お直し/リメイク

菊文様 その2 ~十六菊文の大島をリメイク~

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前回は菊文を取り上げましたが、今日は若い頃の菊文のきもののリメイクについてご紹介します。

本記事の「その1」はこちら↓

 

また、以下の記事「赤やピンクのきものはどうする?」の続きでもあります。

1.菊文様の色大島

①10代からのピンク色

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以前の記事でご紹介した若い頃の色大島です。朱色の八掛けがついて子供っぽい感じがします。袖丈も一尺五寸(約57cm)あり、長めです。

 

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14歳の頃。肩上げをして着ています。

 

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19歳の頃。赤い名古屋帯を締めています。

②十六菊文

きものは十六一重菊文様です。

本記事の「その1」にも取り上げましたが、十六菊文とはパスポートに使われているデザインです。

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△十六一重菊文(Wikipedia.orgより)

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このきものにも十六枚の花びらを持つ菊が織り出されています。

 

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よく見るとほとんどの菊がどこかで重なっていて、完全な十六菊文はごくわずかです。

長年このきものを着ていたのに、ほとんどの花びらが重なり合っていることに気付いたのは今回はじめてでした。

模様に奥行きを持たせるためのデザインの工夫と、十六八重菊を使う皇室に対しての遠慮があるのかもしれません。

③もう一度着たい理由

リメイクしてもう一度着たいと思った特別な理由はないのですが、菊文様が気に入って10代から20代後半まで頻繁に着ていたこの着物には愛着がありました。

また、悉皆屋さんには「貴重な大島を着ないでそのままにするのはもったいないです!」と言われました。

こんな大きな柄のきものがこの先リメイクで着られるようになるのかは不安でしたが、お願いすることにしました。

 

2.目引き染め

きものの上から色を掛けて地味にする目引き染めをしてもらうことにしました。

①まず薄い色で

悉皆屋さんのすすめで、まず白茶(しらちゃ)をのせてみることにしました。

白茶とは、薄くて明るい感じの茶色のことです。ベージュとも言えますが、ベージュのほうが範囲が広いようです。

 

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あまり変わりません。

もう少し濃い色にしないとピンク色が目立ってしまい、明るさを抑えることが出来ないようです。

②2回目の色掛け

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こうなりました。

もともと出来上がりのイメージや希望の色はなかったのですが、落ち着いた緑系の面白い色になったと思います。

③裾回し(八掛)

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元のきものから外した裾回しはこんな色です。

傷みはないので、色を抜いて白にしてから染め直してもらうことにしました。

 

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裾回しの色を、見本帳で選びました。

新しく作る場合は裾回しの色で個性的なおしゃれを楽しむことができますが、今回はきものの派手さを抑えるのが目的なので、同系色で落ち着かせたいと思いました。

裾回しに同系色を合わせると、きものが上品な仕上がりになるはずです。

 

3.出来上がり

①ぼかしの裾回し

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このように出来上がりました。

 

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裾回しは前と同じぼかしになっていました。

注文の時点では無地かぼかしかはお任せすることにしていました。このきものに関して、違いがあまりわからなかったこともあります。

本来、ぼかし裾回しの効果は、表の生地が薄い色の場合に発揮されます。

表地の色が薄く裾回しが濃い場合、透けてしまって白の胴裏との境目がわかってしまいます。そこで、裾や袖口の見える部分以外は白になるように色をぼかしているのです。

 

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△ぼかしの裾回し

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△ぼかしの裾回しをつけた薄いグレー地のきもの

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△ぼかしの裾回しをつけた白っぽい十日町紬

今回の場合は無地の裾回しでも透けることはないのですが、歩くときにほんの少し見える裾がぼかしになっていると、目にした人は明るさだけでなく美しさも感じるそうです。(悉皆屋さんの説明による)

 

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こちらは色大島に無地の裾回しがついたものです。

着ている本人に違いはわかりませんが、このようにきものを置いて広げたりするときにぼかしと無地では印象が違いますね。

②大柄でも渋く

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若い人向きの大柄文様が心配でしたが、落ち着いた色になったことで気にならずに着用できそうです。

 

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↓ ↓ ↓

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目引き染めで色大島はこのように変わりました。

もちろんリメイクしても大島独特のツヤ感は変わらず、きれいに洗われたせいか、かえってなめらかな手触りになったように思いました。

 

早速着てみることにしました。
続きは次回に。

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