小ワザ

きものの着付け用品を考える

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今日は私が使用している着付け用品を3種類ご紹介します。

1.コーリンベルト

①誰もが知る(使っている)コーリンベルト

きものを着る人のほとんどが知っている「コーリンベルト」ですが、名前はコーリン株式会社(1954年創業)の創業者・高林(たかばやし)三郎氏が開発したことに由来します。

コーリン株式会社以外で作られたものは「着物ベルト」などという名称で販売されているようです。

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△コーリンベルト

コーリンベルトはエコノミーデラックスの2種類があります。

 

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△こちらはエコノミー

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△留め具の素材はポリカーボネイト

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△長さ調節の部分(アジャスター)も軽くて当たりがソフト

エコノミーとデラックスの違いについて、コーリン株式会社の担当の方に聞いたところ、エコノミーではプラスチック留め具の中が金属のバネなのに対して、デラックスは金属バネを使わない仕様になっているとのこと。
そしてゴムも上質のものが使われて、色や柄などもお洒落な仕上がりになっているそうです。

②使い始めたきっかけ

娘にきものを着せるようになってからです。7歳頃からコーリンベルトを使って着せていました。

衿元がくずれず、伊達衿(重ね衿)の扱いも楽なので重宝しました。

その後、自分も使用するようになりました。

③使い方

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△箱裏に書かれた説明

STEP1の補足

下前の衿先に留める際、内側のおはしょりを折り上げてからはさみます。そうすることで外側のおはしょりが一重になりスッキリします。

STEP2の補足

上前の衿先に留める位置は下前と同じ高さに。ゴムはゆったりしているくらいが良いです。

④良い点

以前は柔らかいきものを着る時、紐でおさえてから伊達締めを締めていましたが、コーリンベルトで紐が不要になりました。(紬などの普段物では今でもコーリンベルト無しで伊達締めのみ使用しています)

⑤注意点

  • 留め具の位置は、上前と下前同じ高さに留めないと衿元が崩れます。
  • 長襦袢に使用する時は留め具が当たって痛くなる可能性があるので、補正をきちんとした時の使用がおすすめです。
  • きものの場合はベルトがきついと衿元が詰まって(中に入って)くるので、ゆるくします。
  • 振袖や留袖で衿が重なっている場合(伊達衿や比翼などで)、コーリンベルトをしてから紐+伊達締めを使用すると、より安定します。

⑥メッシュのコーリンベルト

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夏用にメッシュもあります。軽いので長襦袢用としても使用しています。

 

2.コーリンこしひも

①コーリンこしひもとは

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△腰紐の役割をするベルト

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△全体

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↓ ↓ ↓
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△この部分で留める

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△ストッパー

この部分を上前にあててゴムを後ろに回します

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△ストッパーの裏。滑らないようになっている

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↓ ↓ ↓
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△アジャスターで自分の長さに合わせてから使用する

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△品質表示

②使い方

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△箱の中に入っていた説明書

初めて使用する時は、長襦袢を着た後に長さ調節するようにとあります。補正をすると洋服着用時のサイズとは違うからです。

使用方法は簡単で、前から廻して後ろで交差させ、また前に廻したら留め具を合わせるだけです。

③使用してみて

最初に自分で試してみて、大丈夫そうなので娘に振袖を着せる時に使いました。

すべりやすい生地でしたが、かなり動いても着崩れることなく、また楽だったようです。

私の若い頃は、振袖をプロに着付けてもらっても裾が下がるのが心配で、腰紐を持ち歩いていたものです。

ゴムの伸縮性とすべらない材質は腰紐より実用的だと感じています。

④コーリンこしひもの良い点

  • 伸縮性があるためきつく感じない
  • 裾が下がってこない
  • 結び目がない

⑤注意点

コーリンベルトもそうですが、ゴムやプラスチックは劣化することです。

定期的に交換するのが良いと思います。

⑥以前の腰ひも

腰ひもには絹やウール素材のものがあります。

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△絹製

軽く柔らかいので胸元用や持ち歩き用に使っていました。やや滑ります。

 

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△モスリンの腰ひも

毛100%の本モスはよく締まりますが少し硬くかさばるので、あまり使用しませんでした。

 

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△ガーゼを紐として使ったもの

以前はこれをメインの腰ひもとして使っていました。重い着物も3回廻してしっかり結べました。

このように紐といっても色々あり、使い分けていたのですが、コーリンベルトとコーリンこしひもの登場で、紐の出番が減り、小物の管理が楽になりました。

 

3.きものクリップ

①きものクリップとは

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着付けの際に背中心にきものと長襦袢を合わせるために後ろ衿を仮留めするものです。そのほか帯結びの時にも使われます。

 

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△3個入りで可愛い柄(価格は800円)

 

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△長さ7cm、幅は2cm

②使い始めたきっかけ

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きものクリップも今ではほとんどの人が使っているようですが、私が初めて見たのは13年前でした。

 

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「装道」で着付けを学んでいた友人からクリップをもらったのです。(赤い大小クリップが装道のもの)

 

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装道のクリップ(大)はカーブしていて小さな鈴が付いている

カーブは衿にとめやすく髪にひっかからないめ、鈴は外し忘れを防ぐための工夫だそうです。

着付け教室に行った経験が無い私には、絹のきものと金属製のクリップが不釣り合いに感じられ、少し驚きました。けれども次第に便利だということがわかりました。

 

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△装道のクリップと同じ形のものが販売されている

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△鈴も同じですが、名前がないだけで低価格(価格は756円)

③使い方

私の場合、きものを着る時にはクリップを使いませんが、次の3通りの使い方をしています。

・ 雨コートを着る前に、きものの裾を帯に留めるため

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△裾を帯にはさんでクリップで留める

以前は腰紐で結んでいましたが、クリップを使うことでコートを着る前の準備が楽になりました。

・ 作り帯を作るときの仮留めとして

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△作り帯のお太鼓部分をクリップで仮留めしてから縫う

・ 袋帯の二重太鼓の位置を決めるため

次に説明します。

 

4.クリップで袋帯のお太鼓の準備

以前は袋帯のお太鼓の二重部分がぴったり重ならず苦労していました。友人から習ったクリップを使う方法で、今では悩みが解消されています。

①お太鼓の山になる位置を決める

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△右側がたれ

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△三角に折り上げ

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△約3cm上のところにクリップをつける

これがお太鼓の山の位置です。体格や好みによってお太鼓の大きさは違うので、自分に合う位置を見つけて下さい。

②お太鼓部分を重ねる

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△お太鼓になる部分を上から重ねて

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△ 出したい柄を決める

この場合は白い花がお太鼓の上部に来ます。その時重ねた帯は、たれのラインより出るようにします。

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△たれのラインより20cm弱くらいあるとお太鼓がふっくら仕上げる

③クリップを留め直す

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△帯の一番下についていたクリップをはずして……

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△あとから重ねた二枚に留め直す
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△左右が真っ直ぐになるように留め直したところ

ここで見えているたれは、本来は見えないようにぴったり合わせます。

 

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△完成形はこのようなイメージ

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△お太鼓は着る時に作るので、このような状態でハンガーに掛けておくか、ふんわりたたんで風呂敷に包んでおく

④ふつうに帯を締める

いつも通りに帯を体に巻いて仮留めされたお太鼓を背中にのせます。

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△背中にのせたお太鼓とクリップの位置関係はこのようになる

⑤クリップをはずす

着付けの最後にクリップを外すのを忘れずに!
心配なら鈴付きのクリップがよいかもしれません。

⑥着用例

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一つ紋付き無地に合わせました。

お太鼓とたれが柄続きになる場合は下もクリップで留めて、お太鼓を完成させてから背負うこともできますが、着る時にクリップ2個分重くなります。

また、着用時にお太鼓を完成させる方が、お太鼓に表情が出て柔らかい雰囲気になるような気がします。

用途によっては、きものクリップは洗濯ばさみでも代用可能ですが、帯を留める場合はクリップの方がずれないのでおすすめです。

 

以前は縁のなかった着付け用品…今日ご紹介したものの他にもさまざまな種類があるようです。
いずれも使いこなせば着付けの必需品になるのかもしれません。

 

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