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綿薩摩とイカットの帯

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今日は着心地の良い綿薩摩と、鹿柄のイカットの帯をご紹介します。

1.綿薩摩(めんさつま)とは

木綿の中でも一番細い糸を用いて大島紬と同じ手法で織られた綿織物。絹のような光沢と柔らかな風合いが特徴です。

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△ 白の綿薩摩(2014年11月1日の記事参照

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△ 藍の単衣・綿薩摩(2014年10月25日の記事参照

 

2.袷の綿薩摩

①藍の綿薩摩

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△蚊絣

モダンな幾何学模様が蚊絣※によって織りだ出されています。

※蚊絣――かがすり。十字形で蚊のように細かい模様の絣。

 

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袷の着物で、同色の八掛が付いています。

②初めて着る

以前ご紹介した綿薩摩は過去に何回か着ましたが、このきものは初めての着用でした。

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母が普段に着尽くしたせいか、とにかく柔らかくしっとりした肌触りです。この着心地は独特で他にはないように思われます。大島紬のツヤを取り、さらにふっくらさせた感じでしょうか……。

 

3.イカットの帯

①イカットとは

インドネシアやマレーシアの伝統的な絣(かすり)のことで、「結ぶ」という意味のマレー語が由来。

自然の草木染料で染めた糸を用い派手な色彩で動植物や幾何学模様などが織られています。

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△白洲正子のイカット半幅帯 白洲正子・牧山桂子・青柳惠介・八木健司(2012)『白洲正子のきもの』新潮社より引用

②鹿と鳥の柄の帯

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紬(絹)の袋帯です。

 

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鹿の柄はお太鼓部分のみです。

 

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これは鳥。雌鶏だとおもわれます。

③着用

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前はふつうの横段模様に見えますが

 

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後ろには個性的な鹿と鳥が描かれています。

柄の付き方からもわかるように、この帯は木綿のイカットを帯に仕立てたものではなく、初めから絹の帯として作られたものです。

 

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遠目には無地に見える藍のきものには、動物柄の帯はよく映えるようです。

 

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赤の地に鹿なので、クリスマスのトナカイにも見えます。

 

4.イカットの壁掛け

①木綿の暖簾

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インドネシア・スンバ島のイカットを暖簾のようにしたものが我が家にあります。木綿製で長さは140cm(フリンジを含む)、幅は62cmです。

 

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生地は厚手で壁掛け用に棒を通す別布が付けられていました。

 

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△生地のアップ

長年見慣れたものですが、モチーフの意味を考えたことはなかったので、アジアの織物ショップ「PANDAN TREE」<スンバ島イカットについて>を参考にしてよく見てみます。

②モチーフの意味

<鹿>
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中央には向かい合った鹿が描かれています。鹿は勇敢さの象徴とのこと。

<樹>
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鹿の間に立つのは「生命の樹」で、天上界と下界を繋ぐものだそうです。樹の周囲には天上と下界の象徴が…

<鶏>
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鶏は天上界の象徴として、スンバ島イカットを代表するモチーフ。

<蛇>
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蛇は下界の象徴で、超能力があるとされ、天上界と他界との仲介者でもあるそう
です。

スンバ島イカットの鶏や鹿は、帯の柄としては変わっているのかもしれませんが、このようなイカット柄はずいぶん前から日本人に愛されてきたようです。

異国情調を身にまとう楽しさを日本人は昔から味わってきたのかもしれません。

天上界の象徴である鶏が描かれたイカットの紬帯を、酉年の今年はいろいろな着物で楽しんでみようと思います。

 

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