コーディネート/着方

お宮参り 祖母の着物 ~一つ紋色無地で~

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今日はお宮参りの祖母の着物を取り上げます。

生後1ヶ月の赤ちゃんを連れてのお詣りはなかなか大変です。お宮参り当日の流れや注意点なども考えます。

1.お宮参り

①祖母は何を着ればよい?

祖母のきものは特に決まりはないので、色留袖、訪問着、色無地、小紋など、何でもよいと思います。

大切なのは若夫婦と産着(祝い着)を掛けた赤ちゃんを引き立てながら、心を込めてお詣りができる装いであることです。

また、父方と母方の祖母2人が、着物または洋服のどちらかに揃える必要はないと思いますが、事前にどんな服装で行くかはお互い話をしておくと安心ですね。

祖父母が遠方から電車で駆けつけるという場合もあるでしょう。そんなときは動きやすい紬の着物でもよいのではないでしょうか。

いかにも普段着という装いでなければ、和装が特別になっている現代では紬もおしゃれ着のうち。

合わせる帯を少し光沢のある塩瀬地にしたり、刺繍入りの帯や洒落袋帯などを合わせると良いかもしれません。

②赤ちゃんを抱っこするのは誰?

昔の風習では父方の祖母が抱きますが、今は誰が抱いても良いと思います。

生後一ヶ月の赤ちゃんはまだ軽いとはいえ、赤ちゃんを気遣いながら産着を掛けて同じ状態を保ったままご祈祷を受け、写真撮影をするのは疲れるので、家族で時々交代しながら抱っこするのが良いと思います。

③5月のお宮参り

今回は内孫のお宮参りで、5月30日に行いました。

当日の東京は晴天で最高気温は27℃を越えましたが、私は、袷の色無地を着ました。5月末は単衣でも良いと思いましたが、嫁も赤ちゃんも袷の着物なので三人で揃えました。

赤ちゃんを抱っこするのは私の役目でした。

 

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嫁の着物は前回取り上げた付下げです。

色の取り合わせは良かったと思います。

 

 

2.一つ紋色無地 桐の葉の地紋

①桐の葉の地紋

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当日は桐の葉の地紋の色無地を着用しました。

 

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一般的な桐文様はこのように3枚の葉の上に花やつぼみを描いたものです。
(写真:長崎巌監修、弓岡勝美編(2005)『きもの文様図鑑』平凡社より)

 

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△五三の桐文様
桐の葉の上に三、五、三の花を配した文様。
(写真:長崎巌監修、弓岡勝美編(2005)『きもの文様図鑑』平凡社より)

 

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△桐文様の袋帯(紗)

帝王を象徴する鳳凰が桐の木に棲むという中国の伝説から、桐文は高貴でおめでたい文様とされています。

②これを選んだ理由

この着物を選んだのには、私なりの理由がありました。

  • 桐は5月に花を咲かせるから
  • 桐はおめでたい文様だから
  • 女の子が生まれると桐を植え、結婚の際には箪笥にして持たせる、という古い風習を思い出したから
  • 華やかな産着とママの着物を引き立てるために無地の着物にしたかったから

③植物の桐はどんなもの?

ところで、本物の桐の木はどんなものでしょうか……。

意外に身近でも見ることができるようです。

キリは、シソ目のキリ科キリ属の落葉広葉樹。

初夏に特徴的な淡紫色の花を咲かせる花木で知られる。
日当たりの良いところを好む性質で短期間で早く生長し、高さ10 – 15m 、幹の直径は50cm になる。

日本における経済的価値は高く、林業の特用樹種である。
軽くて狂いや割れも少ない材の特性を活かして、高級家具の桐箪笥や、琴、琵琶が作られる。

伝統的に神聖な木とみなされ、家紋や紋章の意匠に取り入れられてきた。
キリの花言葉は「高尚」とされる。

Wikipedia.orgより抜粋引用)

 

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△桐の花(Wikipedia.orgより引用)

桐の木は市街地でも目にすることがあります。

家の近所にも一本だけですが高くそびえ立っていて、5月には薄紫色の見事な花を咲かせていました。花を撮影し忘れて残念なのですが、実をつけているところを撮っておきました。

 

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△桐の木(6/21撮影)

ビルの5階までの高さがあります。

 

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たくさんの実をつけていました。

 

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着物の文様とは違い、葉も実もワイルドな感じです。

 

3.5月末のお宮参り

①綴れの帯で

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クリーム色の一つ紋無地の着物にグレー系の明綴れ(みんつづれ)の帯を合わせました。

 

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明綴れは一般的な綴れの帯よりも使われている糸が細いので、柔らかく生地や模様に厚みがありません。

さらに帯芯を入れずに仕立てられているので、初夏や初秋でも心地良く締められます。

 

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△神社にて

 

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産着との色合わせは良かったのですが、産着の掛け方を少し失敗しています。(産着の広げ方が足りず、私の着物が見えています)

*産着は自分では掛けられないので、家族に頼む際は、「産着の裾を広げて、抱く人ごと覆うように掛けてもらう」ようお願いしてください。

 

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このように、抱っこしている人も覆うように掛けるとよいです。

②当日の流れ

お宮参りは赤ちゃんに負担を掛けないように、ママを疲れさせないように行うことが大切です。

前日までの準備

お宮参り用の産着・初穂料・おむつ・ミルク・予備の着替え・タオル・ガーゼハンカチ・(おくるみ)・ビニール袋など、前日までに用意しておきます。

神社は予約制ではありませんが、可能ならば事前に(ネットで)祈祷を申込み、名前や住所などを登録しておくと、当日書類を書く手間が省けます。

出発

●当日の朝、ママが着替えをする間に家族が赤ちゃんにミルク(搾乳しておいた母乳)を飲ませました。

●出発
神社は車で約10分のところにあります。

神社にて

●受付
初穂料を納め、祈祷まで15分ほど待ちました。
その間に準備をして室内で少し撮影をしました。

●祈祷とお祓いを受ける
孫はご祈祷中ぐずりましたが、神楽が始まるとおとなしくなりました。

●神社の庭で写真撮影
生後一ヶ月では小さ過ぎて写真が上手く撮れないので、写真館は利用せずに家族で撮影しました。
当日は暑かったので、日当たりのよい本殿前での撮影は短時間で終わらせました。

●日陰や室内で撮影
涼しい室内や神社の日陰を選んで、移動しながら写真を撮りました。
撮影中の孫はすやすや眠っていました。

帰宅

●帰宅
家を出てから帰宅まで、1時間30分でした。
帰宅後、ミルクを飲ませてから家でも写真を撮りました。

●着替え
楽な服装に着替えました。

会食

●家から歩いてすぐのレストランで会食をしました。
お宮参りと会食を家から近い所で行ったので、移動の時間が少なく、体の負担も少なかったように思います。

③感想

  • 気温が27℃超えの暑い日でしたが、車での移動と室内での撮影で暑さを凌ぐことができた
  • 携帯用ミニ扇風機が役に立った
  • 平日におこなったので参拝者が少なく、お詣り後は家族が順番に赤ちゃんを抱っこして撮影ができたのでよかった。

 

お宮参りについては以前こちらでも取り上げています。

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