着物用小物

麻の手提げバッグ

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今日は麻素材の手提げをとりあげます。

1.奈良みやげの手提げ

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これは奈良市にあるBAN INOUE(井上企画・幡)の麻の手提げバッグです。

昭和60年代前半に母が奈良で購入したものです。

 

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手つむぎ・手織りで表地、裏地とも麻100%。柄は牡丹唐草です。

 

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軽くてさらっとした手触りが魅力ですが、表裏とも麻なので、これだけ大きいと形は崩れ気味になります。

麻素材の古典柄で、もう少し小さめの手提げがあったらいいのに……と思いました。インターネットで探しても見当たりません。

そこで、井上企画・幡に電話をして聞いてみることにしました。

 

2.問い合わせてみた

① 現在唐草模様などで同型の手提げは作っていない(生地ができないので作れない)

② 以前のような手つむぎ、手織り、裏地まで麻となると今は価格が高くなり商品にできない

お店の方からの返事は以上のようなものでした。

昭和の末からもう30年近く経ち、奈良の麻製品を取り巻く状況も変化してしまったということなのでしょう。

 

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現在井上企画・幡が扱っている人気の麻バッグはこのようなものです。洋服でも着物でも使えるハンドバッグです。購入して使ってみたところ、残念ながら私が欲しかったシンプルな手提げとは違いました。

 

3.思いがけない展開

古典柄の手提げバッグがもう無いことを聞かされた私はとてもがっかりしました。ところが、私の落胆ぶりを電話の向こうで察してくれたのでしょうか。

お店の人は
「倉庫に昔の生地が残っているかもしれないので、それを使って作れるか確認してみますね」
と言ってくださいました。

そして後日OKの返事を頂いたのです♪

母の奈良みやげの古い手提げの写真をメールで見てもらうなど、それから何度もメールや電話でやりとりを重ねた結果、裏地は綿100%になってしまうものの、当時の麻生地で希望の大きさの手提げを作ってくれることになりました。

生地見本も送られて来ました。

 

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△ 生地見本:長さ4~6cmの小さなハギレですが、実際に手にするとワクワクしました

購入希望の友人とも相談して、2種類のサイズの手提げを作ってもらうことにしました。

大…よこ36cm×たて31cm、マチ3cm

小…よこ36cm×たて22cm、マチ3cm

いずれもA4サイズが入る大きさです。価格は税別で大6,000円、小4,400円。オリジナルなので大小それぞれに仕様書製作代(500円)もかかります。

シンプルな手提げとしては高価ですが、これらの魅力的な生地を眠らせてしまうのはもったいない!と、複数個の購入を決めました。

 

4.新しい麻の手提げバッグが届く

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注文してから20日後に届きました♪

小サイズ

①緑の金唐草

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鮮やかな緑は洋服にも合いそうです。きものを着ない友人へのプレゼントにも選びました。

 

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持ち手の裏地は麻です。

②朱色に青の牡丹唐草

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唐草模様が際立つ色合いです。藍色のきものに持ちたいと思いました。

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内側は綿です。ポケットが一つ付いています。

大サイズ

①萌黄色に金唐草

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遠目には無地にしか見えないぼんやりした金唐草ですが、そのかすかな金色に味わいがあります。
サブバッグとして、どんなハンドバッグにも合いそうです。

②紫色に金唐草

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①の萌黄色とは違って文様がはっきりみえます。これは友人が注文したものです。

③紫色に牡丹唐草

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紫の濃淡で表された牡丹唐草が気に入りました。

 

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大小の大きさの違いです。

 

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サイズ違い、色違いの牡丹唐草文様の手提げです。新しい手提げの方が裏地が木綿でしっかりしているので使いやすそうです。

 

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麻の袋を使ったプレゼント包装も素敵です。

 

5.重宝しています♪

麻の手提げは昨年8月に届きましたが、その後 秋も冬も使っています。季節ごとの使用例をご紹介します。

①8月・紗のきものに

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帯も麻です。無地に見える手提げは柄のハンドバッグに合います。

②9月・型絵染めの単衣に

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柄が多いきもの+柄のハンドバッグの時、この手提げは緩衝材的な役目も果たします。

③10月・更紗文様の紬(単衣)に

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きものとバッグのイメージが合っているようです。

④11月・袷の小紋に

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帯は明(みん)つづれで少し改まった装いですが、紫の唐草文様は落ち着いた雰囲気なので違和感がなく、又麻素材であることも気になりません。

⑤12月・木綿の紫根絞り+紬の道行きコート

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木綿の袷でカジュアルな装いの時には、ハンドバッグは省略。手提げだけの方が気楽です。

⑥1月・大島に絞りの羽織

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真冬に麻のバッグで外出。でも意外に寒々しい感じはありません。

⑦4月・藍の更紗小紋に

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この手提げは藍色と相性がよく、明るい印象になります。

このように軽くてシンプルな麻の手提げバッグは、季節を問わず私のお供をしてくれています。

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