今回は、着ることにより補正ができる「補正下着」について考えます。
補正下着はきものを着慣れない現代人にとって、とても有効なものです。 きものを楽しむ人の多くは、タオルやガーゼを使って体に合わせた補正をしたり、補正下着を身に付けているのではないでしょうか。
1.補正をすることのメリットをあげてみると
①体の凹凸をなくすことで帯や着物にシワがよらず、すっきりみえる
②着崩れしない
③紐が体に食い込んだり、帯が締まり過ぎたりしないので苦しくない
④体型の弱点をカバーする
が考えられます。
2.「らくらく着物補正下着」
今日ご紹介するのは、どんな体型の人でも着るだけで補正ができる(らしい)簡単な補正下着です。
実は、娘にきものを着せる時にいつも気になっていたことがあります。
いかり肩の補正はできないか? です。
娘は両親譲りのいかり肩、おまけに運動部所属で筋肉もついています。
今まではウエストにタオルを巻くだけで、特に何もせずに着せていたのですが、成人の日の為に試してみようと思い立ち……肩の上までパットがあたる、この補正下着をネットで見つけて注文しました。
3.補正下着が届く
らくらく着物補正下着(amazon.co.jpで送料込\6,500)です。
中からこれだけの物が出てきました。
右のキルティング加工されたものが内側パットで、左の下着に入れて使用します。
右上に置いた肩~胸用パットは2種類あり、小さい方(ブーメランの形)は「バストにボリュームがいらない方用」とのことです。 胸、胴回り、腰用とそれぞれパットがありますが、下の腰用の下着はパットをすでに入れた状態で撮影しています。
娘にはこの細めのパットで肩のラインを斜めにしてみようと思いました。でも、がっちりタイプのいかり肩なのでどこまで補正できるか不安です……。
使い方はケース裏側に分かりやすく説明されています。
まず、前からベストを着て後ろのマジックテープで留めます。
次に腰用下着を後ろから前にまわしてマジックテープで留めます。
品質表示です。
本体とパット表面は綿なので肌触りはさらっとしています。
4.補正下着を付けてみる
①ストッキングインナーを着る
寒い季節なので、まずストッキングインナー*を着ました。
(*前回記事参照)
②肌襦袢を着る
裾よけと一体型、ワンピースタイプのものを着せました。
③補正下着の上部分(ベスト)を付ける
ベストの胸にはブーメラン型のパットを入れ、首から肩にかけてあたるよう、そして後ろに引き気味(衣紋を抜くよう)に着せました。
この段階で肩の補正効果はよくわかりませんが、胸、ウエストの前部分の補正は完了。
④腰用補正着を付ける
①から④まで、とても簡単でした。マジックテープ付きなので、紐を結ぶタイプの物よりすっきり仕上がります
⑤長襦袢ときものを着せる。
肩のあたり、いくらか効果があったようにみえますが……。
どのくらい効果があったのか、次に検証してみたいと思います。
5.補正下着の効果を検証する
この補正下着を付けずに振袖を着た時の写真と比較してみます。
比較1
左が2014年4月、右が翌年の1月のものです。
きものが違うので正しい比較にはなりませんが、長襦袢は同じものを着ています。
比較2
長襦袢も着物も違いますが、撮影はいずれも2015年1月で、10日違うだけです。
どうでしょうか?
うーん、そのつもりで見れば少し改善されたような……。
娘は鏡を見て「ずいぶん違う!」と言っていました。
6.補正下着の感想
この「らくらく着物補正下着」は、名前の通り着るのが大変簡単でした。タオルやガーゼを使う時のように、付けてから位置を調整する必要がなく、素早くできる点が良いと思いました。
いかり肩の補正はなかなか難しいですが、私としては以前より娘の肩が気にならなかったので、やや成功というところでしょうか。
着付けの専門家にお願いすれば、きっと簡単に肩の補正ができると思いますが、知識や技術がない私にとっては、このような下着は大変ありがたいものです。
これから娘にきものを着せる時は、この補正下着を使うことにします。