緊急事態宣言が出る前の今月2日、家族と江戸博の企画展を見てきました。
華やいだ気分にはなれないので、暖かさ重視の真綿紬を着用しました。
1.江戸東京博物館
①江戸博とは
正式には東京都江戸東京博物館といいます。平成5年(1993年)に開館しました。
東京都墨田区横網1-4-1にある東京都立の博物館で、公益財団法人東京都歴史文化財団が運営しています。
JR両国駅西口改札を出て
右へ
少し歩くとすぐに博物館の案内看板が見えます。
駅から徒歩3分、国技館の隣です。
特別展は4月まで開催される「古代エジプト展」です。
常設展示室は5,6階で「江戸東京博物館」の看板より上のフロアになります。
②静かな江戸博
江戸博は1月2日と3日は常設展と企画展の入場料が無料でした。
午前中で来場者がまだ少ないこともありましたが、皆が無言での見学なので、今年の展示会場はとても静かでした。
照明もいつもより抑えて暗いように感じられ、落ち着いて鑑賞できました。
1階ホールにある熊手は毎年飾り付けを変えているようです。
謹賀新年の飾りで迎えてくれた常設展示フロア
この日(1月2日午前)は入場者が少ないようでした。
例年賑やかに出迎えてくれていた獅子舞はなく、筝と尺八の演奏なども5日以降に開催されたようです。
こちらの記事で取り上げています。
③紬の着物で
行く場所と気分で着物を選ぶことが多い私ですが、今回は世間に新春を寿ぐ雰囲気がなかったので、自然とカジュアルな装いになりました。
寒い季節、素材で選ぶなら真綿を紡いで作られる結城紬が一番好きです。暖かさだけでなく、柔らかさや軽さもあり動きやすいからです。
結城紬に久留米絣のコート、地味めのショール。
新年にも関わらずこんなに色のない取り合わせは初めてです。
干支の赤べこの根付が唯一のお正月らしさです。
2.常設展を見る
①江戸の賑わい
常設展の会場内は撮影が許可されています。
いつも写真を撮る場所ですが、この日は現実の芝居小屋にも早く活気が戻って欲しいと強く思いました。
江戸の賑わいは今の私達にとって憧れの風景です。
②螺鈿の重箱
螺鈿(らでん)は貝殻の内側部分を薄く磨き模様を表す技法ですが、梅だけでなく、桜や椿の花もあるようです。
大奥の女性たちが好みの花皿を使って楽しむ優雅なお花見…想像するだけで気分が高揚します。
お花見も今の私達には憧れですね。
③その他
「流行(はやり)病なんて遠い昔の話」と思ってはいけなかったのですね……。
よく見てみると……
江戸の人びとはこのような方法で病気と戦っていたようです。
3.企画展「和宮 江戸へ ーふれた品物 みた世界ー」
企画展は撮影が一部許可されていました。
和宮が降嫁の際に用意された婚礼道具のほか、幕府側もたくさんの調度品を誂えたそうです。
和宮は大奥において「御所風」と「武家風」の生活様式を和合させ、朝廷と幕府の架け橋の役目を担った、と説明されていました。
①婚礼調度品
△ 銀葵葉菊紋散花桐唐草(ぎんあおいようぎくもんちらしはなきりからくさ) 茶碗・茶台
△村梨子地(むらなしじ)葵葉菊紋散花桐唐草 蒔絵櫛台(まきえくしだい)
②その他
△御所人形「打出の小槌を曳く童子」(うちでのこずちをひくどうじ)
和宮から大奥の警備を司るものに下賜されたという伝来の人形。小槌は消失したようです。
童子の人形は本物の赤ちゃんよりずっと大きく、きっと小槌もかなり立派なものだったと思われます。
和宮と徳川家茂が共に16歳で結婚したのは文久2年(1862)2月。2人の結婚生活は家茂が20歳で早世するまでのわずか4年でした。
家茂は結婚後3度の上洛を果たしましたが、そのたびに二人は離ればなれの生活に。その間二人がやり取りした手紙が展示されていて、お互いを思いやる熱い気持ちに心打たれました。
また、夫家茂の死を悼み、和宮が詠んだ和歌の短冊も間近に見ることができました。和宮の若々しく堂々とした美しい筆致が、より悲しみを誘うように思われました。
企画展「和宮 江戸へ ―ふれた品物 みた世界—」2021年01月02日(土)〜02月23日(火)