今日は安価なポリエステルのリバーシブル半幅帯を買ってみましたので、レビューしたいと思います。
1.今まで使っていた両面使いの半幅帯
今回、レビューするに当たって、まずは手持ちの半幅帯をご紹介します。
①柄と無地
半幅帯の多くは裏と表の柄や色が違うなど、両面が楽しめるようになっています。私が愛用してきた帯もそうです。
色違いのものは持っていませんが、合わせやすい無地または無地に近いものと、はっきりした柄のものが裏表にあり、便利に使用していました。
・博多織の帯
表と裏では雰囲気がだいぶ違います。
裏側の無地はどんな柄でも合うので、浴衣だけでなく、子供用として娘の袷の着物にも便利に使いました。
半幅でも子供にはたっぷりしているので、十分よそ行きに使えます。
・木綿唐桟(とうざん)風帯
木綿なので柔らかいですが、厚みと重さはあります。
今回は
- 大人っぽい色
- 表と裏が同系色
- 表と裏の違いがはっきりしている
- 手頃な価格
の半幅帯を選んでみました。
ポリエステル素材のものに初挑戦です。
②届く
注文後3日で届きました。
「さくら ラメ入り リバーシブル浴衣帯 半幅帯 グラデーション」(ポリエステル100%・日本製)
価格はなんと880円! でした。
紫系のグラデーションがきれいな縞になっています。
裏は無地です。
表側の一番濃い色が裏の色になっています。
帯巾は広めの17.5cm
長さは3m54cm
手持ちの帯と比較すると幅の違いがわかります。
帯の端は断ち切りで、熱処理がほどこされているようです。
ポリエステル特有のテカリはあまり感じません。発色も自然に思えます。薄手なので手触りは柔らかです。
2.着用例
①蚊絣(かがすり)の麻きものに
地味な麻のきものに合わせてみました。
男物のような細かい十字絣なので、帯の上部(顔に近い方)には明るい薄紫が来るように締めました。
ふつう、地味なきものでも、明るい色の帯揚を使うことで顔が明るく見える効果があるのですが、半幅帯は帯揚をしないので、グラデーションの薄いほうを上に持ってきて、その効果をねらいました。
ガラス玉のストラップを帯飾りにしました。
矢の字結びにしました。
博多織のような硬い帯とは違う柔らかなラインが、お太鼓や羽の部分に出ています。
タレを少し長めにしてみました。
②麻絽の浴衣に
麻絽の浴衣に合わせました。
浴衣の模様が華やかなので、①と違い、帯の上部は濃い紫にしました。
英国「ピューター工房」の錫のストラップを帯飾りにしました。
今は出番が少なくなったストラップも、半幅帯の帯飾りとしては活躍できます。
お太鼓部分は裏が見えるように締めました。
リバーシブルの面白味が味わえます。
3.感想
「さくら ラメ入り リバーシブル浴衣帯 半幅帯 グラデーション」を着用して気づいた点を挙げてみます。
①良い点
- 色がきれい
- 柔らかで扱いやすい
- 軽い(200g)
- リバーシブルなので楽しめる
- 安い
- 帯幅が広いので、前から見た印象が貧弱ではない
②気になる点
- 柔らかいので、お太鼓などにシャープな線が出ない
- 柔らかいので、帯板をしないとシワになる
- 結ぶ時、少しゆるみが生じる(きものクリップで留めながら結んだり、短い紐で結び目を留めながら着用すると良い)
今回購入したのは初のポリエステル100%で、しかも1000円以下の帯。使用できるかどうか不安でしたが、結構気に入りました。
化繊の帯でも、おとなしい色合いのものを選び、締める時も緩まないような工夫をすれば、十分利用できるものだとわかりました。軽いことも魅力だと思いました。
4.リバーシブルを楽しむ
両面使いの帯は、文庫結びでも表と裏を出して結ぶことができますが、今回のような矢の字結びでも楽しめます。
お太鼓部分に柄を出す締め方と
無地を強調した締め方です。
この2つは以前ご紹介した「矢の字結び」(2018.7.8の記事)とは違う締め方をしていますので、次回ご紹介します。