先日、きものを虫干ししながら、たとう紙も交換しました。手抜きの虫干しでしたが、ご紹介します。
1.たとう紙を購入
①「ふじぜん」から
先日、買い置きの新しいたとう紙がなくなったため、着物クリーニング専門店「ふじぜん」からまとめて購入しました。
「ふじぜん」社長の吉原さんは、以前、たとう紙についていろいろ教えて下さった方です。(2018.2.5「たとう紙は頻繁に交換を!」の記事参照)
吉原さんは、たとう紙は安価なもので良いから、頻繁に交換することを勧めています。
今回も吉原さん本人が受け付けてくれる「着物初心者相談窓口」のフリーダイヤルに電話して注文しました。
吉原さんは、すぐにお店で使用しているたとう紙と同じもので、お店のロゴが無いものを送って下さいました。(1枚200円・6000円以上で送料無料)
着物ふじぜん
https://kimono.support/tatoushi/
届きました。
折り畳まずに緩衝材に包まれた状態で送られてきました。
②シンプルなたとう紙
きものと帯用です。
きもの用…88×35.5cm
帯用…64×35.5cm
薄紙無しのタイプです。
紙質は厚めでしっかりしています。
紐は丈夫な綾織りです。
5枚ずつ畳まれていました。
届いた直後のゴールデンウィーク中に、たとう紙交換と虫干しをやることにしました。
2.虫干しは少しだけ
①虫干しは本来のやり方でなくても
虫干しは7~8月、10~11月、1~2月の好天が続いた湿度の低い日、午前10時位から開始して午後3時頃には終えるのが理想とされています。(2014.11.8の記事参照)
けれども私は時期や時間は気にせず、湿度が低そうな日に何枚か気になるきもの*を干しています。
*気になるきもの…わたしの場合、気になるきものは<二年以上着ていないもの>と、<若い頃のきものでしばらく出していないもの>です。
あまり多く出してしまうとたたむのが大変なので、一度に吊るすのは数枚です。それ以外は箪笥から出して、たとう紙を開けておきます。それだけでも空気は通るし、きものの点検も軽く行えます。
②5月の連休に
今年のゴールデンウィークは湿度が低く天気の良い日があったので、しばらく風を通していなかったきものを虫干ししました。
このように少しずつ、2回に分けて干しました。
③悉皆屋さんからのアドバイス
虫干しについて悉皆屋さんに聞いたところ、
「すべてのきものを虫干しするのは大変で嫌になると思うので、きものをジャンル分けし、優先順位の上からチェックするとよいですよ。」
とアドバイスしてくれました。具体的には……
- 好きなもの
- 買う時高かったもの
- 白、水色、クリーム色などの白っぽいもの(シミが小さくても目立つため)
だそうです。
それらは何かトラブルがあるとショックが大きいので、どこに収納しているかを把握して、定期的に取り出すこと。
そして一枚でも二枚でも良いので、少しずつ気の向いた時に風を通して、無事かどうかをチェックしてほしい、とのことでした。
さまざまなトラブルを抱えたきものを、何とか着用可能な状態にするべく、日々苦労している悉皆屋さんならではのアドバイスだと思いました。
また、以前たとう紙についても、「高級なものを買うことより、こまめに取り替えることが大切です!」と教えてくれました。
3.交換しました
①古いたとう紙
今回交換した古いたとう紙にはこんなシミがありました。わかりにくいですが、上の白い和紙はたとう紙ではなく、内側できものを包んでいたものです。
湿気を吸ってくれていた証拠ではありますが、このまま放置すると、きものに移ってしまいます。幸い、きものには影響ありませんでした。
②新しいたとう紙にタイトルを
干したきものを新しいたとう紙にしまいました。
このたとう紙は以前購入した「厚手の美濃和紙 薄紙付き 無地」です。(1枚約500円)
見栄えは良くないですが、私はたとう紙の両側にタイトルを書いています。こうすることで引き出しに収納する際どちらを向けてもよく、取り出す時に分かりやすいです。
「〇〇色訪問着」とかではなく、こんなタイトルもあります。母が能「隅田川」の仕舞を舞う時に着用したことから、つけたものです。きものの具体的な説明にはなっていませんが、私には充分です。
その他、娘さんが着る時のために、そのきものの説明や購入動機などを書いている知人もいます。着た日付や回数を書くという友人もいます。
私は袖丈を記すことがあります。(私の場合きものによって袖丈が違うことがあり、長襦袢を換えなくてはならないので)
このように考えると、たとう紙はきものを包むためだけの紙ではないのかもしれません。
③取り出して置くだけでも
吊るして干せなくても、このようにたとう紙を開けておくだけで着物のために良いと思います。
その間、引き出しのホコリ等を掃除します。重いきものが取り出され空になった引き出しは、気持ちよさそうに深呼吸しているように感じます。
これらのたとう紙を閉じる前に、上前や袖、衿などシミが出やすいところをチェックします。(きもののシミは、収納している間に表面に現れることがよくあるそうです)
4.使いやすいきものハンガー
今回も、きものハンガーが活躍しました。
もっとも使いやすかったのは以前に購入した、安くて軽い、あづま姿株式会社製の「折り畳み式着物ハンガー」でした。(2015.1.10の記事参照)
軽いプラスチック製で、最大荷重は6.29kgとのこと。
このような三角形です。
フックを持って広げるとすぐに使える状態になります。
裏側
きものを掛けるとこのようになります。
組み立てたり、棒を伸ばしたりするタイプのハンガーもありますが、瞬時にきものを掛けられる単純な構造と、軽さが気に入っています。
今回、全てのたとう紙の交換は出来ずにGWは過ぎてしまいました。でも、また折を見てやるつもりでいます。