自宅で過ごす日々、気分も沈みがちですが、そんな時こそたとう紙交換をしてみましょう。
天気の良い日にはついでに虫干しも……。今回、新しいたとう紙も購入してみました。
1.たとう紙は「良いものを長く」より……
以前、「たとう紙は頻繁に交換を!」という記事を書きましたが、たとう紙に関しては、「良いものを長く使おう!」は当てはまりません。
たとう紙は、きものをホコリや湿気から守る消耗品だからです。
↓以前の記事
①普通の価格のたとう紙で
一枚1,000円以上する和紙のたとう紙でなくても、200円前後の洋紙のたとう紙で大丈夫です。
紐がほつれたり、紙がヨレてきたら気軽に交換しましょう。
きもの好きなら、いつでも交換できるように常に数枚はストックしておくとよいです。(もちろん大量の買いだめはおすすめしませんが……。)
②同じ種類に揃えなくても
「タンスの中のたとう紙はすべて同じもので統一したい」と思う几帳面な方もいるかもしれませんが、全部を一度に交換するのは大変だと思います。
私は購入の際、なるべく違うものを選び、気分を変えています。
また、そうすることで、おおよそいつ交換したかが分かるので、古いものから替えていくことができるのです。
使用してきたいろいろなたとう紙
③替える行為にも意味がある
昔の和紙のたとう紙は、古くなるとポツポツとシミが出ましたが、洋紙のたとう紙はそれがあまりないようです。
ですからついそのままにしてしまいがちですので、定期的に着物が湿気を帯びていないか、トラブルがでていないかチェックすることが必要です。
取り替えサイン
こんな状況になっていたら、交換時期だと思います。
虫干しのチャンス!
取替時期が来ているたとう紙は思い切って破棄し、きものは虫干ししましょう。
部屋の風通しを良くして、しばらく吊るしておきます。
「理想的な虫干しの方法」や、私がやっている「ちょこっと虫干し」については、こちらで取り上げています。
虫干しをしない場合は、すぐにしまわない
きものはそのままでたとう紙を交換する時は、きものをよくチェックして、できればすぐにしまわずに置いておくと空気が通ります。
きものを手にとって新しいたとう紙に入れ替えるだけでもきものは喜ぶはずです。
きものを置いておく間、引き出しにも空気を入れてあげましょう。
虫干しと「たとう紙」交換についてはこちらでも取り上げています。
2.新しいたとう紙のレビュー
今回購入したたとう紙をご紹介します。
①着物用と帯用たとう紙が届く
たとう紙は注文後2日で届きました。着物用も折らずに包装されています。
大と小サイズを10枚ずつ購入しました。
このように重ねてたたまれています。
取り出すときはゆっくり一枚ずつ外します。
②サイズ詳細
- 大(着物二つ折り用)
約83.5cm×約36cm……着物用としては長すぎず使いやすいサイズです。 - 小(帯用)
約56cm×約36cm……袋帯でも名古屋帯でもすっきり入るサイズです。
このたとう紙は、ほかに中サイズ(約65cm)もありますが、今回は購入していません。
③紙の質と紐など
商品説明には「高級たとう紙 和紙 内張紙付き(雲龍紙)」とあります。
和紙風の洋紙で、手触りは良いと思いました。
しっかりした厚さは無いですが、使用しているうちに端がめくれてくるような薄さではありません。
紐はガーゼのような平織り。使用しているとほつれがありそうです。
小窓と薄紙がついているタイプです。
薄紙は外したほうが良いという人もいますが、私はそのまま使います。
3.使いやすい帯用サイズ
①一般的なたとう紙のサイズ
現在販売されているたとう紙には、次のようなサイズがあります。
大|着物用(83cm~88cm)
きものを2つに折って入れるサイズです。
たとう紙の種類によって長さが違います。昔の桐たんすの引き出しでは88cmだと入らないことがあるので、引き出しの長さを確認してから購入したほうがよいと思います。
中|羽織、帯用(約65cm)
羽織や帯をいれます。着物の場合は三つ折りにして入れます。洋ダンス用のサイズです。
小|帯用(約55cm)
帯のためのたとう紙です。子ども用のきものにも使います。
たとう紙の種類によっては大と中だけの場合があります。私が以前購入したものも大と中の2種類でした。
まれに……
その他|名古屋帯用(約47cm)
昭和時代には一般的に使われた小さいサイズで、最近はあまり使われなくなっていますが、販売はされています。
コンパクトで収納しやすいサイズです。
次の項目でご紹介します。
②名古屋帯用たとう紙
名古屋帯の胴部分をこのように折って
さらに半分に折ります
たとう紙に置くと
ピッタリ収まります。
③帯用たとう紙
3種類の帯用たとう紙です。
- 左…65cmの中サイズ
- 中…55cmの小サイズ
- 右…47cmの名古屋帯サイズ
帯用たとう紙として、現代では左の中サイズ(65cm)が多く販売されています。
着物や長襦袢にも使える万能サイズなので、帯を入れる場合はかなり余裕があります。
そのまま使う場合は帯を大きめにたためばよいのですが、収納場所は限られてしまうと思います。
中サイズに袋帯を普通にたたむと余るので、私はこのように片側を折り……
たとう紙を小さくして使っています。小窓は見えなくなります。
今回は55cmの帯用サイズを購入したかったのです。
柄も粋な感じで気に入りました。
55cmのたとう紙は、袋帯がちょうど収まる大きさです。
名古屋帯の場合は、少し余裕があります。
私の場合は55cmのたとう紙が使いやすいので、これからもこのサイズを使用したいと思いました。
たとう紙を交換することで、しばらく見なかった着物や帯との対面ができました。
歌舞伎や能、音楽鑑賞、美術館etc…きもので好きな場所に自由に行かれる日がまた来ることを願います。