「帯止め金具」と「お太鼓止め」

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今日は前回の「帯止め金具」のその後についてと、もう一つの止金具である「お太鼓止め」を取り上げます。

これもかなりポピュラーなもののようですが、私は初体験でした。

1.帯止め金具 その後

①ちぎれた!

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後ろで差すのは少し難しいと思い、私は写真のように前の右脇から…

 

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後ろに回していました。

これは塩瀬羽二重の帯で、簡単に回せています。

ところがその後、織の袋帯で回そうとしたところやりづらく、ようやく背中に移動させスナップを止めようとしたとき、ちぎれてしまいました。

 

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帯が厚くすべりにくかったのと、移動させる時にうっかりスナップの部分を引っ張ってしまったのかもしれません。

私の扱い方が悪かったせいですが、娘にも勧めようと思っていたので残念でした。

②あづま姿に問い合わせてみた

実際、どのように使えばよいのか、あづま姿に電話で聞いてみました。

担当者(女性)の話では

  • 創業60年になるが、かなり初期から、この帯止め金具は販売していた
  • 帯止め金具は、基本は後ろに手をやり、自分で差して使うもの
  • 使い方は自由なので、後ろで使える人はそのままで、前で差してから後ろに回しても良い
  • すべりにくい帯だと、回しにくいかもしれない

ということで、自装の場合の正しい使い方というのはなく、各自工夫して使うものらしいです。

スナップの部分に無理な力を加えないように注意すれば、帯が止められ帯枕も安定する便利グッズなのだと思いました。

また、あづま姿の担当者は、後ろで使いやすいものとして、「お太鼓止め」を教えてくれました。

最近の着付け教室では、「帯止め金具」より「お太鼓止め」が多く使われているとのことでした。

 

2.お太鼓止め

①お太鼓止めとは

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お太鼓止めを早速購入してみました。

 

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このようなクリップです。

 

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上下で長さとカーブが違っています。

 

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ここに帯を挟むようです。

あづま姿 No.655 お太鼓止 内容量2本入

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②使い方

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帯を胴に二巻きしたら、後ろの中心またはやや左側にクリップを差し込み、帯2枚をはさみます。(クリップの長い方が体側になるように差し込みます。)

これだけの作業で、あとはふつうにお太鼓を作ります。

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仮紐を使ってお太鼓を作るところを紐なしでできるのと、仮紐を使う場合でも緩まずにできるという利点があります。

仮紐を使う場合の画像

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2回巻いたたれを結ばずに斜めに折り上げて仮紐で押さえているところ
(「美しい着つけと帯結び」主婦の友デラックスシリーズ 昭和54年より)

③感想

  • きものクリップと同じような働きをするものですが、挟む時に力がいらないので楽でした。
  • 長さの差があることで帯に差し込みやすくなっていて、すっと滑り込ませる感じでした。

 

3.お太鼓以外の使い方

商品説明によると、お太鼓を作るときだけでなく、他にも使い方があるそうです。

実際にやってみました。

①前板のズレを防ぐ

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ベルト付き前板です。

これはメッシュですが、それ以外でも前板は滑りやすい素材のものが多いです。

動いていると、いつの間にか帯が下がって前板が見えてしまうことがあり、それを防ぐために使います。

 

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△ベルト付き前板の後ろ側

ベルトタイプはここに補正タオルを入れることもできて便利です。

 

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前板の上から帯を巻きます。

このように下から白い前板が見えるとかなり目立ちます。

 

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前板と一巻き目の帯をお太鼓止めではさみます。

ここでは一箇所ですが、2箇所止めるとさらに安心です。

 

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挟むときは、お太鼓で使ったときとは逆の向きで、平らなほうを外側にします。

 

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△出来上がり

 

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下から見るとこのようになっています。

②貝の口結びで

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貝の口をつくるとき、結び目をお太鼓止めでおさえます。

 

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あとはふわっとした結び方でも元の結び目が留めてあるのでゆるむ心配はなさそうです。

ちなみに、この貝の口は手先が左に出る関西巻きです。

 

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△手先が右に出る関東巻き

貝の口の結び方はこちらで紹介しています。

【画像解説】浴衣の帯結び(2):「貝の口」の特徴と結び方

簡単な帯の結び方「貝の口」について、ステップごとに写真を交えながらご紹介します。

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