先日、歌舞伎座の第1部を鑑賞後、東京国立博物館を見学してきました。
今までなら歌舞伎の後に美術館に行くことなどなかったのですが、4部制により行動範囲が広がりました。
1.歌舞伎座
①感染対策
今回は10月大歌舞伎の第一部を鑑賞しました。
歌舞伎座は徹底した感染対策で8月から公演を続けています。
- 4部の入れ替え制で、一つの上演時間は1時間前後です。
- 間隔をあけて入場します。
以前は開場直後は大変混み合っていましたが、すっかり変わりました。
- チケットを自分で切った後、検温、消毒を行います。
- 筋書(プログラム)の販売はありません。代わりに無料のプログラムが入り口に置いてあり、自分で取るシステムになっています。
△無料配布のプログラム
- 座席は前後左右があいています。
隣同士の会話ができない状態になっています。
- 劇場内での食事はできません。(必要な水分補給は除く)
- 番頭さん(役者のマネージャー)や役者の奥様方の姿はありません。ご挨拶などはしないことになっています。
以前は番頭さんや奥さんの姿を見かけた場所に、現在は誰もいません。
- 劇場内を歩く人があまりいません。
- 終演後は、後ろの席の観客から順に退出するように案内されました。
- 終演から次の部の公演開始までは約2時間あり、出演者とスタッフは入れ替わります。その間、会場内は消毒作業が行われているそうです。
- 常磐津連中、長唄連中が、黒い布で鼻から下を覆って演奏していました。
②京人形
「京人形」は、私の大好きな常磐津と長唄の舞踊曲です。
名工・左甚五郎は、憧れの太夫に生き写しの人形を掘り上げました。
見事な出来栄えで箱から出て動き始めますが、魂や仕草までは思うように行かなかったようで……
性格を有するロボットと暮らすようになりつつある現代人ですが、「昔の人も願うことは同じだったのか……」と、笑いながら鑑賞できる楽しい舞踊です。
中村七之助の美しさと、久しぶりの常磐津の語りと演奏にうっとりしました。
△京人形の舞台写真(ブロマイド)
中村芝翫と中村七之助
③お土産事情
- 歌舞伎座劇場内(3階 座・のれん街)のお土産売り場は営業していません。
- 1階のお土産処 木挽町…正面入口から入れますが、劇場内からは行かれなくなっています。
- 地下2階 のお土産処 木挽町広場…午前10時から営業
月半ばからは、舞台写真(ブロマイド)もここで販売しています。
1階と地下2階のお土産処は、歌舞伎を見なくても自由に行けるので、好きな時に歌舞伎の気分を味わうことができます。
私の定番お土産、べっこう梅飴など購入しました。
2.幕間(まくあい)はないけれど…
①文明堂でランチ
以前なら一幕目が終わり、幕の内弁当などを楽しむ時間ですが、歌舞伎座横の文明堂カフェに向かいました。(席は事前に予約しておきました)
②歌舞伎の感想
ランチが運ばれるまで、友人と歌舞伎の感想を語り合いました。
- 楽しかったがあっという間だった
- できればもう一幕見たい
- 以前なら舞踊は眠くなることがあったが、今日は一幕だけなので集中して見られた
- 演奏者は黒マスクで顔や口元が見られず残念だった
- 幕間にトイレに並ぶストレスがないのが良かった
- 徹底した感染対策で、それらがスムーズに行われている印象だった
- 劇場内での飲食ができないのが寂しいが、今後は慣れていくべきなのだと思う
- 出演者、スタッフ、観客が、歌舞伎に対して切実な思いを共有しているように感じた
今日は歌舞伎座名物の「めでたい焼き」は食べられませんが、代わりにランチのミニデザートを楽しみました。
③日比谷線で移動
食事を終えて次の場所へ。
東京国立博物館までは地下鉄日比谷線を利用しました。
東銀座から上野まで8駅、乗車時間は15分です。
日比谷線の上野駅からはゆっくり15分ほど歩いて東京国立博物館に向かいました。
3.東京国立博物館
①工芸展を鑑賞
表慶館で開催中の特別展「工藝2020-自然と美のかたち-」を鑑賞しました。
自然との共生によって発展してきた日本特有の工芸を、現代作家の作品を通して紹介しています。
漆工、金工、陶磁、人形、染織、木工、ガラスなどさまざまな分野の工芸品がジャンルとは関係なく、テーマ別に展示されていました。
②エントランス
表慶館エントランスホールは撮影が許可されています。
入るとまず目を引くのが床のモザイクタイルです。
フランス産の大理石でできているそうです。
エントランスホール天井真上の明かり窓。
ドーム天井の凝った装飾と、窓から差し込む柔らかな光が美しいです。歌舞伎座から打って変わってヨーロッパの雰囲気になりました。
続きは次回ご紹介します。