【写真解説】だらりの作り帯 その2 ~着用のしかた~

_MG_9645

今日は読者の方からの質問にお答えして、だらりの作り帯の着用方法をご紹介します。

「文庫結び用帯枕」を使う方法と、使わない方法の二通りを写真で説明します。

だらりの作り帯 前回の記事はこちら↓

1.文庫結び用帯枕の使い方

①帯枕

P1020295

これらは一般的な帯枕で、お太鼓や変わり結びのときに使用します。

 

_MG_7786

これが「文庫結び用帯枕」です。

差し込むための足が付いているのが特徴で、踊り用として使われることが多いですが、一般にも使えます。

私は、お太鼓結びにはまだ早い十代前半の頃、外出用の文庫結びに使っていました。最近のものは足がステンレス製になっているようです

②帯枕でだらりを作る

_MG_7782

このような形に作っていきます。

 

_MG_7783

枕に帯揚げをかけておきます。真ん中のゴムで帯揚げを押さえます。

 

_MG_7781

帯の中央にひだを作っておきます。

 

_MG_7780

枕を載せます。

 

_MG_7779

帯締めも載せます。

 

image

結び目になる布を紐で固定します。

 

_MG_7773

だらり部分はこれで完成です。

 

2.枕を使う着用方法

①胴部分の帯を巻く

_MG_7762

ここでは帯板はあらかじめ巻いています。

 

_MG_7761

帯を巻きます。

 

_MG_7760

出したい柄を調整しながら巻きます。

 

_MG_7759

後ろで布(紐)を結びます。

 

_MG_7758

しっかり結んだら

 

_MG_7755

あまりを帯の中におさめます。

この結び目が帯枕を安定させます。

②だらり部分を付ける

_MG_7764

_MG_7766

帯枕の足を背中に差し込みます。

 

_MG_7767

上から見たところ。

 

_MG_7770

だらりの下はこのようになっています。

③帯揚げと帯締め

_MG_7751

帯揚げはまっすぐ前に、帯締めは下に向けて前に持っていき、それぞれ処理します。

 

_MG_7748

帯締めは帯枕をしっかり留める役目も果たしています。

 

_MG_7731

出来上がり。

 

_MG_7734

舞踊の際、見栄えが良いように、横から帯の柄がはっきりと見えるようになっています。

 

_MG_7742

後ろ姿では、二枚のだらりの羽(タレ)が離れています。

 

3.枕なしの着用方法

衣裳のように帯の後ろを大きくせず、舞妓さんのだらりの帯風に結び目をコンパクトにしてみようと思いました。

 

kimono-kitai_002529_3

舞妓さんのだらりの帯は羽が重なっていて、結び目は隠れているようです。

①だらり部分を作る

_MG_9682

結び目になる布の中には、だらりを固定するための紐と帯締めを通しておきます。

 

_MG_9680

今回は帯揚げは別にしてみました。(一緒に通しても同じかもしれません)

②胴部分の帯を巻く

_MG_9676

2と同じように後ろで布を結びます。

 

_MG_9675

中におさめます。

今回はこの結んだ布だけでだらりを支えることになります。

③だらり部分を付ける

_MG_9670

だらりと帯揚げを一緒に持ち、背中の結び目の上にのせました。

すぐに紐を前に回してしっかり結びます。

 

_MG_9668

こんな感じになっています。

結んだ布部分を帯揚げで隠そうと思いましたが、不格好になったので断念しました。(作り帯でない場合は、ここにふつうの帯枕をあてて帯揚げをかけるのだと思います。)

④紐と帯締め

_MG_9625

紐を前で結んだら帯揚げを飾ります。

帯締めも紐と同じく、だらり部分を固定させるためにしっかり結びます。

 

_MG_9626

出来上がり。

 

_MG_9649

後ろが小さくなりました。

 

_MG_9633

二枚の羽が少し重なって、控えめな雰囲気になりました。

今日はふつうの装いとは関係のない帯の着付けでしたが、京都の舞妓さんのだらりの帯や、歌舞伎の赤姫の衣裳を思い出しながら楽しい時間を過ごしました。

 

-
-, , , , , , , ,

0
Would love your thoughts, please comment.x
()
x