根付はカジュアルな装いであればどんな付け方をしても良いのですが、今回はより効果的に楽しめる使い方を考えていきたいと思います。
「続・帯飾り「根付」を考える」シリーズ一覧
- 着物の根付け、お気に入りを素材別に一挙公開!
- 【今回】根付の着用例、コーディネート
- 根付の歴史と高円宮コレクション
- 更紗のきもので高円宮コレクションへ
1.どんな時に根付を使うか
私が根付を付けるとき、前もって準備をしたことはほとんどありません。きものを着終わって自分の姿を鏡で見て、「何か付けたいな」と思ったときに付けています。
しかし、無意識に使用していても、付けたいと感じた理由がそこにはあったはずです。
そこで、過去に撮った写真を見て、その理由を振り返ってみました。
根付をつけていたのは以下の理由でした。
①帯に柄がないとき
②浴衣や木綿のきものを着たとき
③華やかさを出したいとき
④季節を表現したいとき
⑤涼感を演出したいとき
⑥帯やきものの模様に合わせて
⑦帯や小物の色に合わせて
*以下、理由別に写真をご紹介します。同じ根付が繰り返し登場することをご了承ください。
2.使用例
①帯に柄がないとき
この理由が一番多いです。
帯が無地でなくても柄が少ない時、これはチャンス!と思い、根付を楽しんでいます。
無地の帯には多色使いの帯締めを合わせたりしますが、着物とのバランスも考えなくてはならないので、根付のほうが簡単です。
②浴衣や木綿のきものを着たとき
浴衣に半幅帯です。
チェコガラスのボタン帯留と紅水晶の根付を合わせました。帯留と根付のダブル使用のときは、根付紐は短めにして、帯留の紐にかからないようにするとバランスが良いです。
これも浴衣に半幅帯です。
チェコガラスのボタンとスワロフスキーの根付を付けています。浴衣、帯、帯留のすべてに柄がありますが、浴衣の装いならでは。「何でもあり!」の楽しみ方です。
木綿の久留米絣の取り合わせ。
洋風な色の帯締めとクラシックカーの付いたストラップで、日本民芸調の絣をお洒落に見せようと思いました。
木綿の弓浜絣に飛騨高山の一位一刀彫根付を合わせ、素朴な取り合わせを楽しみました。
③華やかさを出したいとき
これらは、いずれも黒っぽいきものや帯を着用した時です。
藍がベースの郡上紬に、帯締めと根付で華やかさをプラスしました。
白地の帯に薄い同色の帯締めと帯揚を合わせたため、帯周りがぼやけた感じになりました。そこで根付でワンポイントを。
④季節を表現したいとき
萩の蒔絵は細かいので大した効果はないですが、自分だけ秋の気分です。
以上は干支の根付。正月から節分頃まで楽しんでいます。
⑤涼感を演出したいとき
藍の夏大島は涼感がないので、スワロフスキーの根付で少しでも涼しげに着たいと思いました。
⑥帯やきものの<模様>に合わせて
きものの文様は宝尽くし。その中の打ち出の小槌に合わせて根付も打ち出の小槌です。一緒に提げているのは韓国の伝統的な組紐ストラップです。
きものと帯の柄に蝶があるので、根付も合わせました。
着物の更紗模様と、有田焼ストラップの色合いが似ていたので選びました。
帯の貝(絽刺し刺繍)に合わせて珊瑚を付けています。
⑦帯や小物の<色>に合わせて
このように色を拾う合わせ方が一番簡単かもしれません。
メノウの帯留めと根付を一緒に使用しましたが……
きものが藍の綿薩摩なので、くどい感じにはなりませんでした。
紫のガラスのストラップ。付けてみたら帯の絞り模様に吸収されて目立ちません。でも、揺れるとキラキラしました。
帯締めの色と、根付紐の色を合わせています。
帯の柄、帯締めと、根付紐の色が合っています。
帯の段模様と根付の魚の縞が何となく合っていて、魚が擬態のようでもあります。
3.新しい根付を購入
①有田焼
今回、新たに気に入った根付を購入しました。
いずれも有田焼で、季節物です。
プレゼントにできるような袋に入っていました。
「有田焼ストラップ」です。
青と赤の二色
青い桜と
赤い紅葉です。
桜や紅葉の頃、コーデイネートで季節感が足りない時、彩りを添えてくれるはずです。
根付として帯に付ける場合は、鈴を外しています。
②使ってみる
10月上旬の単衣に合わせました。
無地の帯に付けると、小さな根付も存在感があります。