今日は防寒対策のインナーを取り上げます。和装インナー ヒート+ふぃっとシリーズのシャツと他一点です。
1. 新素材の和装下着
①和装インナー ヒート+ふぃっと とは
「ヒート+ふぃっと」 は、株式会社サンブライト貿易(京都市中京区)のプロジェクトにより生まれた、着物用の機能性下着です。
東レの最先端繊維「ソフトサーモ」を使用しています。
でも紹介していますが、以下のような製品があります。
そして、トップスとしては「ヒート+ふぃっと シャツ 」があり、またワンピースタイプの「ヒート+ふぃっと ワンピース」もあります。
ワンピースは未購入ですが、今回は「ヒート+ふぃっと シャツ」を取り上げます。
②「和装インナー ヒート+ふぃっと 七分丈シャツ」
七分袖のシャツです
「ヒート+ふぃっと」シリーズで、パンツ(ステテコ)と合わせて着るように作られたものですが、上下は別に販売されています。
「舞妓さんたちの声から生まれた着物のための肌着です」というコピーを見ると、舞妓さんの姿が目に浮かび、販売意欲が掻き立てられるようです。
△ 京都・祇園の舞妓さん(襟足の化粧「三本足」は、黒紋付着用時の化粧だそうです)
でも、上の写真を見ると襟足をかなり見せているので、舞妓さんがこのシャツを仕事時に着用しているかは少し疑問ですが……
襟と袖口にはレースがあしらわれ、一般的なシャツよりかなり着丈が短いです。
後ろ側。襟は大きめに開いています。
袖口のレース
襟のレース
襟のレースを裏返したところ
トルソーに着せてみました。
襟部分
左側すそ部分
後ろ
襟の開きは首の付根から9cm下にあります。
着丈は約50cmと短いです。
昨年レビューした「ヒート+ふぃっと パンツ 」と合わせてみました。
③素材など
- 素材
【本体】アクリル39.6% ポリエステル32.1% レーヨン25.2% ポリウレタン3.1%
【レース】ナイロン・ポリウレタン
<発熱・保温ソフトタッチ素材 東レ「ソフトサーモR」糸使用>という説明です。
「静電気防止加工」も施されているようです。 - サイズ
M:バスト約79cm~87cm 身長約150cm~162cm ヒップ約87~95cm
L:バスト約86cm~94cm 身長約155cm~167cm ヒップ約92~100cm - 生産国は中国です。
④着用した感想
<良い点>
- 襟元のレースがきれいな雰囲気を出しています。
- 袖はフレアー袖で、きものに合っています。見えても違和感がなく安心だと思います。
- 伸縮性があり、体にフィットします。
- 手触りが柔らかく、薄いのに暖かです。
- 襟が大きいので、足からの着脱ができます。
- 丈が短いので、お腹周りに影響しません。
- ステテコとセットになっているので見た目も良いようです。
<問題点>
- 肌触りはよいですが、化学繊維が苦手な人がどう感じるかは疑問です。
(私は大丈夫ですが、肌触りはユニクロのヒートテックに近い感じです) - 襟元レース部分の端が、僅かながら直接肌に当たります。
(一日着用しましたが、私は違和感を感じませんでした) - 脇にしっかり縫い目(内側)があります。
私は気になりませんでしたが、敏感な人はどうでしょうか。
ただ、洋服と違い、重ね着や帯で下着はある程度固定されるので縫い目でこすられる感じはないと思います。
2.綿素材のシャツ
シャツはステテコよりも肌への密着部分が多い点、また、上から補正パッドや紐、帯を巻いていくことを考えると、敏感肌の人は、化学繊維のストレスを感じるかもしれないですね。
そこで、昔ながらの綿100%シャツを考えてみることにしました。
①「グンゼ インナー トゥシェ Intimate 着るコスメ 綿100% 八分袖」
[グンゼ] インナー Tuche トゥシェ Intimate 着るコスメ 綿100% 8分袖 TC4046 レディース オフホワイト 日...
洋服用の長袖肌着です。
実は、洋服用に以前から色違いを着用しているのですが、きものにも使えることがわかりました。
このように新品だと襟が詰まってみえます。
上から以前のもの(ピンク)を重ねてみました。襟の開きが大きくなり、袖丈と着丈が短くなっています。
ピンクをトルソーに着せてみました。
後ろの襟もかなり開いています。
こちらは新品(ホワイト)です。
丈が長いです。
伸縮性があるので引っ張ると後ろの襟はかなり開きます。
②素材など
- 素材
綿100%
フライス(丸編み機で編み上げた編地)
3つの天然美容成分を配合
抗菌/防臭加工 - サイズ
バスト(胸囲)M:79~87cm L:86~94cm - 原産国はベトナムです。
③着用した感想
<良い点>
- 以前から、家で普段のきものを着るときに愛用していました。(下着を一から着直すのは面倒なので)綿はやはり着心地が良いです。
- 綿なのに薄くて伸縮性があります。
- 襟が大きいので、足からの着脱ができます。
- 脇に縫い目はありません。
<問題点>
- 丈の調整が必要です。
袖丈……外側に一折りする(着用中落ちてくることはありませんでした)
着丈……外側に折ってウエスト部分で重なるようにする(補正になります) - ふつうのシャツを折り返して着用するので、体裁はあまり良くないです。
3.2つの比較
①保温性
<ヒート+ふぃっと>のほうが保温性は高いと思います。
②素材感
着た瞬間から肌に馴染むのは<グンゼ>です。
柔らかさとヌメリ感は<ヒート+ふぃっと>のほうがありますが、化繊特有の肌触りです。
③襟問題
どちらも大きく開いているので問題はなさそうです。
後ろは着用時に下に引っ張るようにすると、安心です。
④着脱
どちらも足からの着脱が容易にできます。
⑤シャツの丈
<ヒート+ふぃっと>のほうがジャストサイズです。
<グンゼ>は裾をウエストに向かって折り返すことで問題なく着られました。
⑥デザイン
レース付きの<ヒート+ふぃっと>のほうがおしゃれです。
今日は化繊の機能性肌着と綿の肌着をご紹介しました。綿のほうはおしゃれではないですが、安心して着られます。
私の若い頃はシャツを着る発想がなく、ガーゼの袷の肌着を冬用として着用し、寒さをしのいでいました。今はトップス、ボトムスともに工夫された商品が出てありがたいことだと思います。
寒がりの方は一度試してみたらいかがでしょうか。