間に紐を縫い込みながら端を閉じます。

*胴部分の片面しか使用しない場合は、半分ではなく、幅出しをして好みの帯幅に折ればよいです。

 

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紐を付ける位置は上の場合もありますが、私はこの位置が気に入っています。

 

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反対側にも同じように付けました。

完成

⑩出来上がり

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シミのない部分を出せば胴は意外にきれいです。

 

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逆巻き(関西巻き)*にして胴の裏側を出すと、雰囲気が変わります。

*逆巻き(関西巻き)…帯を巻く時、一般的には自分の周りを反時計回り(右から左)に巻きますが、これを「関東巻き」といいます。それに対して時計回りの巻き方を「関西巻き」といい、前の柄が二種類ある帯の場合、どちらかは関西巻きに締めなくてはなりません。着用しにくいのが問題です。

<例>

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△関東巻きの名古屋帯

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前の柄を替えるときは関西巻きにします。(前柄の姉様人形の着物の色が変わりました)

作り帯にしたことでシミを隠すと同時に、逆巻きでも楽に締められるようになりました。

 

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関西巻きだと前はこのようになりました。

 

3.今までの作り帯 ~目的別に4種類~

過去の記事では4種類の作り帯を取り上げました。

いずれも切って作るタイプです。

①固定式ではない作り帯
②固定式の作り帯
③帯芯を一部外した作り帯
④引き抜き帯のリメイク

簡単な説明と写真をご紹介しますので、詳細はそれぞれの記事を御覧ください。

①固定式ではない作り帯

目的:お太鼓の大きさや、柄の出し方をそのつど変えたい

胴とお太鼓は別れていますが、お太鼓の形は作りません。

例1:短い帯を作り帯に

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△「問題の帯」を「締めやすい作り帯」にリメイク!

例2:逆巻(関西巻き)の帯を作り帯に

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△「絽塩瀬・帆船柄の帯」

②固定式の作り帯

目的:シミなどを隠したい・ お太鼓とタレの柄合わせがしたい

お太鼓の形が固定されています。

例1:袋帯のシミを隠して固定し、柄合わせもする

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△「古いシミ汚れの帯・リメイクとバッグ」

例2:シミ汚れの部分をカットして作り帯に


△「古いシミ汚れの帯・リメイクとバッグ」

※ 例1,2とも以下の記事参照

 

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固定式の場合、布が余ることがあるので残布でバッグも作りました。

③帯芯を一部外した作り帯

目的:重い帯を軽くして、締めやすくしたい

芯を一部抜いて軽くすることができます。

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△「夏帯を軽くする ~ICHIROYAの帯で~」

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△カットした帯地と帯芯(190g)

④引き抜き帯のリメイク

目的:アンティークの<引き抜き帯>を気軽に締めたい

引き抜き帯は特殊な締め方が必要ですが、作り帯にすれば楽に締められます。

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△「【図解】 「引き抜き帯」を「作り帯」にリメイクしてみました」

また、アンティークの帯は傷みやすいので、作り帯のほうが安心です。

 

今日は作り帯を取り上げました。

胴の両面が使えるようになった「白樺の帯」の着用例は、改めてご紹介する予定です。

 

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