鬼しぼ縮緬(ちりめん)の単衣

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今日は長い付き合いのきものをご紹介します。

 

1.鬼しぼ縮緬

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挽き茶色・草木染めの小紋です。

鬼しぼ縮緬(ちりめん)はしぼが荒く大きいのが特徴で、絹地としても重く厚みがあります。

 

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この着物もデコボコした生地に松竹梅や鶴などの吉祥柄が施されています。子供には地味なきものですが、母が気に入って買ってくれたものでした。

ゴワゴワのちりめんは分厚く、反物がとても太かったことが印象に残っています。

 

2.初めて着た日

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残っている写真によれば、小学6年生の時です。祖父母の金婚の祝いで日本舞踊を披露しているところです。

 

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この時からすでに古めかしい雰囲気の着物でしたが、珍しい色と柄が結構好きでした。
裾回しは明るい朱色でした。

 

3.厚い鬼しぼ縮緬

その後、この分厚い袷のきものは、ぽっちゃり体型の私には負担になってきました。

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▲ 中学生の頃

肩揚げや帯の文庫結びのせいもあり、とにかく上半身に厚みが出て、モコモコするのです。

袖丈も1尺8寸(68.4cm)あり、たもとを能楽堂の座席のひじ掛けに引っ掛けたまま立ち上がってしまい、袖付けを破いてしまった苦い思い出もあります。

 

4.単衣に直す

その後20歳頃には袷から単衣に直してもらいました。

色や柄は気に入っていたのに、厚くて重いせいかあまり着なくなっていたからです。今考えると、単衣の柄ではないのですが、当時は気付きませんでした。とにかく「もっと着たい!」と思ったのです。袖丈は1尺6寸(約61cm)でした。

この時に思い切って1尺3寸くらいに直せばよかったのですが、当時はまだ年齢によって袖丈が違う習慣が残っており、特に結婚前の女性は長めの袖丈を着ていました。

この袖丈では40歳頃まで着ました。

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5.単衣の鬼しぼ縮緬の特徴

① 着る時期

私はこの着物を5月中旬~6月中旬と、9月中旬~10月中旬、つまり単衣と袷の重なる時期に着用しています。

 

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吉祥模様で季節が限定されないため、春秋両方に着ても違和感がありません。

単衣では薄くて頼りないけれど、裏地付きの袷では暑くて辛い、と感じる5月と10月……そんな時期に重宝しています。

②着心地

ちりめんは絹でもすべらないので着付けがしやすく、着崩れも少ないです。体に添いながらも重みで下に落ちる感覚は独特で、動きやすいものです。

③問題点

ちりめんはシボの収縮よって生地にくるいが出やすいので、裏地が無い単衣には向かない、といわれることもありますが、鬼しぼ縮緬の場合は張りがあるせいか、縮みや伸びは今のところありません。

ただし梅雨時など、雨にあたって縮むことがないように、降水確率には注意して着ています。

 

6.袖丈を詰めて、ハンドバッグを作る

10年ほど前にやっと袖丈をふつうサイズ(49cm)に直しました。ほんの少しの余り布でハンドバッグも作りました。

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蓋の部分だけに生地が使われているので、着物とお揃いで使用してもしつこい感じはしません。

 

7.これからも

四十数年の付き合いになる鬼しぼ縮緬の小紋はまだまだ現役第一線のきものです。

しばらくはこのまま単衣で着るつもりですが、いずれ渋い裾回しを付けて袷に直すのも面白いかもしれません。

その頃には生地も少し柔らかくなっていることでしょう。



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