コーディネート/着方

両家顔合わせ食事会の着物

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昨年、「顔合わせ食事会」を2回経験しました。

結納とは違って少しカジュアルな席なので、きものを楽しんで着ることができました。

1.両家顔合わせ

① 両家顔合わせとは

結婚する両家の家族が集まり食事をすることで、以前は結納(婚約)の前に行われていたようです。

最近のカップルの半数以上は「結納」ではなく「顔合わせ食事会」だけを行うそうです。

お仲人さんを介さずに家族だけの交流の場になるので、緊張しつつも和やかな会になることが魅力です。

② 服装の格

昔の結納の服装は、振袖・紋付袴・黒留袖といった格式の高いイメージですが、現代の顔合わせの服装は自由です。

料亭やホテルだけでなく、カジュアルなレストランでも顔合わせの食事は可能ですので、服装は場所に合わせれば良いと思います。

ただし、「こんな感じの服で行きます」と当人同士がそれぞれの家に伝えるようにすると安心です。

私の場合、きもので行くことだけは伝えました。

③ 服装を揃える必要は?

「全員洋服なのに新婦だけ振袖はおかしい」とか、「一方の母親だけが着物はおかしい」とかいう意見を聞いたことがありますが、私はそこまで服装を揃える必要はないと思っています。

地方によっての決まりごとや、家の考え方にもよりますが、顔合わせ食事会は新郎新婦を引き立てながら両家の親睦をはかることが目的です。

挙式や披露宴では黒留袖やタキシードなど、両家が同じ服装になることが多いので、他人が入らない顔合わせでは、少し個性が出ても良いのではないでしょうか。

 

2.6月の顔合わせ(娘の)

①振袖の予定が変更に

3月の桜の季節に顔合わせを予定していたのが新型コロナウイルスの影響で2度延期になり、6月に行うことになりました。

現代では、ホテルなどで行うパーティーや宴会は、どんな季節でも袷の振袖や訪問着を着るようになっています。

けれども今回は庭の散策や外での写真撮影も予定していたので、暑さを考えて単衣を着ることにしました。

娘は単衣の振袖や訪問着は持っていないので、単衣の無地(ぼかし染め)の一つ紋付きを着ることにしました。

無地の紋付きでもぼかし染めの場合は少し格は下がります。

 

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ピンク地にグレーのぼかしが入った単衣です。

 

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6月上旬なので夏帯ではなく、金糸入りの名古屋帯をふくら雀風に結びました。
髪は高い位置でまとめて華やかなかんざしを付けました。

 

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無地でも若い女性のきものは華やかなので、物足りなさは感じません。

帯締めや帯揚げにおめでたい赤を使いました。

②訪問着

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私は、単衣の訪問着を着用しました。

新婦が無地で母親が訪問着ではちょっと格が合わないかと思いますが、

 

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地色がグレーで控えめなのでバランスはなんとか保てたようです。

③代替わりの着物

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実は二人の着物は思い出の組み合わせ、代替わりの着物でした。

娘が着用したのは私が結納の時の着物、そしてその日の母の着物を私が着たのです。

 

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△約30年前の私の略式結納(6月)

当時の私は10代から着ているこのぼかしの着物に少し不満で、母が模様のきものを着ていることが羨ましかったのを覚えています。

けれども娘はそんなことにはこだわらない性格です。

新型ウイルスの影響がなければ振袖を着るはずだったにもかかわらず、模様のない着物でも気に入った様子でした。

 

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この日は最高気温が27℃。

もし袷の着物だったら、庭での撮影は辛かったと思います。

 

3.10月の顔合わせ(息子の)

①振袖

息子の顔合わせ食事会は10月上旬でした。

新婦は振袖を着たいという希望があったので、こちらも安心して着物で出席することにしました。

振袖はピンク地ということもわかっていたので、写真を撮ることを考えて色の系統が重ならないような着物選びをしました。

②義妹として無地のぼかし

新婦と同世代の娘は、ここでも無地のぼかしを選びました。

新婦を引き立たせることが一番大切なので、柄なしが無難だと思ったからです。

 

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オレンジ色の袷のぼかしで紋はありません。

紋なしのぼかしだと小紋と同じでカジュアルですが、季節感の出る袋帯を合わせてあらたまった感じにしました。

 

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髪は下でまとめて髪飾りは渋めの色にしました。

私は明治生まれの祖母から、若い女性はどんなに控えめにする場合でも、不祝儀以外は必ず髪飾りを付けるように、と言われていました。

少し改まった席では小さな飾りピンでもよいので髪に付けると、きものとのバランスが取れて仕上がりが良くなります。

③濃い色の訪問着

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私の着物は濃い紫色を選びました。紫根染めの絞りの訪問着です。

だいぶ古めかしい色合い*ですが、若い人の着物を引き立たせるには都合の良い色だと思いました。

*この紫根染の着物については、こちらで紹介しています。

 

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10月の初旬だったので、秋限定のもみじ文様を着ることができました。

 

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△新婦を中心に娘と私

当日の主役となる新婦が着物を着る場合は、その色を聞いておいて他の人は重ならないようにすると良いと思いました。

 

4.顔合わせを終えて思うこと

  • 食事会は結納よりもカジュアルなので、着物の格を合わせることにはあまりこだわらなくて良いと思いますが、着物で出席することは伝えたほうがよいと思います。
  • 両家が和装と洋装どちらかに揃える必要はなく、自分を表現できる好みの服装のほうが、お互いの理解が深まるような気がしました。
  • 新婦が振袖などのきものを着るときは、写真撮影の時間を予定に組み込んだり、撮影場所をあらかじめ決めておくようにすると、当日の進行がスムーズになります。
  • 顔合わせは、特に新婦とその家族にとっては結婚前の大切な写真を残すことができるので、できれば着物での出席が望ましいと思いました。

 

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和室の場合はこんな写真も残すことができ、最後の振袖の良い記念になりますね。

 

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