子年の正月に弓浜絣を着ました。
単衣の絵絣には暖かい絞りの羽織を合わせました。
1.弓浜絣(ゆみはまがすり)
①弓浜絣とは
弓浜絣とは鳥取県の弓ヶ浜半島(米子市、境港市)で製造されている絣で単に浜絣とも呼ばれます。絵絣で有名で、倉吉絣、広瀬絣とともに山陰の三絵絣の一つとされています。
弓浜絣は着尺だけでなく夜具や座布団としても使われたので、大きめの吉祥文様が多くみられます。
横糸だけに絣糸(かすりいと)を用いて柄を織り出すもので、素朴な温かみがあります。
弓浜絣を愛した白洲正子氏や、 弓浜絣を復活させた嶋田悦子氏については、こちらの記事で取り上げています。
②いろいろな絵絣
弓浜絣は、大胆な民芸調の文様が特徴で、着ているだけで楽しくなる明るい絣です。
鶴亀
インド更紗の帯を合わせています。
かえる
花織の帯を合わせています。
破れ麻の葉
ところどころ欠けている破れ麻の葉文様に梅の花
帯も麻の葉文様です。
松竹梅?
藍の縞に大きな柄。全体で松竹梅を表しているのでしょうか?
③ねずみ文様
新年に着たのはこの柄です。
野菜を台車に載せて引っ張る三匹のねずみと後ろから押すねずみ。よく見ると子ねずみも一緒に車に乗っています。
ネズミは子孫繁栄の象徴。また五穀豊穣の神である大黒天の遣いとされるほか、災害を予知する能力がある神獣という考え方もあるとか……。
意外とおめでたい柄のようですね。
2.絞りの羽織
鼠文様の弓浜絣に、絞りの羽織を合わせました。
①竹文様の羽織
度々登場する大好きな羽織です。昨年のクリスマスにも着用しました。
ブローチやかんざしでクリスマスらしさを出しました。
カジュアル感のある取り合わせには下駄がよく合います。
三が日の東京は比較的暖かく、近くの神社までの初詣なら、羽織にショールで十分でした。
木綿の単衣のきものですが、長襦袢は絹の袷にして、肌着も暖かいものを着ています。
②丈の短い昭和の羽織
お正月の客様をお迎えするとき、普段着の絣でも、このような柔らかい感じの羽織を着れば丁寧な雰囲気になります。
また、赤系の派手な羽織でも家の中でなら気兼ねなく楽しめます。
昭和っぽい丈の短い羽織ですが、家で着るにはもたつかずかえって好都合。
私は新年の定番ジャッケットのように頻繁に着ています。
帯留めと天然石の羽織紐で華やかな気分を出しました。
ちょっと外に出るときはもちろん下駄です。
津軽塗の下駄は、置いておくだけで玄関が明るくなります。
3.羽子板の帯留め
①お正月限定
何年かに一度、お正月限定で登場する羽子板の帯留めです。
木製なので軽いです。
以前はこのように羽子板が真横になるように付けていました。
②お正月を演出
大胆な絵絣と、羽織によって演出される温かみに合わせて、羽子板を斜めにしてみました。
動きのある表情が出たようです。
羽織紐はお正月らしく、紅白にしました。