足袋 雨具

雨用足袋カバー

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今年は9月から10月はじめにかけて、ずいぶん雨が降りましたね。

今日は雨の日に役立つ足袋カバーをレビューします。

1.雨用足袋カバー

皆さんは雨の日に足袋が濡れて不快な思いをしたことはありませんか?

私は大雨の時何度か経験したので、最近は空模様が怪しいと思ったら必ず雨用足袋カバーを履くようにしています。

「ゼラノッツ」という素材の足袋カバーです。

素材について調べてみました。

2.ゼラノッツ

①ゼラノッツとは?

豊田通商株式会社が1993年に、スポーツ衣料用素材として開発した透湿防水素材のことです。

②特徴

透湿性・防水性・撥水性・防風性に優れた高機能素材です。

スポーツやアウトドアブランドに多く採用されています。

(①②は豊田通商株式会社のホームページから引用)

③三層構造

足袋の表地はナイロン、裏地はポリエステルですが、その間に透湿防水のウレタンフィルムが入っており、水を通しません。

④一般の撥水加工製品との違い

一般の撥水加工品は生地を薬品で加工したもので、洗濯によって効果が薄れてくる場合がありますが、特殊フィルムが入ったゼラノッツは水を通さないことで効果が持続します。

(③④は足袋を製造している美津菱足袋株式会社の方に電話で伺った内容です)

 

3.新しい足袋カバーを購入

①美津菱足袋

以前呉服店で購入した商品と同じものをAmazonで見つけました。

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△現在使用しているのはMサイズですが、MとL両方を購入しました。

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△豊田通商の素材「ゼラノッツ」であることが明記されています。

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△製造は徳島県鳴門市にある美津菱足袋株式会社です。

価格:1474円(税・送料込)

Amazonの製品ページへのリンク

②井登美の「雫」

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△「超撥水足袋カバー・雫(しずく)」というラベルが巻かれています。

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△京都にある 着物、和装小物を扱う「井登美株式会社」の製品です。井登美は以前ご紹介した(2015年4月25日)へちまの帯板やパッドを製造販売している会社です。

この足袋カバーの素材に関しては品質表示のみで説明はありませんが……

街着屋~きもの遊び~
私が購入したこちらのお店の説明を読むと、①と同じくゼラノッツ素材ということです。

価格:1296円(税込)+送料100円

楽天の製品ページへのリンク

 

4.2種類を比べてみる

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△中に入っていたボール紙の型は同じです。

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△生地も縫製も同じように見えます。

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△多分同じ製品だと思われます。

 

5.サイズについて

①問題点

この製品は、一般的な足袋カバーのような伸縮性がないので、スルッと履くことはできません。

コハゼがないソックスタイプですので、両手でゆっくり足を包むようにして履きます。

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△履く時にあまり伸びないタイプです

履いてしまえば足首もゆったりで履き心地は良いのですが、着用時の少し窮屈な感じが気になったので、Lサイズも購入しました。
(私の足袋は型によりますが、23cm又は23.5cmです。現在Mサイズの足袋カバーがちょうどよいです)

②Lサイズを試す

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スルッと履けましたが、こんな感じです。やはり大きいかも……

 

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向かって右側がLサイズ・左側はMサイズです。Mではシワ見られません。

③使い分け

通常は今まで通りMサイズにして、以下のような場合にLサイズを着用してみようと思いました。

  • 厚手の足袋の上から着用するとき
  • 足袋インナー+足袋の上に着用するとき
  • 外出先、例えばお茶会などで素早く脱ぎたい場合

 

6.防水の実験

本当に水をはじいて中が濡れないのか確かめてみます。

①新旧の足袋カバーで

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同じ製品ですが、右側は20回ほど洗濯した古いものです。(Mサイズ)
左側は新品(Lサイズ)です。

②水で濡らす

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霧吹きで水をかけたところ、はじいて水が玉になりました。新しい方が玉の数が多いです。

③もっと水をかける

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何度も霧吹きで濡らしてみました。

水玉の違いがわかります。古いものは玉ではなく、水溜まりができてしまいました。

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△新品

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△古いもの

④足袋の内側は?

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新旧両方に手を入れてみたところ……

どちらも内側は濡れていませんでした。つまり撥水*効果は衰えても防水*効果は残り、水を内側に通さないことがわかりました。

*撥水:水を玉状にしてはじくもの
*防水:生地自体に防水剤の加工がしてあり水を通さないもの

 

7.感想

①効果あり

今まで雨の日に何度も着用していましたが、防水効果に関しては意識していませんでした。

気にならなかったということは、しっかり雨から守られていたということでしょう。今回の実験で良くわかりました。

②滑らない

この足袋カバーは独特のシャカシャカ?した手触りですが、ツルツルの足袋カバーのように滑ることはなく、履いてしまうとカバーということを忘れるほどです。

③形がきれい

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ぴったりサイズを履くと足によくフィットして綺麗に見えます。薄いせいか、一般的な足袋カバーよりつま先の形が良いようです。

④保温性もあり

薄い生地ですが、保温性もあります。

この日は薪能でしたので、もしもの雨に備えて履きました。

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雨は降りませんでしたが、夜は気温が下がりました。この足袋カバーのお陰で足は冷えることなく快適でした。

⑤蒸れない

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「透湿防水」という表記のように、通気性があり蒸れにくい生地になっています。梅雨時でも蒸れる感じはありませんでした。

 

8.注意点

①下がる撥水効果

先ほどの実験でわかったように、洗濯すると〈撥水効果〉は徐々に下がります。

気になる場合は撥水スプレーを使うと良いと思います。

「雫」の販売元、井登美株式会社の担当者の説明では、「5~60回洗濯しても〈防水効果〉は持続することをテスト済みです」ということでした。

②あくまでも縫製品

同じ担当者のお話で、「ただし、糸で縫ってあるものなので縫い目からは水が浸透する可能性がありますから、そのまま水の中に入るようなことはしないで下さい」

とのことでした。

③使いやすいサイズを

ぴったり履きたいのか、見かけは構わないのでスルッと着脱できるのがよいのか、ちょっと悩むところです。

用途や好みに合わせて購入するのがよいでしょう。着脱しやすいのを好むなら、ワンサイズ上をおすすめします。

 

 

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