先日、新しい帯枕を購入しました。伸縮性のある枕ひもと一体になっています。
また、愛用の夏用帯枕も再度ご紹介します。
1.いろいろな帯枕
帯枕にはさまざまな大きさと形があります。
①一般的な帯枕
これは一般的な帯枕。横の長さは22~23㎝です。
小さいものもあり、下の枕は紐付きのタイプです。
紐なしの場合はガーゼをかけて使います。
専用のガーゼも購入できます。(昭和時代は自分でガーゼを縫って作りました)
ガーゼをかけて97gです
②形や厚みの違い
お太鼓の大きさや帯結びによって枕の形も変わります。
<蛤型>
ふくら雀など、振り袖用帯結びで使用します。
ころっとしていて5cmほどの厚みがあります。
<薄いもの>
普通のものより薄い帯枕です。お太鼓を小さくつくりたいときなどに向いています。
普通の枕は3~4cmの厚みがありますが、
こちらは2cmほどで、裏側も柔らかくできています。
お太鼓が膨らまないので、家着やカジュアルきものに適しています。また、体型的に横の厚みが気になる場合にも使えそうです。
③帯枕の疑問点
お太鼓には欠かせない帯枕ですが、時々思うことがありました。
- 帯枕の紐でもっと楽なものがないだろうか
- 柔らかい帯の場合お太鼓の両端にしわができるが、それを防ぐ方法はないか
この2点を解決するものとして、たかはしきもの「空芯才」を購入しました。
2.洗えるメッシュ帯枕 空芯才
①届く
注文後、1日で届きました。
箱に入っています。
長細い形状です。
3サイズあるうちの、中間サイズ「Dx」です。
②サイズ
3種類のサイズは以下の通り
- N:横の長さ25cm・幅7cm・高さ3.5cm
- Dx:横の長さ25cm・幅9cm・高さ4.5cm
- Big:横の長さ25cm・幅9cm・高さ6cm
3種類いずれも横の長さは25cmとたっぷりしたサイズです。
私が今まで使っていた下の2つと比較すると長いことがわかります。
大きいわりに重さは同じくらいです。
③素材
- 枕部分:ナイロン75%ポリエステル25%、ポリエチレンフォーム(ポリエチレン樹脂発泡体)100%
- 側地(包んでいる生地と紐):ポリエステル65%綿35%
側地(がわじ)は、スポーツウェアなどに使われている東レのエアレットです。伸縮性に優れているほか、中空繊維内の空気によって、軽くて着心地が快適な生地だそうです。
伸びる生地です。子供の肌着シャツのような、ガーゼより厚い生地です。
枕は縫って固定されているので、洗濯はまるごと行うようです。
3.使ってみる
①柔らかい羽二重の帯に
長年の使用で柔らかくなっている塩瀬羽二重の帯も、しっかり背負うことができました。
お太鼓の山が、端までかっちりしています。
今までの帯枕では、お太鼓の両端がふわっとしていて、つぶれることもありました。
②空芯才の良い点
- 横が長いのでお太鼓の山が真っ直ぐにできる
- 横が長いので、着付けの際に帯と枕を背中に当てやすい
- 軽く柔らかい素材なので、ピッタリ背中に馴染む感じがする
- 長時間の乗り物や観劇などでも楽に過ごせそう
- 紐がよく伸び、当たりがソフト
③空芯才の気になる点
- 背中に密着し過ぎて夏は暑そう・紐も綿ガーゼのほうが薄いので涼しいかも
- 紐がよく伸びるので、うっかり締めすぎてしまいそう→かえって苦しくなる場合も
- 伸縮性のある枕ひもは期待したほど楽にはならなかった(慣れの問題かもしれない)
- お太鼓の山が直線的になるので、丸いカーブで優しい装いをしたいときには不向き
4.ヘチマの帯枕
空芯才の長所である「背中にぴったり付く」ことは、同時に暖かいということだと思います。ですから、私は暑い季節にはヘチマの帯枕をおすすめしたいと思います。
以下の記事で紹介したものです。
①ヘチマの帯枕
中の枕は天然のヘチマ。外側は綿100%のガーゼです。
重さは71g(枕だけでは46g)です。私が使用しているものの中では一番軽いです。
②ヘチマ帯枕の着用例
ヘチマの帯枕も横長の形状なので、お太鼓の形はしっかりします。しかし、背中に密着せず、風通しも良いので涼しく感じます。
着用例をご紹介します。いずれも夏の帯で使用しています。
絽のきものに紗の袋帯
絽のきものに紗の袋帯
夏塩沢に粗紗(あらしゃ)の帯
ヘチマの帯枕は自分で好みの厚さに潰して使用します。(はじめは円筒形でころっとしています)
夏向きに薄いお太鼓にしたい場合は形を変えることができます。
今日はたかはしきものの帯枕「空芯才」とヘチマの帯枕をご紹介しました。
空芯才は、長時間着用しても、お太鼓の形が崩れず楽に過ごせる安定感のある製品でした。ただし、夏には不向きで、紐は伸ばしてから結ぶときつくなることがあるので注意が必要です。
暑い季節にはヘチマの帯枕がおすすめです。