帯によってトーンが変わる

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同じきものでも帯で印象が変わります。

今日は前回取り上げた色大島の着用例などををご紹介しながら、帯によるイメージの変化も見たいと思います。

1.色大島を着てみる

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↓ ↓ ↓

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目引き染めによってリメイクされたきものです。(詳しくは以下の記事をご覧下さい。)

①辻が花風絞りの名古屋帯で

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茶色地の帯は全体をぐっと引き締め、きものの柄の大きさをカバーして渋みを加えているようです。

 

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緑の葉もありますが、地の色からもイメージは秋です。

 

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帯の茶に引っ張られ、きものも茶系に感じられるほどです。

②吹き寄せ柄の名古屋帯で

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帯の色が薄いと雰囲気が変わります。

 

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△吹き寄せ柄の縮緬の名古屋帯

吹き寄せ柄は、モミジ、銀杏、松葉、椎などの落ち葉が風に吹き寄せられた様子を描いたものです。

 

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この帯には秋の寂しさを感じさせない明るさがあり、きものをつややかにしているようです。

 

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帯締めの朱が華やかさを出しています。

この取り合わせでは、きものの地色と帯の地色が近くなり、柔らかな印象になりました。

③菊は季節を問わず

菊の文様は秋だけでなく、季節を問わず用いることができるとされています。特にこの着物のように菊の花だけを意匠化した柄は秋以外でも重宝しそうです。

今回の帯合わせは秋限定でしたが、ほかの取り合わせでも楽しみたいと思います。

 

2.帯によって変わる印象

同じきものでも帯によって印象が変わる例をまとめてみました。

以下のきものです。

  • ①お召小紋
  • ②ムガシルク無地
  • ③久留米絣
  • ④黄八丈
  • ⑤白薩摩

①お召小紋

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△飛び柄のお召小紋に黒地の帯で

春用の刺繍が施された塩瀬の帯ですが、黒でぐっと引き締まった感じです。

満開の桜の下で合わせました。

 

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△多色の織りの帯で

少し明るくなり、織りの帯なので格も上がります。

②ムガシルク無地

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△ムガシルク*の無地に白山紬の染帯で

*ムガシルク……インドのアッサム地方に生息する野蚕(やさん)の一種である「ムガ蚕(かいこ)」からとれる、黄金色に輝く絹糸、またはその織物をさします。

きものはムガシルク特有のツヤがありますが、帯で軽快な感じになっています。

 

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金糸の入った織り帯で、あらたまった雰囲気になりました。

※ 以下の記事で詳しく紹介しています

③久留米絣

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民芸調のカジュアルな組み合わせです。

 

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白地の帯に小物の色を統一しておしゃれな感じに。

④黄八丈

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③の久留米絣と同じくイカット風の紬帯を合わせてカジュアル感を強調しました。

 

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薄い色の塩瀬染帯に小物の色も控えめにして、明るくよそゆき風な印象です。

⑤白の綿薩摩

白っぽい絣のきものは帯で楽しみます。
※綿薩摩については以下の記事を参照下さい。

 

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△インド更紗の帯で

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△ 紙子(かみこ)*の帯で

*紙子については以下の記事を参照下さい

 

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いずれも紬の帯で。クリスマスブローチを帯留めにしました。

※ 詳細は以下の記事を参照下さい

 

3.帯をもう一本増やそう

①最近の傾向

先日、悉皆屋さんが話していたことですが、最近はきものをたくさん持っている人でも、帯は少ない傾向にあるようです。

季節や目的に合わせて次々と新しいきものを購入し、帯は後回しになってしまうのでしょうか。

あるお客様の相談を受け、手持ちの着物と帯をチェックした悉皆屋さんは帯の少なさに驚き、「新品でなくてもよいので、帯をもう少し購入してください」とアドバイスしたそうです。

②きもの一枚帯三本

いくらお気に入りのきものが増えても、帯が合わないと楽しくありません。

言い換えると、きものの楽しみの一つは、帯で自己表現することなのです。

昔からよく言われる「きもの一枚帯三本」という言葉は、現代でも意味を持つのではないでしょうか。

新しいきものはワクワクして嬉しいものですが、そのきものを着こなしてゆくための帯を考えるのも大切で楽しいことだと思います。

 

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