きものや浴衣の楽しみ方の一つに帯留めがあります。でも、紐(帯締め)が太くて帯留めの紐通しに入らないことがあります。今日はその対処法についてご紹介します。
1.帯留め用の紐(帯締め)について
帯締めは、組み方で分けると平組、丸組、角組、丸ぐけなどがありますが、太さで分けると二分(ぶ)紐、三分紐、四分紐、五分紐となります。一分は一寸の10分の1、約3mmです。普通の帯締めの幅は五分、帯留めを使う時は三分紐が一般的です。
写真の紐は上から
①三分紐
②三分紐
③四分紐
④五分紐
ですが、②は①よりも厚く、幅は1mm広いです。このように同じ三分紐でも厚みや幅に違いがあるので、紐通しに通りにくいことがあるのです。
最近の帯留めは紐通しが大きく、四分紐も使える物があるようですが、古い帯留めの紐通しはこのように小さいものが多いようです。以前は私も「使いたい紐が帯留めに入らない!」という経験を何度もしました。そこで、こんな方法を試してみました……。
2.使用するもの
紐通しの代わりとして使うのはこのヘアゴムです。私は髪をまとめる時にも使っていますが、これは昔の布製黒ゴムよりずっと細いのに絡みにくいのです。
マペペリングゴム(ミニミニサイズ)です。
黒や茶色があり、直径が2.5cmと1.8cmの2種類あります。
3.やり方
帯留めの大きさに合わせてゴムを使い分けます。
A:三分紐に横の長さが3.5cmの帯留めを付ける
②ゴムを帯留めの紐通しに入れて帯留めの裏を通り、そのままもう片方の紐通しから出します
裏はこのようになっています。
この時、ゴムで紐のかどをこすらないように注意してください。(指でゴムを伸ばしておいてから紐を通すようにするとよいです。)
裏から見たところです。
B:三分紐に1.9cmの帯留めを付ける
今度はきっちり止まりました。
裏はこうなっています。左だけ2回ゴムをからめています。
このように紐通しに通すよりは帯留めが浮いた感じになりますが、実際帯に付けるとあまり目立ちません。
C:普通の帯締めにも付けてみる
写真を続けてご覧ください。
このように好きな帯締めを、太さに関係なく帯留め用の紐として使えるところが便利です。繰り返しになりますが、ゴムとの摩擦で紐を傷めないように気をつけておこなって下さいね。
4.紐通しを使わなくても……?
紐通しに通した場合とゴムを使った場合を比べてみます。
上は紐通しに通した場合、下はゴムを使用した場合です。この帯留めの場合はほとんど変わりませんでした。
はじめにお見せした羽子板の帯留めをゴムを使って紐に付けてみました。こちらも紐通しを使った時とあまり違いはないようです。
このようにゴムを使用するようになってから、紐との相性を気にせずに帯留めのおしゃれを楽しめるようになりました。