今日は、カジュアルな厚底草履をご紹介します。
安価でクッション性が高いことがおすすめポイントですが、購入のきっかけ、良い点や悪い点なども交えてお伝えします。
1.黒い厚底
①購入のきっかけ
以前、教会で行われるコンサートのお手伝いをしていた時のことです。
毎年洋服に楽なパンプスという服装でやっていたのですが、長時間立ちっぱなしでどうしても足が痛くなっていました。
そこで、教会には場違いかと思いつつも洋服をやめて、着物+草履で参加することにしました。
②希望の条件
- 厚底……大勢の中でも埋もれないため少しでも背を高くしたい
- クッション性……長時間立っていても疲れないため
- 黒っぽい……会場は皆洋服なので、黒い靴のイメージで、目立たないもの
これらの条件を満たす草履を探しました。今から5年前のことです。
③5年前に購入した草履
印伝風鼻緒の厚底ウレタン草履です。
はじめは少し重い感じがしましたが、クッション性と安定感があり、立ちっぱなしでも疲れませんでした。
また、厚底ウレタンは水に強いので、雨が心配な日の外出にも向いています。撥水足袋カバーを重ね履きしておけばさらに安心です。
この草履はその後、普段履きとして重宝しました。
久留米絣に合わせています。
長年の使用で鼻緒が少し擦れてきました。
よく見ると小さな傷も数箇所ありました。
ベタつくなどの傷みはありませんが、鼻緒の擦れとウレタンの経年劣化を考えて、同じ草履の二足目を購入することにしました。
2.二足目の草履
①届く
注文後すぐに届きました。
以前と同じ箱で、窓付きの蓋は薄いボール紙です。
紙に包まれてはいません。
品質表示のタグが付いていました。草履には珍しいと思います。
「ウレタン草履高ヒール」
草履台:ウレタン
草履表:合成皮革
鼻緒柄部分:レーヨン100%(ウレタン樹脂)
鼻緒裏 他:ポリエステル
長さ:約23.5cm
巾:約8.5cm
サイズは1種類です。
かかとの高さは約5.5cm
262gです。
それに対して従来の一般的な革草履は176gです。
鼻緒の柄は15種類の中から選びました。
巻き部分はこげ茶色です。
天(足の裏が当たる部分)との色の差が少ないので、革の草履に近いイメージです。
底にはウレタンソールと表記されています。
価格は送料を含み5千円弱でした。
②古いものと比較
5年前のものと比較しました。
古いものは鼻緒が広がっていますが、エナメル風の天(足の裏が当たる部分)は、新旧あまり差がありません。
古い方はかかとが減っていますが、ひどい傷みはまだないようです。
数年使用しても、古びた感じにはなっていないので、まだ着用可能な状態だと思います。
③履いてみる
鼻緒は白い部分が多く、明るい雰囲気です。
横から見ると、私の足のサイズ(23~23.5cm)でちょうど良さそうですが、
後ろから見ると少し大きいように感じました。
色大島と御召のコートに合わせました。黒い草履は足元が引き締まリます。
3.「厚底ウレタン草履」着用の感想
①良い点
- クッション性があり、足裏が痛くなりにくい
- 従来の草履より背が高くみえる
- きものの裾を長めに着てもバランスが良い
- 前と後ろの高低差が少ないので疲れにくい
- 巻き(側面)の部分は汚れが目立たない
- 軽く拭くだけできれいになり、扱いやすい
- 底の減りが遅い
- ウレタン底なので水がしみ込まない
- 前つぼの赤がアクセントとなり若い人でも地味にならない
- シャープな黒色は卒業袴に合わせても格好良く着られそう
- 印伝風の鼻緒にお洒落感がある
②気になる点
- ワンサイズなので、足の小さい人には不向き
- 従来の草履より重い(片足262g)
- ウレタン底の場合、鼻緒がゆるんでも替えられない
- 前つぼの赤が擦れて足袋に薄く付く可能性がある
(実際、前の草履では、足袋カバーにうっすら赤が付いたことがあります。カジュアル用途ですし、洗濯すれば気にならない程度だったので、そのまま使用していました。大切な白足袋着用の際は足袋カバーをおすすめします)
2足目の厚底草履は、鼻緒の唐草文様が華やかで気に入りました。
15種類の鼻緒の中で明るいものを選べば、若い人にも向きそうです。
引き続き愛用したいと思います。