今年も花便りが聞かれるようになりました。
花の季節の着物の取り合わせ、皆さんは何か工夫していますか？
今日は帯周りに注目します。
１．桜をイメージするピンクの小物
先日、花の季節に撮った過去の写真を見ていたら、あることに気が付きました。
毎年、その時期にはピンク系の帯締めや帯揚げを頻繁に使用しているのです。
同じピンクでも、色合いや地紋の違いで帯周りの雰囲気が変わります。
①帯揚げ
同じピンクでも微妙な色の違いがあり、地紋もさまざまです。
色だけでなく刺繍や絞りでも春らしさを演出できます。
②帯締め
△ピンク系の帯締めや三分紐
若い頃から長年使っているものもあります。
この写真を撮りながら、あることを思い出しました。
母が60代の頃「ピンクの帯締めを貸して！」と、私に頼んできたことです。
いつもは私が借りてばかりなので驚きましたが、お花見の旅行に出かける際に「着物が地味なので帯締めくらいは春らしくしたい」というのが理由でした。
明るい色の帯締めや帯揚げは、いくつになっても大切なお洒落アイテムなのだと思います。
２．着用例
花の季節、おもに3月の取り合わせをいくつか振り返ってみます。
毎年ピンク系の小物を使っていたことがわかりました。
①紬のきもので
△後染めの結城紬と縮緬の帯で
スワロフスキーの根付もピンクです。
△ 十日町紬に縮緬の帯で
帯揚げはタイシルクのスカーフ、根付はサンゴです。
②染めのきもので
△蔦文様の訪問着で
着物との色のつながりを考えて帯揚げはクリーム色にしました。
△刺し刺繍の訪問着で
桜の地紋の帯揚げです。
△御召の小紋で
帯揚げは着物の色に合わせ、帯締めだけをピンクにしていますが、黒地の帯なのでかなり目立ちます。
△黒地花更紗の小紋で
蝶の絞りの帯揚げをしています。
３．ワンポイントのほうが効果的
①面白味のない例
先日、紅梅や白梅を見たくて都内の公園に行きました。
花への思いが強く、着物の取り合わせが前のめり（？）になってしまった例です。
私の装いは、紅梅の色と合い過ぎていて面白味がなく、お互いが映えない気がします。
赤紫の帯に薄紫やピンクなどの帯周りですが、遠目では着物が白っぽく見えるため、帯の主張が強すぎたようです。
②ハンドバッグ、ストール、帯留めだけでも充分
きものに季節感がなくても、バッグや帯留め、ストールなどでも春らしさを演出できます。
△桜文様の紙子（かみこ）バッグ
△レースのショール
△ブローチの帯留め、ニットのストール、とんぼ玉の羽織紐をストール留めに
ストール留めについてはこちらで取り上げています。
年齢を重ねると、可愛らしい色や明るい色を身につけることに抵抗を感じるようになりますね。
けれども、花の季節は特別です！
ワンポイントに思いっきりスイートな色をあしらってみてはいかがでしょうか？
若い頃のピンクの小物も意外に役立つかもしれませんよ。