前回に続きお食い初めを取り上げます。
慣れない着物でも授乳ができるように、娘は紬のきものに半幅帯で3ヶ月の長男のお食い初めをしました。
1.ママ(娘)の着物
①十日町紬
白地の十日町紬は華やかさがあり、カジュアルながら少しおしゃれな雰囲気です。
②カジュアルな半幅帯(ペンギン柄)
お気に入りのペンギンの半幅帯です。
「リボン返し」結びにしました。
結び方についてはこちらで取り上げています。
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お祝いの席にあえてカジュアルな半幅帯にした理由は、授乳の際、胸を開きやすくするためです。半幅帯は、名古屋帯よりゆったり着ることができ、授乳後の着崩れも直しやすいです。
リバーシブルで、裏はシックな黒です。
裏を使って結んでいます。
この帯は「おりびと」という織物の産地、群馬県桐生のブランドのものです。
お洒落で可愛らしく、使い勝手の良い半幅帯があります。
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③昭和の羽織
昭和時代の短い羽織ですが、着ることであたたかみや華やかさが演出できます。もちろん防寒の意味もあります。
長羽織より活動的なので、赤ちゃんを抱くにはちょうど良いかもしれません。羽織を着ることで、着物が少し着崩れていてもごまかせる場合があります。
帯締めをしないので、存在感のある天然石の羽織紐にしました。
④授乳のために
今回、途中で授乳をすることを考えて、次のようにしました。
- インナーは柔らかいカップ付きで、日常着用しているものにする(授乳パット入りで)
- 胸を開きやすいように、胸紐、コーリンベルトは使わず、柔らかい伊達締めを使用
- 補正は腰パッドのみで胸は補正しない
- 衿元はゆったりと着る
- 着崩れてもごまかせるように羽織を着る
- おはしょりは内側を折らず、二枚をそのまま下ろすやり方で着る。(開いた衿を直しやすい)
衿を開いても、そのまま下に引っ張ればもとに戻ります。
広い個室だったので、娘は授乳ケープは使わず部屋の隅で授乳しました。ガーゼの大きめの手ぬぐいを肩から衿に掛け、着物が汚れないようにしています。
2.赤ちゃんの服装
①メリンスのきもの
孫はパパのお下がりのメリンス*の着物を着ました。
*メリンス……モスリン・本モスともいい、羊毛100%の細い糸で平織りされたもの。薄くて柔らかく暖かい。
男児用、一つ身の着物です。
一つ身の着物は0歳から3歳くらいまで着られます。
ちゃんちゃんこは抱っこしにくく暖かすぎるので、今回は着せないことにしました。
②兵児帯(へこおび)
子供用の兵児帯ですが、赤ちゃんには大きすぎます。
兵児帯を半分の長さに折って使いました。
首が座らないうちはしっかり抱くので帯はほとんど見えなくなってしまいます。
赤ちゃんの兵児帯は、帯揚げで代用することも出来ます。
この当時は子供の兵児帯を持っていなかったので、帯揚げを使用しました。5~6ヶ月になると上半身が安定するので写真撮影も楽でした。
3.祖母(私)のきもの
最後に私のきものについて少し取り上げます。
①黒地の絞り
黒地に白の菊唐草文の絞りの着物です。
赤ちゃんは白と黒によく反応するらしいので、これにしました。
確かに、着物の袖あたりを目を丸くしてじっと見た気がします。
丸みのある菊や唐草のクルッとしたところなど、0歳児が好きそうな模樣かもしれません。
②竹屋町刺繍(たけやまちししゅう)の帯
竹屋町という刺繍が施されている袋帯です。
12月23日だったので、クリスマスカラーのつもりで着用しました。
好天にも恵まれ、孫の成長に感謝した一日でした。