今日は前回に続いて白地の織り名古屋帯を取り上げます。
春のお出かけ用に出番の多い蝶文様の帯です。
1.立涌(たてわく)蝶文の帯
「立涌」については前回取り上げています。
①合わせやすい白地の帯
初代若松華瑶デザインの「丈二なごや帯」です。(前回の記事参照)
若い頃から愛用している蝶の帯は、年齢を重ねてからも色々に楽しんでいます。
最近の着用例1:郡上紬(ぐじょうつむぎ)のきものに
郡上紬に合わせました。
カジュアルな紬ですが、郡上紬の複雑な糸の色が、白い帯で一層浮き上がるような気がしました。
郡上紬についてはこちら↑の記事で紹介しています。
△平成29年、93歳の二代目 若松華瑶さんと。「東西名匠老舗の会」にて。
紬の様々な青色に合わせ、長襦袢や帯締めの色を楽しめるのも、白地の帯ならではです。
最近の着用例2:縮緬のきものに
縮緬の宝尽くし文様の小紋に合わせました。
若向きの大柄の帯ですが、細かい柄のきものならまだ着用できそうです。
②昭和時代の柄小紋に
今回は昭和らしいモダンな柄の小紋に合わせました。
黒のリーフ柄が洋風で個性的ですが、よく見ると大きな四君子丸紋の地紋があります。
古典柄の地紋によって柄に奥行きが出ているように思います。
③色違いの蝶の帯
蝶の柄が好きだった私は、お太鼓結びにはまだ早い十代のころ、同じ文様で橙色の帯を文庫結びで着用していました。
文庫用に帯幅が狭く仕立てられています。
文様が同じでも地色によって雰囲気が変わります。
蝶文様の帯は、花柄が多い若い女性の着物には合わせやすいものだと思います。
2.英国伝統工芸のブローチ
①Handcast
英国Handcast(ハンドキャスト)のブローチを帯留めにしました。
単純な発想で、蝶の帯に花の帯留めです。
Handcastは、大理石の粉を樹脂で練り固め、手作業で彫刻・彩色したもので、このような小さい小物入れが多いようです。
ブローチを帯留めとして使う方法はこちらで紹介しています。
②ブローチは丸いものがおすすめ
帯留めにするなら丸いブローチが安定感があり、使いやすいです。
英国ウェッジウッドも意外に着物に合います。
イカット風の紬の帯に合わせています。
レースの帯締めなので、そのままピンで留めています。
3.浜離宮恩賜庭園
桜にはまだ早い時期に、浜離宮恩賜庭園を散策しました。
①浜離宮とは
東京都中央区にある都立庭園です。
承応3(1654)年、甲府藩主の徳川綱重がこの地を拝領し、海を埋め立てて別邸を建てました。
綱重の子である徳川綱豊が六代将軍(家宣)になったのを契機に、この屋敷は将軍家の別邸となり、「浜御殿」と呼ばれるようになりました。
その後改修を重ね、十一代家斉の時代に、ほぼ現在の姿の庭園が完成しました。将軍の鷹狩の場でもありました。
(浜離宮恩賜庭園パンフレットより抜粋引用)
②見どころ
東京湾から海水を取り入れ、潮の干満によって池の趣を楽しむ潮入(しおいり)の池と
4つの御茶屋が見どころです。
また、歴史のある松や季節の花が楽しめます。
左から燕の御茶屋・鷹の御茶屋・松の御茶屋
中島の御茶屋
徳川家宣時代に植樹されたものだそうです。
自然が美しい浜離宮ですが、ここではどの方角にも高層ビルがあり、江戸時代の庭園と現代の景色の融合が面白いです。
中島の御茶屋に架かる<中島の橋>にて
ほかにも風情のある橋がいくつも架けられています。
③中島の御茶屋
1707年に造られた中島の御茶屋は、昭和58年に再建されました。
現在は休憩所となっていて、抹茶と和菓子セット(有料)が提供されています。
和菓子は手前のつくしの練りきりを頂きましたが、柚子餡で美味しかったです。
上生菓子とお抹茶のセットは740円でした。
景色をめでながら癒やしのひとときを過ごせます。
来年の桜満開の季節にぜひまた来たいと思いました。
☆浜離宮恩賜庭園は、現在休園中です。
臨時休園期間:令和2年3月28日(土)~令和2年4月12日(日)
https://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index028.html