生地

宮古上布と更紗の日傘

2015年9月5日

_MG_0065

今日は8月上旬に着用した宮古上布(みやこじょうふ)と、古い更紗(さらさ)の日傘をご紹介します。

1.宮古上布とは

◇苧麻(ちょま)というイラクサ科の多年生低木の茎を原料とする麻織物です。

◇沖縄県宮古島で作られています。

◇上布(じょうふ)は細い麻糸を平織りした「上等の布(麻織物)」を意味します。

◇藍染めの紺地に白い十字絣(じゅうじがすり)で模様を出しています。

十字絣

_MG_0074

◇熟練した人で1日20~30センチしか織れず、一反織るのに2ヶ月かかるそうです。

◇糸が細いので軽くて薄く、通気性が良いのが特徴です。

◇表面はロウを引いたような光沢があり、さらりとした冷たい感触が宮古上布の魅力です。

◇麻なのでシワになりやすい点が着用していて気になるところです。

 

2.昭和40年代の宮古上布

_MG_0061

この着物は約20年前に母から貰いました。母は真夏にあまり外出しなくなったのと、柄が大きくて若向きな上布なので、この着心地の良さを早く私に譲りたかったようです。

 

_MG_0077

モダンな柄に思えます。

 

_MG_0076

透かしてみました。いつ着ても、どの夏物よりも涼しく感じます。ひやっとする感触が好きです。

 

_MG_0068

帯留めはべっ甲のブローチです。麻のきものはシワになるのが弱点ですが、それも着物の表情と考え、最近はあまり気にしないようにしています。着用後は霧吹きを軽くかけ、陰干ししてから(乾く頃にはシワは消えています)たためば元通りです。

 

3.更紗の日傘

_DSC1782

古い更紗*の日傘を出してみました。

*更紗(さらさ)……インド発祥の木綿地の模様染め製品のこと。その影響を受けてアジアやヨーロッパで作られた類似の製品は、産地によってジャワ更紗・ペルシャ更紗・和更紗などと呼ばれています。

 

_MG_0079

この傘の更紗模様です。

 

_MG_0082

傘の柄(え)は今では珍しい胡麻竹と象牙でできています。懐かしい昭和の香りがする更紗の日傘ですが、問題は機能です。しっかりした厚手の木綿生地ですが、日傘としての機能は現代の物と比べると劣ると思われます。

そこで、これを試してみることに……

 

4.UV・撥水加工スプレーを購入

_DSC1605

UV・撥水シャットアウトというスプレーを購入しました。Amazonにしてはシンプルな包装です。

 

_DSC1607

古い日傘を甦らせる? スプレーです。

 

_DSC1612

これ1本(150ml)で傘3本分スプレーできるとのこと。早速試してみました。

 

_DSC1740

部屋の換気に注意してスプレーしました。臭いはそれほど強くありません。ムラになることもなく、すぐに乾きました。

 

5.40年ぶり? に更紗の日傘が復活

_MG_0046

盛夏より初夏や初秋向きでしょうか。UVカット加工はしても、現代の日傘より小さいので少し心もとない感じがします。

 

_MG_0053

藍色よりも白系のきものに合わせたら良く映えそうです。
_MG_0051

昭和時代のきものと日傘、これからまだまだ活躍してくれそうです。

-生地
-, , , , , , , , ,

2
0
Would love your thoughts, please comment.x
()
x