長年愛用していた羽織が派手になったので、「目引き染め」をしてもらいました。今日はリメイクされた羽織をご紹介します。
1.紅型・ちりめんの羽織
以前にもご紹介した10代から着ている羽織です。
ちりめんの羽織は肩から背中にかけてとても暖かいので、お正月に良く着ていました。
けれども白地に紅型の赤は目立つので、年とともにだんだん抵抗を感じるようになってきました。
2.目引き染め
①目引染めとは
染め直しのやり方の一つで、派手なきものに色を加えて地味にする方法です。
(2017年1月14日の記事参照)
↓ ↓ ↓
②何色を掛けるか
地味にするために何色を掛けるかは呉服屋さん(悉皆屋さん)におまかせしました。「ベージュかブルーでやってみましょう」とのことでした。
そして紅型の赤色を抑えるために、まず布の端にベージュ系を掛けてみました。ところが赤を上手く抑えることができなかったようです。
呉服屋さんがわざわざ見せに来てくれました。確かに地色が少しくすんだだけで、模様の色はあまり変わっていませんでした。
このように目引染めはやってみないとわからない、ということが多いようです。
次にブルー系を掛けたところ、今度は成功したようです。
③ブルーグレー
このようになりました。
柄の同じ部分で比較してみました。
このまま仕立ててもらい、初めの注文から約二ヶ月後に出来上がりました。
3.着てみる
①江戸小紋に
同系色の江戸小紋に羽織りました。
丈も長くなりました。
この江戸小紋は「初夢」*というタイトルで、江戸小紋の人間国宝・小宮康孝さんが作られたものですが、お正月に着ようとすると水色がちょっと寒そうに感じることがあります。(実際はよほど近寄らないと柄はわからないので、季節は関係なく着用していますが)
*初夢…「一富士、二鷹、三なすび」として、藤の花・鷹の羽・丸い茄子が染められています。
遠目には無地のようです。
この羽織によって見た目も暖かそうになりました。
②藍の紬に
濃い色の紬と相性が良いようです。
後ろは何とも賑やかです。
目引染めによって新しくなった羽織の地色、結構気に入りました。季節を問わない柄なので、秋から春先までの袷のきものに着用できそうです。