今日はお雛様の染め帯を取り上げます。着用の時期や、合わせるきものについても考えます。
1.お雛様柄
①お雛様はいつから?
2月3日の節分が過ぎ、立春を迎えるとお雛様を飾る時期になります。(2020年は2月4日が立春でしたが、日付はその年によって変わることがあります)
きものや帯のお雛様柄も同じように考えればよいのですが、まだ寒さが厳しい立春頃は、あまり身に着ける気分にならないので、私は2月中旬以降にしています。
②塩瀬羽二重の帯
この塩瀬の帯は母の娘時代、白地で締めていたそうです。 結婚後黒地に染め替え、晩年まで大切に使っていました。
土鈴の内裏雛(だいりびな)で、京都 平安神宮の「桜橘縁喜鈴」を写したものです。
今年は桃の花の色をイメージして、このきものを選びました。飛び柄の小紋ですが、抽象的な葉の柄は主張がないので、無地感覚で着られます。
③帯揚げと帯締め
帯揚げはピンク地に赤い絞り。帯の古びた感じををカバーするために選びました。
帯締めはお雛様の邪魔にならないよう、目立たない薄いピンクにしました。
2.染め帯と染めのきもの
①よく言われること
きもの初心者へのアドバイスとして
「染めの着物には織りの帯、織りの着物には染めの帯」
という言葉があります。
私も若い頃母から聞きましたが、これはきものと帯の合わせ方の一つの指針といえます。
昔から、上質のまゆを使って専門家が染めた<染めのきもの>は<柔らかもの>ともいわれ高価なものでした。
そして、織りの帯も同様に専門家が織り値段も高かったので、上質なものどうしの組み合わせは格が高いとされました。
こうして、留袖や訪問着、付下げなどの染めのきものには織りの袋帯を合わせて礼装とされるようになりました。
一方、織りのきものは残ったくずまゆをつむいで家で織ったものなので普段着とされました。染め帯も自宅で織った布に草木染めで作ったものが始まりらしいです。
それゆえ、織りのきもののほうが高価なことがある現代でも、紬はカジュアルなものとされ、礼装用にはなりません。
②おしゃれ着の場合
ところで、①で説明したことは、あくまでも指針として理解しておけばよいものです。
おしゃれ着として着る場合の組み合わせは、色柄や雰囲気が調和しているかどうかを基準にし、あとは自由に楽しめば良いと私は考えます。
小紋のきものに染め名古屋帯を合わせたり、紬のきものに紬の名古屋帯や洒落袋帯(金銀糸が控えめの袋帯)を合わせたりと、多くの人は自由に組み合わせています。
③紬のきもの
ご紹介している羽二重の染め帯は、以前は紬の無地のきものに合わせました。
着心地として、紬のきものより、染めのきものを着るときのほうが、気持ちがしっとりします。
それはきもののタレ感によるものだと思います。
今回、染めのきものを合わせてみて、桃の節句の気分(女性らしさを楽しむような気持ち?)を味わうには、染めのきもののほうが良いと思いました。
3.銀座にて
①洋風のお店で
友人に誘われて、 銀座のアルマーニ リストランテでランチをしました。
ブランドショップと同じ建物内のレストランの場合、着ていく洋服や靴などに気を使ってしまいますが、こんな時、きものなら気楽です。
②和菓子のお店で
銀座6丁目の源吉兆庵1F店舗では、ひな人形鑑賞会を開催していました。
- 開催期間:~3月3日(火)
- 宗家 源吉兆庵 銀座本店
(東京都中央区銀座6丁目9-8) - 時 間:平日10:00~20:30、土日祝10:00~19:00
(入場無料) - https://www.kitchoan.co.jp/shops/thehouse/
豪華な十段雛飾りや、可愛いつるし雛が展示されていました。
2~5FにはカフェレストランK.MINAMOTOがあります。
イタリアンのコース料理を食べたあとなので気分は和菓子とお抹茶でしたが、残念ながらレストランはすべて洋風メニューでした。そこでハーブティーを頂きました。
こちらでは、全ての料理とデザートに果実を使用しているそうなので、次回はお料理とデザートをゆっくり味わいたいと思いました。