イベント訪問

江戸川区伝統工芸「刺繍と人形」展に行く その1

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先日、素敵な展示会に行きました。四人の女性伝統工芸作家による作品展です。

1.江戸川区伝統工芸「刺繍と人形」展とは

①江戸川区で

この展示会は江戸川区在住の四人の作家の作品を集め、それぞれの制作方法や材料などをわかりやすい解説とともに紹介しています。

4人の伝統工芸士

  • 日本刺繍……片倉玲子さん、吉田順子さん
  • 創作人形……新倉綾子さん
  • 江戸絽ざし……渡辺靖子さん

②会場

「しのざき文化プラザ」3F 企画展示ギャラリー
東京都江戸川区篠崎7-20-19

篠崎文化プラザは、江戸川区より指定を受けた企業3社の共同事業体により運営されており、江戸川区の歴史や文化、産業などを紹介するギャラリー、江戸川区立篠崎図書館、江戸川総合人生大学、伝統工芸カフェ”アルティザン”で構成される複合文化施設です。

(しのざき文化プラザHPより抜粋引用)

建物は都営新宿線「篠崎駅」西口出口に直結、そして1、2Fはスーパーマーケットになっていて、区民や訪れる人には親しみやすく嬉しい環境です。

③期間

2019年3月17日まで。
入場無料です。

写真撮影は自由で、ブログへの掲載にも許可をいただいたので、おすすめの展示会として紹介させていただきます。

 

2.日本刺繍

日本刺繍の作家二人とその作品をいくつかご紹介します。

<作家プロフィール>は展示パネルからの抜粋引用です。

①片倉玲子さん

1926(大正15)年生まれ
子育てが終わった60歳から日本刺繍を学び、以来32年、毎日欠かさず刺繍しているそうです。
刺繍を始めてからはこころが穏やかに。針を指しているときは雑念が一切なくなるとのことです。

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△片倉玲子さん(会場入口に設置されている紹介映像より)

<鶴・亀・打出の小槌>

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(いずれも会場入口に設置されている紹介映像より)

 

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△『鴛鴦』(おしどり)(2009年伝統工芸展区議会議長賞受賞)

お母様の着物からのリメイクだそうです。

 

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△刺繍のアップ

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△帯「桐柄」

日本刺繍を習い始めて4年目の作品だそうです。

 

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△バッグ「バラに唐草」

②吉田順子さん

1940(昭和15)年生まれ
和裁をしながら子育てをしていた40数年前に日本刺繍を始め、基礎を20年~30年かけて学んだそうです。
日本刺繍は「好き」という一言に尽きるそうです。

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△吉田順子さん
(会場入口に設置されている紹介映像より)

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△『和泉式部』(2018年伝統工芸展区長賞受賞)

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△『兜』(2002年伝統工芸展奨励賞受賞)

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△帯「源氏香」

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△刺繍のアップ

<むしろ刺し>という技法を中心に刺しているそうです。

③パネル解説と道具の展示

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日本刺繍の道具と刺し技の説明が展示されていました。

 

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△釜糸*の色見本帳

*釜糸(かまいと)……日本刺繍用の柔らかい絹糸。「釜から繰り取ったままの糸」の意味で、縒(よ)りをかけていない生糸を幾本か合わせたものです。

 

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△日本刺繍の針

 

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吉田順子さんの作品を見ながら……

 

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刺繍の刺し技の説明パネルを見ると、その種類の多さに驚きます。

日本刺繍の基本技は40種と言われているそうです。

 

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△吉田順子さん所有の日本刺繍の木枠

普段なかなか見られない道具や糸、刺し技の説明は興味深いものでした。

 

3.創作人形

<作家プロフィール>は展示パネルからの抜粋引用です。

①新倉綾子さん

1941(昭和16)年生まれ
高校時代に流行ったフランス人形をきっかけに人形作りの道へ。
人形美術協会の師範となり指導にあたりながら、創作人形を手がけるようになりました。
好きな『源氏物語』の登場人物に思いを馳せ、感情や表情を想像しながら人形へと昇華させる、その創作工程が楽しいとのことです。

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△新倉綾子さん
(展示パネルより)

②作品

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△『白寿』

「99歳の白寿を迎えてもなお、凛として生きる女性たちへの憧憬を込めて制作」したそうです。
(展示説明より)

高齢になっても素敵な着物姿、憧れますね。

 

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△『風の盆』

女性の絞りの着物が美しいです。

 

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△『浮舟と薫の君』

 

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衣装の美しさと髪の毛一本ずつの描き方に感心しました。

 

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薫の君のモデルは東山紀之氏だそうです。

 

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会場には、薫の君が手にしている和歌の解説も展示されていました。

③制作工程と材料

人形作りに関しての解説もありました。

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△創作人形の原型造りから木彫りまでの説明

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△材料と道具

どれも分かりやすい説明で、楽しみながら見ることが出来ました。

 

江戸絽ざしの展示については次回ご紹介する予定です。

 

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