きものを着るとどんな点が良いでしょうか?
今日は私がきものをお勧めしたい理由を述べてみます。
はじめに
よく聞かれること
先日、30代の女性からこんな質問をされました。
「きものを着ている人を見ると”素敵だなあ”と思うのですが、実際に自分が着る勇気をなかなか持てません。きものを着る楽しさや、きものの良いところって具体的にどのような点ですか?」
これと似たような質問は同世代(50代)の友人からもよく受けます。彼女たちの多くはお母様から譲り受けたきものがあり、もったいないと思いながら着ていないようです。
5つの理由
今までの経験から、きものを着て良かったと思う点を挙げてみます。
- 気分が変わる・気分が良くなる
- 流行を気にせず、長く着られる
- ハイヒールやアクセサリーがなくてもおしゃれができる
- 声を掛けられたり、親切にされることがある
- 洋服には無い色や柄を楽しめる
1.気分が変わる・気分が良くなる
きものの素材はほとんどが絹です。肩から足首までを絹で覆われるのは大変気持の良いものです。
少し感触は違いますが、木綿や麻でも手首、足首までゆったりした布で覆われることによる心地良さは洋服では得られないものだと思います。
今風な表現で言うと「テンションが上がる」というのがピッタリかもしれません。
きものは、よそゆきも普段着も、木綿や盛夏の麻も、すべて足元まで布があり、洋服で言えばロングドレスのようなものですね。
2.流行を気にせず、長く着られる
年月と共に、きものも少しずつ好まれる色や柄が変わっていくようですが、洋服との大きな違いは<きものは流行による形の変化がない>ということです。
また、体型が少々変わってもそのまま着用できるので、洋服のように「久しぶりに着たらきつくなっていた」などということがありません。
さらに、派手になったと感じたら<染め直し>や<八掛(裾回し)交換>などを行うことで、雰囲気を変えて楽しめます。
<染め直し>
濃い赤から薄いピンクに直し、模様を描いてもらいました。(2017.1.14の記事参照)
<八掛交換>
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赤い八掛を落ち着いた色に換えました。
<自分自身で40年以上着ているきもの>
きものだけでなく、履物やバッグもあまり流行を気にしなくてよいので、傷みがなければかなり長く使用することができます。
3.ハイヒールやアクセサリーがなくてもおしゃれができる
中年になるとハイヒールを履くのが辛くなりますよね。でもドレスアップしたらハイヒールが欠かせません。長時間立っているパーティーなどは本当に疲れます。
それに対して草履は「クッション付きスリッパ」を履いているようなものなのでとても楽です。
また、安価なアクセサリーでも輝くことができた若い頃に比べて、だんだんと厳しくなる現実…。洋服に合わせたアクセサリーを揃えるのは結構大変です。
きものは基本的にアクセサリーを必要としないので、考えなくてすむのが楽です。
4.声を掛けられたり、親切にされることがある
これはきものを着たことがある人の多くが経験されていると思います。
着物好きの方が声を掛けてくださったり、タクシーやレストラン、お店などでも応対が優しいと感じることが多く、嬉しい思いをしています。
5.洋服には無い色や柄を楽しめる。
1の「気分が変わる」とも関連しますが、洋服では絶対あり得ないような色を着たり、きもの独特の柄や模様を全身にまとうことができます。
それは「着る」というより「楽しむ」という表現が合うのかもしれません。
おわりに
自然に変わる立ち居振る舞い
仕事や家庭に忙しく、駆け抜けるように日々を送る現代女性たち。いつも急いでいるので動作もシャープ、時として男性的にもなります。
そんな人でもきものを着ると自然にしとやかになり、立ち居振る舞いも変わり、普段とは違う自分を発見できることもあります。
はじめは慣れないきもので変身した自分に戸惑うかもしれませんが、そのうちそれが気持ちのよい瞬間となり、いずれは「気分転換のためにきものを着たい!」と思うようになることでしょう。
誰でもきものを着る回数を重ねることで、日本女性らしく変わっていくような気がします。
以上、今日はきものを着ることの良さを簡単にご紹介しました。