年が明けると、たとえ新しい着物がなくても暮れとは違う装いをしたくなりますね。
今日は1月の着物を取り上げます。
1月は初詣、成人式、初釜(お茶会)で晴れ着を着るイメージですが、ここではカジュアルなお出かけを中心に、過去の1月の取り合わせを振り返ってみます。
1.1月の装いの傾向
私は「1月は必ずこれを着る」と決めているわけではありませんが、振り返ると次のような傾向が見られます。
<明るい色>
普段は敬遠してしまう派手な色も1月なら良いかも?と私は思っています。
<いつもよりよそ行きに>
カジュアルなお出かけや芝居見物でも、1月は少しおしゃれをしたくなります。
<かわいい根付>
いつもと同じ着物でも、かわいい根付などで遊び心を加えて明るく装いたくなります。
①明るい色
②いつもよりよそ行きに
1月は客席も華やかな装いの人が多いので、おしゃれを楽しめます。
③かわいい根付
蝶の織帯に蝶の根付。着物の模様の中にも蝶がいます。
2.新年らしい柄
次に挙げる柄は通年着られるものですが、1月だとしっくり合うような気がします。
<宝尽くし>
<干支>
<松、竹、梅、椿>
<鶴、亀>
①宝尽くし
△縮緬(ちりめん)宝尽くし文様のきものに絞りの帯でデパートの展示会に
織の帯を合わせると少しよそ行きの雰囲気になります。
②干支
干支の柄の着物はなかなかありませんが、今年のうさぎ柄なら持っている人も多いと思います。
③松、竹、梅、椿
年が明けると締めたくなる帯です。
椿の印象が強いですが、松皮菱(まつかわびし)と梅も描かれています。
④鶴や亀
前は亀。いずれも能楽「鶴亀」の冠が刺繍で表されています。
縮緬地の名古屋帯です。
3.暖かいことが重要
1月は何と言っても暖かい装いをしたいものです。
私が選んでいたのは次のようなものでした。
<真綿(まわた)紬>
繭を煮て柔らかい状態にしたものから、一本一本撚って(つむいで)糸にしたものを手で織った織物のこと。
空気をたくさん含んでいるので暖かく、柔らかいです。
<絞り>
絞りのきものはふんわりと柔らかく、生地の裏側に薄い絹地で裏打ちされているので、そこに空気を含むことで暖かいです。
<縮緬>
縮緬はシボがあって空気を含んでいることと、柔らかくどっしりとした重さでも暖かさを感じます。
<羽織>
羽織を着ると、特に肩や背中が暖かくなります。
①真綿紬
本場結城紬は経糸(たていと)と緯糸(よこいと)両方に真綿の手つむぎ糸が使われています。
②絞り
③縮緬
④羽織
大島はあまり暖かくない着物ですが、羽織を重ねれば大丈夫です。
過去の1月の装いを振り返ってみました。
今年は久しぶりに行動制限のない新年を迎えています。
今まで着るのをためらっていた人も、今年は思い切って着物に挑戦してみてはいかがでしょうか。