暑さ対策

ヘチマの帯板・再レビュー

2016年3月5日

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今日は「貝の文様の帯・後編」の予定でしたが、このところ急に暖かくなったので、夏に着物を楽しむための暑さ対策グッズを取り上げることにします。

今回はヘチマの帯板の再レビューとヘチマの帯枕についてです。

1.ヘチマの帯板とは

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天然素材、ヘチマでできた帯用前板です。この製品は限定生産なので、先日の発売を待って今年も早速購入しました。

昨年も取り上げましたが、良い製品で愛用しているので又ご紹介します。

 

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国産のヘチマを使い日本で製造しているので、材料確保が難しく大量には作れないのだそうです。(2015年4月25日の記事参照

 

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帯板の外側は木綿です。

 

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ヘチマのプレス、接ぎ合わせ、縫製には手間が掛かるそうです。

 

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ベルト付きです。

 

2.ヘチマの帯板の良い点

おすすめの理由は5つあります。

① 通気性が良い
② 軽い
③ あたりがソフトで楽
④ 帯がすべらない
⑤ 一年中使用できる

①②③……軽い素材のヘチマを薄くプレスしたものなので、帯の下の蒸れを防ぐことができ、快適です。

④……ふつうの帯板は表面がツルツルした物が多く、帯がすべることがありますが、ヘチマの帯板は木綿にステッチが施されているため帯がすべりません。

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▲ ふつうの帯板とヘチマ製を並べてみました

⑤……楽な着用感で夏が終わってもそのまま使い続けたくなります。

 

3.ヘチマの帯板を袷(あわせ)の季節に使う時の工夫

ヘチマの帯板は柔らかいので、袷の着物の時期、厚手の帯や袋帯などを締める時には少し頼りない*気がします。そこで秋~春は、薄く小さめの帯板を内側にあてて使用しています。

*「袷の季節はヘチマ製の帯板だけでは頼りない」と書きましたが、実は戦前は帯板をあまり使わなかったようですね。帯に帯締めがくい込んでいる昔の写真や絵をよく目にします。自然な着こなしには帯板は柔らかくても良いのかもしれません。

 

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ヘチマの帯板にはベルトが付いているので、もう一枚の帯板を内側に挟めば簡単に装着できます。

 

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▲ 大正10年正月の写真

我が家に残る集合写真です。晴れ着姿の女性たちの帯締めあたりを見てみると、クシャッとした人とカチッとした人の両方がいます。

 

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一年間使用した帯板(上)と新品の帯板(下)です。使用していたものは表面にヘチマの細かい凹凸が出ていますが、問題なく使えます。今回購入した帯板は予備として保管し、娘にも使わせたいと思います。

 

4.ヘチマの帯枕

今回初めてヘチマの帯枕を購入しました。

①購入動機

今まで使用していたものはヘチマが小さくて普段着用だったので、お太鼓の形がきれいに出るような長めのヘチマの帯枕が欲しかったのです。

②よく見てみる

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届いた時はこんな状態です。

 

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たっぷりと長いガーゼにくるまれています。コロコロしていますが、これを自分で潰して使います。

 

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ヘチマは二重に包まれています。

 

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ガーゼから取り出してみました。

 

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潰した状態です。

 

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私が使用しているふつうの帯枕は76g、ヘチマの帯枕は46gです。

 

5.ヘチマの帯枕を使用した感想

暑い季節での体験はできていませんが、使用してみて気付いたことが2点あります。

①わずか30gの差ですが、ヘチマの帯枕はフワッと軽く感じました。

②ふつうの帯枕は内側が背中にぴったり添うようにできていますが、ヘチマの帯枕はカーブをつけて潰しても背中に密着しないようです。

この2点によって快適な使用感が得られるのではないかと思います。

 

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