今日は前回に続き、初心者でもできる簡単な半幅帯の結び方をご紹介します。
年齢を問わず楽しめる結び方です。
1.リボン結びから
今回は下の結び方を取り上げます。
<特徴>
- どちらも簡単なリボン結びから作るものです。
- 可愛らしくて落ち着きもあるので、幅広い年齢層で楽しめます。
- 長めの半幅帯を使います。
2.角出し風
使用する帯……リバーシブルの小袋帯(幅17cm、長さ390cm)(化繊)
①左右同じ長さになるように
前回の「お太鼓風」の結び方と同じで、二巻きして前で同じ長さになるようにします。(調整の仕方と、巻き始めなどは、前回の記事を参考にしてください。)
ひと結びした状態。左右ほぼ同じ長さです。
②リボン結び
下側の帯を幅半分に折ってからリボンの輪を作り、上の帯をかぶせるようにしてリボン結びします。(実際はクリップ不要です)
帯の長さにもよりますが、リボンの輪(羽)は小さいと隠れてしまうので、たっぷり作るほうがよいと思います。
③結び目にかぶせる
半分に折っていたリボンの羽を広げます。
下にたれていた帯を2枚重ねて結び目の下に通します。
リボンの結び目にかぶせます。
④ずらす
重なっていた帯を横にずらします。
ずらした帯の下に、帯揚げをかけて後ろで仮結びします。(帯揚げはしなくてもよいです)
⑤お太鼓を作る
お太鼓のタレの長さを好みに合わせて決めて、仮紐でおさえ、後ろで結びます。(仮紐の位置は、胴に巻いた帯の下のラインです)
☆慣れれば仮紐を使わなくてもすぐにお太鼓が作れるようになります。
持ち上げていた帯を下ろし、お太鼓を作ります。
帯締めを中に通し……
後ろで軽く結んで余りは脇に挟んでおきます。
お太鼓の形をととのえます。
☆「正しい形」というのはありません。お太鼓の大きさや、タレの長さ、向きなど、自由に作ってください。
⑥後ろに回して仕上げる
右回りで後ろに回したら
仮紐を取り、前板を帯の間に入れます。
仮に結んでいた帯揚げと、帯締めを結び直します。
出来上がり
3.リボン返し
リボン返しは2の結び方と同じですが、お太鼓風にせずに途中で完成になります。
2の半幅帯より短い帯でも作れます。
使用する帯……紬の細帯(幅13cm、長さ368cm)
①リボン結び
半分に折った左右の帯を体の前で交差させ
ひと結びします。
輪を作り
蝶結びに……
キュッと締めます。
折っていた羽を広げます。
このリボン結びが土台になります。
☆リボン返しはこの結び目が着用中に風でめくれて見える可能性があります。パタパタと風になびいて可愛いのですが、土台のリボンはきれいに作る必要があります。
②結び目にかぶせる
この帯の場合、たれている長さは2の帯より10cmほど短いです。
2枚を一緒に持ち上げて
結び目の下に通します。
帯の端が鎖骨の高さぐらいになるまで引きます。(全部引き抜きません)
結び目の下にモコモコと余っている帯を
中に収めて土台にします。
上から帯を結び目にかぶせ、2枚を横に少しずらします。
③後ろに回して仕上げる
右に回して前板を入れます。
出来上がり
かぶせる帯はこのように少し長さがずれても良いと思います。
☆この帯は幅が13cmと狭いので帯締めはしませんでしたが、帯締めを使用したい場合は…
くぐらせた帯で出来た輪の部分に通しておくと良いと思います。
* * *
二週にわたり半幅帯の結び方を取り上げました。
どれも浴衣に合う帯結びですが、紬などのカジュアルきものにも使えます。実際、今回トルソーに着せたのは袷の十日町紬でした。
「きものでちょっと出かけたいけど、帯結びが難しい……」と思っている方は、着付けの時間短縮にもなる半幅帯を活用してみてはいかがでしょうか?