イベント訪問 生地

「愛(藍)と苧麻(からむし)展」にて その2

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前回に続き、「愛(藍)と苧麻(からむし)展」を取り上げます。

出羽の織座が手掛けた原始布や古代織りの中には、他では見ることができない貴重なものもあります。

1.原始布と古代織

当日展示されていたものを少しご紹介します。

①しな布

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△榀布(しなふ)*のタペストリー

*榀布……科布、しな布のこと。出羽の織座の商標登録です。

 

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△榀布クラッチバッグ

②ぜんまい織り

芽吹いたぜんまいの綿毛を真綿に混ぜ込み、手で紡いだ糸で織られたものです。

タテ糸に絹糸、ヨコ糸にぜんまい糸を使います。

 

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△ぜんまい織りのショール(展示品)

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△ぜんまい織りのタペストリー

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△タペストリー生地の拡大

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△ぜんまい(展示写真より)

使うのは食用部分の茎ではなく、綿毛です。

 

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△ぜんまい冠毛(綿毛)

 

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ぜんまいの綿毛と真綿を混ぜ込んだものも見せていただきました。

これを作るのに苦心されたそうです。

 

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手紡ぎのぜんまい糸

ぜんまい織りは軽くてシワにならず、暖かいそうです。独特の風合いで、シルクウールに似ています。

③琴糸織

琴糸(こといと)織は、琴の糸の再利用から生まれた織り物で、出羽の織座が古い帯を復元したのだそうです。

 

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△琴糸

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△琴糸を手でほどいたもの

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△染めた糸と織り上げた布(タテ糸は絹糸)

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△琴糸織の帯

美しい光沢と重厚感があり、格調の高さは綴織(つづれ織り)の帯のようです。

使い終わった琴糸からこんなに優雅な布を作り上げた昔の人の知恵に感心しました。

 

2.しな布(榀布)

会場では、しな布の原料となるシナの木の皮などを見ることができました。

①しな皮

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△しなの木の皮をはいでいるところ(いずれも展示パネルより)

 

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乾燥させたしな皮(中皮)

この皮から織り糸ができるのはとても不思議です。

皮を灰汁で長時間煮て柔らかくし、繊維を取り出し発酵させて乾燥させる…といった手間のかかる作業を長い期間かけて行うそうです。

②しな糸

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しな皮を指先で細く裂き、長くつないで玉状にまとめたもの。

この績(う)む作業が特に大変で、熟練の技が必要です。

このままでは織れないので糸に縒(よ)りをかけます。

 

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△縒りをかけたシナ糸

③しな布

しな布は、身につける物としては帯ですが、バッグは軽くて手触りがサラッとしているので夏場に心地よく使えます。

会場にも素敵なバッグがありました。

 

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△しな布こぎん刺しのトートバッグ

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△こぎん刺しのクラッチバッグ

津軽の伝統工芸であるこぎん刺しをしな布に施すのは大変むずかしいそうです。

出羽の織座 自慢の作品です。

 

3.藍染

展示会場では藍染めの作品をたくさん見ることができました。出羽の織座は本物の藍を使って作品を作っています。

①田中昭夫の正藍染

以前にも少しご紹介しましたが、日本の蓼藍(たであい)を使って正藍染をする藍型染師・田中昭夫の作品も展示されていました。(田中氏は昨年亡くなりました)

 

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△田中昭夫作の着尺地(絹)

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△しな布の帯

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△からむし糸×綿の帯

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△田中昭夫氏(1935~2019)(『七緒』vol.49 2017年 プレジデントムックより)

②当日の装い

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当日は木綿の藍染絞り(片野元彦・作)の単衣に、出羽の織座のしな布帯を締めました。
帯に合わせ、帯留めも木製(白檀)にしました。

しな布の帯ははじめは硬くゴワゴワしていますが、回数を重ねるとだんだん締めやすくなります。

手触りはザラッとしていますが、不思議と体への馴染みがよく着心地が良いのです。

 

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△しな布の帯

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△帯地拡大

 

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母から譲られたこぎん刺しのバッグと、先日リメイクしたしな布の手提げバッグを持ちました。

(この手提げについてはこちらで紹介しています)

出羽の織座主宰の山村さんは36年前のしな布を見て、「懐かしいですね~」とおっしゃいました。

 

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△山村幸夫さんとからむし地の帷子(前回の記事参照)の前で

 

 

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