コーディネート/着方

写真で見る「きものを着て行きやすいオススメの場所」とは?

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先日、着付けを習い始めたという若い方から、「きものを着たらどこへ行くのが良いですか?」と質問されました。

今日はきものを着て行くと楽しい場所を考えます。

まだ、どこへでも気軽に外出できる状況ではありませんが、今からゆっくり計画を立て、着物でのお出かけ準備をしてみてはいかがですか?

1.何を着ても大丈夫なところ

①美術館・博物館

芸術鑑賞はどんなコーディネイトでも大丈夫です。

熱心に鑑賞している若い着物姿の女性には個性的な装いが多く、「素敵だなあ」と思います。

私の例をあげてみます。

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△日本民藝館にて
(型絵染のきもので)

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△鎌倉市鏑木清方記念美術館にて
(紬のきものに羽子板の帯留めで)

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△東京家政大学博物館
(木綿の絣に絹の羽織で)

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△江戸東京博物館
(戦前の縞お召で)

②庭園

外での行動が多いので、周りを気にせず自由に装えます。

自然や美しい庭を背景に撮る写真は、どんな着物でも映えるようです。

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△旧岩崎邸庭園
(紬地唐草文様の小紋で)

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△八芳園
(絽の紫根絞りで)

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△浜離宮
(型染め小紋で)

③お祭り・花火

夏場が多いので浴衣や薄物が主流ですが、季節に合わせて好きなものを選べます。

半幅帯が活躍します。

 

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△6月のお祭り
(木綿の単衣で)

④浅草仲見世

仲見世はいつもお祭りの縁日のように賑わっていて、どんなスタイルでも吸収されてしまうので気楽です。

コーディネイトも自由に、歩きやすい履物で出かけましょう。

⑤お花見・紅葉狩り

「お花見に桜のきものはNG」という考えもありますが、私は気にしなくて良いと思います。

桜の柄でも良いですし、桜の木の下で自分が映えるような色の着物を選ぶ、という方法もあります。

紅葉も同様に何を着ても自然の美しさにはかなわないので、模様や素材は好きなものを着ればよいのです。

 

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△お花見
(御召の小紋で)

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△紅葉狩り
(木綿の紫根絞りで)

 

2.場所に合わせれば何でも良いところ

自分が快適に過ごすため、場所に合ったきものを選ぶことが必要です。

①友人とのランチ・食事会

気心の知れた友人となら何を着ても大丈夫だと思います。

お店の雰囲気に合わせて木綿、紬、ウール、柔らかものを選ぶと良いでしょう。

 

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△和食の店でランチ
(江戸小紋で)

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△洋食レストランでのランチ
(飛び柄小紋で)

上の2つは少し高めのコースランチのお店なので、柔らかものを着ていますが……

 

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普段はこのような木綿や紬でランチに出かけることが多いです。(木綿の鰹縞のきもので)

②デパート

混雑するフロアで買い物するならカジュアルなもので。

展示会やレストラン、呉服関係のフロアなら柔らかものや華やかな着物でも違和感はありません。

 

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△デパートで買い物とランチ
(結城紬で)

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△デパートでの白洲正子展
(琉球絣の紬で)

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△デパートでの草乃しずか展
(縮緬小紋で)

 

3.少し考えて取り合わせを楽しむところ

次のような場所は、鑑賞または見物するものを想像しながら着物を取り合わせると楽しいです。

①歌舞伎

「歌舞伎鑑賞」というと堅苦しいですが、私は「芝居見物」と表現します。

柔らかものでも紬でも好きなものを、そして<自分も気分が高揚するようなもの>を着ることをおすすめします。

出し物や役者に合わせた柄選びで楽しむこともできます。

観客数が多い歌舞伎の劇場には「着物警察」や「お直しおばさん」がいるかも知れませんが、大きすぎる髪飾りとか、周りに迷惑なものでない限り、芝居見物にルールはないのであまり気にする必要はないと思います。

警戒しすぎず、「お直し」してくれた人には素直にお礼を言って、すぐに忘れましょう。

 

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△国立劇場
(単衣の付下げで)

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△新春の新橋演舞場
(訪問着で)

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△六本木歌舞伎(EX THEATER ROPPONGI)
(小紋に縞御召の羽織で)

②相撲、寄席

何を着ていても自由です。カジュアルなきものと楽な着付けが向いています。

けれども、大相撲の席に訪問着などの華やかな着物姿の人がいるのは見ていて嬉しいですね。

お正月の寄席で、綺麗な色の柔らかものでおめでたい雰囲気を演出するのも素敵だと思います。

 

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△大相撲の枡席

私(左)はグレー地の染めのきものを着ています。

以前のマス席はこのように窮屈でしたが、現在行われている大相撲11月場所は2人使用のようです。

③能

柔らかもの、紬など自由ですが、能楽堂は見所(けんしょ・観客席)があまり広くなく、目立ちやすいので、歌舞伎よりもおさえめの色や模様がおすすめです。

個人の主催、お祝いの会など、出演者との関係によっては一つ紋付きや訪問着などを着る場合もあります。

追善能は反対に喪の帯を締めている方もいます。主催者との関わり方で変わってきます。

一般でチケットを購入した場合は難しく考えなくて大丈夫だと思います。

歌舞伎のように演目に合わせた柄を取り合わせたりすることはあまりないですが、曲の雰囲気に合わせた着物選びをすることはあります。

 

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△国立能楽堂
(無地の紬で。友人(右)は飛び柄の小紋を着用)

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△観世能楽堂
(訪問着で)

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△杉並能楽堂
(絽の小紋で)

④コンサート

クラシックコンサートの会場はシックな洋服の人が多いので、古典柄で華やかに装うよりは、洋柄や幾何学文様の落ち着いた色合いのきものが良いようです。

細かい柄の小紋、無地に近い紬なども上品で、洋装の人の中でも浮かないのでおすすめです。

紬でも柔らかものでもどちらでも良いですが、ジャズなどのライブハウスでは紬系のカジュアルなきものが合いそうです。

ロック系のコンサートでも着物姿の人がいます。楽しめれば何でも良いですが、手をあげたり動いたりする場合は少し大変では?と心配になります。

 

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△オークラウロ*のコンサート(大倉集古館)
(生紬の訪問着で)

オークラウロについてはこちらで取り上げています。

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△雅楽とピアノのコンサート(星陵会館)
(花更紗の小紋で)

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△オペラコンサート(サントリーホール)
(型絵染の紬で)

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△クラシックのクリスマスコンサート(紀尾井ホール)
(更紗の結城紬で)

 

4.その他

①クラス会

「クラス会は、洋服選び、ハンドバッグ、アクセサリー選びが大変だから着物で参加する」と言う知人がいます。

確かに、同じ年齢が集まるクラス会はなかなか微妙な雰囲気。派手とか地味とか似たような服とか…きものならば関係ないので安心です。

紬か小紋のあまり浮かない色のものを選ぶのが無難ですが、地味すぎると恩師に間違われる可能性もあります。

②薪能

能楽堂での公演と違い、薪能は屋外なので自由なコーディネイトで出かけられます。

屋外のパイプ椅子に座ることを考えて、私は紬か濃い色の柔らかものを着ることが多いです。夕方冷えてくる薪能でも、着物なら足元まで覆われているので心配ありません。

 


△明治神宮薪能
(御召の付下げで)

③クリスマス

寒い時期ということもあり、クリスマスの食事会やイベントには着物でいくことが多いです。

クリスマス風の洋服選びに悩んだ時は、和装がおすすめです。どんな着物でも暖かさと華やかさがあるので、クリスマスの雰囲気に合わせられます。

クリスマス柄の帯などを持っている友人もいますが、私は持っていないのでブローチを帯留めにして使っています。

 

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△ ホテルのクリスマスライブ
(縮緬小紋で)

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△(更紗文様の結城紬にクリスマスブローチで)

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△(絞りの羽織にクリスマスブローチで)

クリスマスブローチの帯留めについては以下で取り上げています。

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