今日は欠けてしまった下駄を直そうと苦心したリポートです。
1.欠けた鎌倉彫の下駄
娘に貸したら駅の階段にぶつけてしまい、下駄の先が欠けてしまいました。
かなり深くえぐれています。
何とか自分で直そうと思いました。
2.補修の材料
補修のために準備したのは以下のものです。
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3.補修に初挑戦
①パテで欠けた部分を埋める
2層になっているパテを練ってから欠けた部分に埋めます。そのあと紙ヤスリをかけて平らにしておきます。
②新ウルシを塗る
新ウルシの色は紅溜(ベニダメ)を選びました。
ところが……
塗ってみたところ、なんと色が合っていません! 紅溜が予想より黒みがかっていたことと、パテが灰色だったのでさらに濃い色になってしまったようです。 色を選ぶのは難しいです。
これでは失敗です(>_<)
悩んでいると、「紳士靴のストレートチップ*みたいに先端だけ塗ってしまえば?」と息子が一言。
*ストレートチップ……靴の先端部に切り替えがある様式
「下駄でそんなデザインはあり得ないのに……」と思いつつ、とにかくやってみることにしました。
③下駄の先を新ウルシでぬりつぶす
テープを貼ってはみ出さないように塗りました。
補修に失敗した左はすこしムラのある仕上がりになってしまいました。
④良く乾かし終了
何とかこれなら履けるかもしれません。
こんな下駄は見たことがありませんが、履いてしまえばあまり目立たないかも…と気楽に考えることにしました。
4.履いてみる
①紬のきものに
前つぼの色と新ウルシの色が合っているので、これもありかも……?
②やわらかい小紋の着物に
「前回」の記事2-②でご紹介した義母のきものと羽織に合わせてみました。
下駄ときものの色が似ているので、ごまかせているようです。
下駄は草履より地面から上がっているので、きものを長めに着ても安心です。これは私が下駄を好む理由のひとつです。
5.きものについて
義母が遺したこの着物を良くみると……
古典的で大きな地紋の上に黒でモダンな柄が摺(す)り染めされているようです。
生地は大変柔らかく、かなり古いもののようです。地紋の大きさから考えると、若い頃着ていた無地の着物を染め直したのではないでしょうか。昭和時代のモダンな柄と地の古典模様の組み合わせが面白い着物です。
以上のように、下駄の補修は新ウルシの色選びを間違えた為に失敗しましたが、何とか下駄を無駄にせずにすみました。
鼻緒が派手なので娘に譲ろうと思っていた下駄ですが、紅溜色で落ち着いた雰囲気になったので、また自分で履こうかと思っています。