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芹沢銈介の型絵染(かたえぞめ)

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今日は型絵染の紬(単衣)のきものをご紹介します。

1.二期会WEEK2015 「海を越えて」

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6月24日、サントリーホールで「日韓国交正常化50周年記念ガラコンサート~海を越えて~」というタイトルのコンサートがありました。

日本と韓国のオペラ歌手による演奏会です。両国の伝統歌曲や日韓共演によるオペラのアリアなど、聞き応えのある歌ばかりでとても素敵な演奏会でした。(日本の歌手はテノール樋口達哉さん、メゾソプラノ森永朝子さんでした)

この日の為に選んだきものは芹沢銈介(けいすけ)氏の型絵染の紬です。

 

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「型絵染」は、1956年に染色工芸家の芹沢銈介氏が人間国宝に認定された時から使われ始めた名称です。沖縄の紅型(びんがた)*とは少し雰囲気が違いますが、多色使いで個性的なきものです。

*紅型…沖縄を代表する伝統的な染色技法で、「紅」は色の総称、「型」は文様という意味だそうです。

 

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▲ 紅型のきもの

 

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この日は作ったばかりの麻の帯(前回の記事参照)を締めました。

 

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帯留は韓国土産の小物入れに付いていた蝶の飾り。

 

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外して三分紐に糸で留めました。

 

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帯飾りも韓国のストラップです。

 

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かんざしは帯留めと同じく、親友の韓国土産。韓国では、蝶は幸せを呼び寄せる象徴として装飾品によく使われるそうです。

 

 

2.型絵染作家芹沢銈介(せりざわ・けいすけ1895-1984)について

静岡県出身。33歳の時に初めて紅型の風呂敷を見たことで沖縄紅型に魅せられました。それまでは画家、図案家として活動していた芹沢氏はこの時から型染めの研究を始めたということです。

そして「図案」、「彫り」、「染め」が分業であったそれまでの型染めと違い、彼独自の図案を用いてすべて一人で行う方法を確立し、絵画性豊かな型染めを作り上げました。着物や帯だけでなく、カレンダーや本の装丁、屏風、絵本、額絵、のれんなども手掛け、商業デザイナーとしても活躍しました。(菓子店・銀座あけぼの「春夏秋冬」の掛け紙は今でも人気です)

彼は思想家の柳宗悦(やなぎ むねよし)と親交があり、柳が起こした「民芸運動*」の主要な参加者でした。
*民芸運動…それまで重要視されなかった日用の雑器に美的価値を見出だそうとした運動。民芸という言葉はここから生まれました。

柳宗悦はとりわけ朝鮮美術に注目し心を寄せました。芹沢氏も柳氏が1924年に創設した京城(現在のソウル)の朝鮮民族美術館を訪れ、朝鮮各地を旅したということです。

 

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「日本的」より「アジア的」という形容詞が合うこの着物。韓国の装飾品とも相性が良い気がしました。

 

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裏はきれいな藍色です。

 

 

3.アルゼンチン.タンゴの鑑賞にも……

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同じ時期にアルゼンチンタンゴの会「TANGO ORIGIN 2015」にも行きました。

日本で言えば"名人"という表現がぴったりの伝説のダンサー、ロベルト・エレーラ氏を筆頭にアルゼンチンで活躍する素敵なダンサーたちのステージと生バンドによる演奏を堪能しました。

客席にはタンゴを愛する美しく個性的な女性たちが多いので、この日は同じ麻の帯でも帯揚(絽の絞り)と帯留(珊瑚)で華やかさを演出したつもりです。

 

 

4.37年前の装い

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40代の母が山形旅行でさくらんぼ狩りを楽しんでいる写真です。

この着物はコンサートのような屋内よりも、自然の風景に良く溶け込むのかもしれません。

参考文献:別冊太陽『染色の挑戦 芹沢銈介~世界は模様に満ちている~』



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