12月は慌ただしさの中にもイベントやパーティーなどで出掛ける機会も多く、きものが活躍する時期です。
どんなきものが良いでしょうか。
カジュアルきものを中心に考えてみます。
１．きものの色
着物に12月用の色などというものはありませんが、過去の写真で振り返ってみると、私は周りの洋服に馴染みやすいような濃いめの色を選んだり、明るい色の着物の場合でも全体が浮かないように帯や小物に濃い色を選んでいました。
①縞
△茶と黒の縞お召
△紺系の縞結城
②茶や黒
△泥染め大島
△黒地に絞り
③明るい色
△クリスマスのランチコンサートに
△ 落語の独演会に
２．きものの模様
①冬らしい文様
12月らしい模様といえば＜雪輪文様＞や＜雪持ち椿＞や＜雪持ち笹＞など冬らしいものが思い浮かびますが、私は持っていないので資料でご紹介します。
△雪輪（ゆきわ）文と雪華（せっか）文
雪華文は雪の結晶を意匠化したものです。
△雪持ち笹
（いずれも長崎巌監修、弓岡勝美編（2005）『きもの文様図鑑』平凡社より）
②暮れの宝船（たからぶね）？
12月らしい模様とは言えないのですが、若い頃＜宝船文＞を12月に着ると良い、と母に言われたことがあります。
「吉祥文様だからいつ着ても良い」という意味なのか、「季節の先取りでお正月の初夢にちなんだ宝船＊を年の暮れに着る」という意味なのか、今もよくわかりません。
＊初夢と宝船…宝船の絵を枕の下に置いて寝ると、縁起の良い初夢を見ることができると言われています。
△若い頃12月に着ていた黒地縮緬に宝船の小紋
12月のお茶の稽古に着ていったら先生に褒められた記憶があります。
宝船文様は、来年の干支を暮れに着る、というような感覚なのかもしれません。
③更紗（さらさ）
12月の街はクリスマス一色になるので、着物も異国情緒あふれる更紗が映える気がします。
雪の結晶のような柄の結城紬です。
細かい花の更紗文様も、クリスマスのコンサート向きです。
３．帯や小物
①温かみを感じさせる物
12月のカジュアル帯は温かみのある縮緬や、結城などの真綿紬がよく登場します。
帯揚げは絞りや縮緬などの厚みを感じさせるものを取り入れると、帯周りがほっこりと柔らかな雰囲気になります。
△絞りの帯揚げ
△縮緬の帯揚げ
△泥大島に縮緬の帯・絞りの帯揚げ
△結城紬のきものと帯
②クリスマスのブローチ
また、渋い着物でも、帯留めにクリスマスのブローチを添えただけで全体が華やかになります。
△ よく使用するツリーのブローチ
△ 綿薩摩（めんさつま）と結城紬の帯にブローチ
△ 綿薩摩とイカットの帯にブローチ
今日は12月の着物を取り上げました。
12月は日暮れが早く寒さも増してきます。
けれども気持ちまで暗くならないように、着物で暖かく装って師走を楽しみましょう！