先日、新しいたとう紙を購入し、古いものと交換しました。
久しぶりにチェックしたものの中には、厚紙が入っているものがありました。
これは要注意です!
1.たとう紙を交換すること
①交換の目的
なぜたとう紙を交換しなければいけないのか……。理由は2つあります。
- 古いたとう紙は湿気を帯びて劣化し、その湿気やカビがきものに悪影響を与える。
- 昔と違いきものを頻繁に着ないので、たとう紙を交換することで着物のチェックと風を通す意味がある。
密閉性の高い居住空間と洋服の生活は着物の保管には良くない条件なので、たとう紙への注意が大切な着物を守ることにつながるのです。
②どのくらいの頻度?
以前の記事でも紹介しましたが、2年くらいで交換するのが良いようです。(なかなか難しいかもしれませんが)
2年ではたとう紙の見た目は変わらないかもしれませんが、湿気を吸ったたとう紙から取り出して新しいものに入れ替えるだけで着物に空気が通ります。
きものを吊るさなくても、新しいたとう紙の上に着物を置き、閉じずに少しそのままにしておくだけで着物が呼吸しているように感じます。
③たとう紙の種類
たとう紙の質や価格、中の薄紙や小窓の有無は関係なく、重要なのは同じたとう紙に入れっぱなしにしないことです。
たとう紙について呉服屋さんに教えて頂いた詳細は以下の記事で…
薄紙や小窓はない方が良いという説もありますが、私は薄紙付きのたとう紙に入れるのが好きです。
2.厚紙に注意!
①なぜ注意が必要か
たとう紙の厚紙と言ってもピンとこない方がいると思いますが、たとう紙の中に敷く白いボール紙(板紙)のことです。
きものを手入れに出して宅配便などで戻ってきた場合に敷いてあることが多く、20年以上前の呉服屋さんでもよく使われていました。
着物にシワが寄らないように安定させるためですが、比較的高額な手入れ代を取るところや高価なきものが入ったたとう紙の中に多く見られた気がします。
動かないよう糊付けされたものがほとんどで、そのままタンスに収納するようになっていました。
おそらく当時はその厚紙が着物にとって悪影響だということがわかっていなかったからだと思います。
裏にはシミが出ています。白い部分は剥がした跡です。
同じ種類のたとう紙で同じ引き出しに収納されていた着物のうち、厚紙が入っていたものは明らかに湿気を帯びていました。
厚紙は通気性が悪いので着物にとってはマイナス面が多いのです。
②袴の古いたとう紙
20数年ぶりに開けたたとう紙です。
当時は厚紙がいけないことを知らず、丈夫なたとう紙だと思って男物の紬の袴を入れていました。
左半分だけ厚紙をめくると、裏は茶色に変色し、たとう紙にはポツポツとシミが見られます。
四隅にもシミがあります。
幸い袴は無事でしたが、しっとりと湿気を帯びていました。
このように自分が現在着ているもの以外に注意をはらうのは難しいですが、家族がたまにしか着ないものや若い頃着ていたもの、いただき物で袖を通していないものなども、ときどき確認してみることが大切です。
③厚紙入りたとう紙…そのままでも良い場合
長期保管には向きませんが、厚紙入りのたとう紙はしっかりしていて出し入れしやすいので、頻繁に着るきものには使えると思います。
また、引き出しや衣装ケースのように密閉される状態ではなく、棚に置くなど通気性に問題ない環境ならばそのままでも良いでしょう。(ただし、その場合はホコリや虫などの問題はありそうですが……。)
3.たとう紙を購入
①シンプルなデザイン
今回購入したのはこれです。
「着物用 薄紙入りたとう紙10枚セット 窓付き 日本製 雲竜和紙使用」
(長さ:約87cm/幅:約36cm)
とてもシンプルなデザインです。
価格は10枚セットで1500円+送料(660円)で購入しました。
②紐と薄紙など
紐はガーゼで、よくあるタイプです。
このタイプの紐は、使用しているうちに端がほつれたり取れたりすることがありますが、それも交換のサインになります。
薄紙は必要のないものらしいですが、このように着物を入れてみると見栄えが良く、安心感もあります。
薄紙があると、着物を取り出す時の気分もアップします。
四隅の紙は和紙風で良い感じでした。
この紙も使用しているうちに破れたり剥がれたりすることがあり、交換のサインになります。
③今までのたとう紙
私は毎回違うデザインのたとう紙を購入し、徐々に交換しています。
気分が変わるだけでなく、柄の違いで交換時期がわかるからです。
今まで当サイトでご紹介したたとう紙
だいたい1枚200円~500円のたとう紙です。
和紙風ではなく、本物の和紙を使った高級なたとう紙も販売されていますが、普通の価格のものを気軽に交換するほうが現代の着物ライフには適していると思います。
たとう紙については、以下の記事でも取り上げています。