夏の帯締めを考える その2

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前回に続き夏の帯締めについて、様々な帯留との組み合わせによる着用例を、写真とともにご紹介します。

通年用の帯締めでも夏らしく装うことができます。

1.帯留め用三分紐の着用例

帯留め用三分紐は通年使うものですが、その細さから、夏は涼しさを演出できます。

また、同じ帯留めでも三分紐を替えることで装いの幅が広がります。

①帯留めと三分紐

珊瑚の帯留め

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△駒絽のきものに絽綴れ帯

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△単衣のきものに麻の帯

白檀の帯留め

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△絽のきものに羅の帯

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△越後上布に羅の帯

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△芭蕉布のきものにしな布の帯

真珠の帯留め

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△絽のきものに紗の袋帯

セルロイドの帯留め

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△越後上布にしな布の帯

②ブローチと三分紐

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△木綿のきものに紗の帯

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△駒絽のきものに紗の袋帯

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△芭蕉布のきものに粗紗の帯

③チェコガラスボタンと三分紐

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△絽のきものに絽綴れ帯

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△浴衣に半幅帯

帯留めと三分紐の使い方、ブローチやチェコガラスボタンの工夫については以下の記事で取り上げていますので、参考にしてください。

 

2.普通の長さで細い帯締め

①通年用

通常より細い帯締めも季節に決まりはありません。

昔は家着やカジュアル着物に細い帯締めを合わせることが多かったと思います。

気楽に締められることや、羽織を着ても羽織紐との相性をあまり気にしなくて良いので、私は冬でも重宝しています。

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△細い帯締め

単衣~夏の時期に合わせやすいのは、明るい色や白を使ったものです。

両面使いで、片側に金銀糸が使われていたり、名物裂が張られているものは、よそゆきに使います。

②使用例

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△絽の小紋に羅の帯

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△単衣小紋に博多帯(6月上旬に着用)

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△駒絽付下げに紗の帯

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△浴衣に半幅帯

 

3.その他の帯締め

①冠組(かんむりぐみ・ゆるぎぐみ)

冠組とは、武官の冠に使われていたといわれる紐です。(『「道明」の組紐』道明葵一郎著 世界文化社 2018年より引用)

 

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△冠組の帯締め

7、8月に着用

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△駒絽に絽塩瀬の帯

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△紗に絽綴れ帯

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△越後上布に麻の染帯

8月末~9月上旬に着用

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△紗に麻の染帯 (8月末着用)

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△生紬単衣に櫛織り帯 (9月上旬着用)

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△絽紬に博多帯(9月上旬着用)

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△紗に麻の染帯 (9月上旬着用)

冠組の帯締めの場合、私は盛夏に薄い色を使用し、8月末から9月になると濃い色を使っていることがわかりました。

②鎌倉組(かまくらぐみ)

鎌倉組とは奈良時代の馬具の紐などに使われたもので、経糸(たていと)と緯糸(よこいと)が織物のように直角に交わる組織を持っています。(前掲書より引用)

 

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△絽の小紋に羅の帯

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△絽の小紋に紗の帯

③その他

唐組(からくみ)

唐組は、平安朝貴族が衣冠束帯の折、剣を吊る平緒に用いました。(前掲書より引用)

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△浴衣に博多帯

変り貝ノ口組(かわりかいのくちぐみ)

変り貝ノ口組とは、阿蘇神社所蔵の平安時代の太刀に付属していた紐を復元した紐です。(前掲書より引用)

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△絽の小紋に麻の染め帯

 

2回にわたり私が夏に使っている帯締めを紹介しました。

手持ちの帯締めが限定的で、平組と呼ばれる平らに組まれたものばかり使っていることがわかり、少しつまらなく感じています。

実際は、丸組でも夏に使える細いものが販売されていますし、丸組のレースや三分紐もあるようなので、これからはいろいろ挑戦してみたいと思いました。

夏の帯締めは、堅苦しく考えずに自由に選びましょう♪

それが暑さの中でも着物を楽しめるコツだと思います。

 

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