今日は古い縞の結城紬をご紹介します。(以下の記事の続きです。)
箪笥臭を消すことに成功したきものですが、古臭く見せないように着ることが課題になります。
1.縞の結城紬
ひと月以上かけて臭いを取ったきものです。だいぶ見慣れて愛着が湧いてきました。
①江戸時代の結城紬は男性のもの?
現代では結城紬というと、亀甲絣などの柄で女性のきものを思い浮かべますが、江戸時代は無地や縞で、男性(武士や裕福な商人)が着ていたようです。
その後明治時代には女性も着るようになったわけですが、粋な縞の結城紬を女性はどんな気持ちで着ていたのでしょうか……。
絣は1865年から作られるようになり、1873年にはウィーン万国博覧会に出品され、世界的に結城紬の名を知られるきっかけとなったそうです。
(参考:ウィキペディア.org)
②子持ち縞の結城紬
この縞は「子持ち縞」でしょうか。水色のやや太い線が、赤の細い線を囲んでいるように見えます。
子持縞とは太い線と細い線の組み合わせが親子のように見えるところから名付けられたそうです。
赤の線は女性らしさを、水色はシャープさを感じさせ、モダンな雰囲気があります。
袖口やふりの裏地は赤、裾回しは水色で、縞の色に合わせているようです。
私はこの水色を活かしたコーディネイトでまとめてみようと思いました。
2.縮緬の帯で
①すっきり見せる
縞の色を拾って水色の帯にしました。水色はともすると冷たい感じになりますが、庶民的な縞柄は暖かみがあるので大丈夫です。
薄い水色に花が描かれた縮緬の帯です。
たて縞で少しはすらっと見えるでしょうか……。
②小物も同系色
③草履も縞
偶然ですが、草履の鼻緒が似ていました!
3.羽織と塩瀬羽二重の帯で
①紅型の羽織
賑やかな柄がいっぱいの紅型の羽織*を合わせました。
*この羽織については以下の記事参照
「縞のきもの+羽織」というと、昔の女性のイメージです。
羽織紐もパールやサンゴのビーズで楽しい雰囲気にしました。
②よそゆき風?
この帯は色合いがおとなしいのと、羽二重の質感がツルッとしているので、羽織を脱ぐとクールな印象になります。
控えめな取り合わせですが、その分少しよそゆきな感じが出たようです。
4.感想
縞の結城紬を私が着ても「粋」とは程遠いですが、軽快な気分になれました。
しっとりとたれる「柔らかもの」も女性らしくて良いのですが、紬は軽くて動きやすく、上から下まで真っすぐ伸びた縞柄は、開放的な気分をもたらしてくれました。
縞が気持ちにも影響するのは面白いことです。
昔の女性もこんな気分だったのかもしれないと思いました。