コーディネート/着方 買ってみた

着付け初心者の味方 <衣紋抜き>

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今日は「衣紋抜き」を取り上げます。

衣紋抜きは、自分で着付けを始めたばかりの人にとっては強い味方となるものです。

1.衣紋抜き

①衣紋抜きとは

長襦袢の衿に縫い付ける細長い布です。

布には別布が付けられ紐を通せるようになっています。そこに胸紐(腰紐)を通すことで後ろの衿が安定し、抜いた衣紋が崩れなくなります。

また、共布が長襦袢に直接つけられている場合もあります。

最近では既製の長襦袢や二部式襦袢のほとんどに衣紋抜きが付いているようです。

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△共布で付けられた衣紋抜き

 

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ここに紐を通して交差します。

②衣紋抜きはどんな場合に使う?

自分で着るとき(特に初心者)

着付けの習い始めは衿の処理がむずかしく、衣紋を抜いても着付けているうちに戻ってきてしまうことが多い※ので、後ろの衿の形を固定できる衣紋抜きは役に立ちます。

※初心者は紐を取るなどの動作で上半身を大きく動かしてしまうので、着付けの途中で崩れてしまうようです。

着物で動き回るとき

着物で一日立ち働くときなど、通常より動きが激しく衿元が崩れやすいときは安心です。

慣れれば必要なし

着物を着ることに慣れてしまえば、衣紋抜きは必要ありません。
紐を通すのが煩わしく、かえって邪魔になる場合も

また、五十肩の私は現在後ろで紐を通せないので衣紋抜きが付いていても使っていません。

着付けを頼む場合はいらない

人に着せるとき、衣紋抜きは必要ありません。付いていても通さない場合があります。

美容室にお願いする時は半衿だけ付けておけば大丈夫です。

③私の長襦袢には付いていなかった衣紋抜き

昭和40~50年代、衣紋抜きは母の長襦袢にも、私の長襦袢にも付いていませんでした。(当時から付けていた人はいると思いますが)

その頃は衣紋の抜き方の個人差が大きく、大きく抜いている人、衿の詰まった着方をする人など様々でした。

ほとんどが親や周りの人から習い、自己流で着ていたからだと思います。

着付け教室での「正しい衣紋の抜き方(?)」を皆が習って実践するようになったのは昭和後期以降ではないでしょうか……。

また、当時は花柳界・水商売と一般人の着方をはっきり区別するようなところもあり、特に若い女性が衣紋を抜きすぎるのは良くないこととされていたような気がします。

年齢や職業、普段着かよそ行きかによっても違っていて、衣紋の抜き方は着る人の個性だったのかもしれません。

ですから私が自分で着るようになった10~20代はじめの頃は、長襦袢の衿が上手く決まらず、外出先のトイレで下から引っ張って直したこともよくありました。

当時の私が衣紋抜きを使っていたら、そんな苦労はせずにもっと楽に着られていたと思います。

 

2.衣紋抜きを購入して付ける

①日本和装の着付けでは

私は2018年に日本和装の着付け教室を体験しました。

私は衣紋抜きのない長襦袢を持参し、「今までは自己流だったので着付け教室は初めてです」ということを先生に話したところ、「慣れているなら衣紋抜きは付けなくて(教室で購入しなくて)良いでしょう」と言われました。

日本和装のレポートはこちらにまとめています。

今年、娘が春から日本和装の着付け教室に通っています。

初心者なので衣紋抜きは必須とのことで、購入することにしました。

②購入

長襦袢にあとから付けるタイプの衣紋抜きを購入しました。

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△キョウエツ 衣紋抜き 3本セット
幅約7.3cm × 長さ約54cm(綿100%)

[キョウエツ] 衣紋抜き 3本セット 綿 レディース

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(日本和装の教室で他の小物とまとめて購入する場合、衣紋抜きは1本400円)

 

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このような布(綿100%)です。

 

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細いループが付いていて、上下二段に分かれています。その間に紐を通します。

商品説明によると、上の段は礼装着物の時に、下の段は普段着の時に通すのが目安とのことでした。

③長襦袢に付ける

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半衿の後ろ中心部を解きます。

 

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端が袋状になっている方が上で、この部分を付けます。

 

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下になる部分は縫ってあります。

 

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1cmの縫い代をとって待ち針を打ちます。(中心がズレないように注意します)

 

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返し縫いでしっかり付けました。(紐で引っ張られる可能性があるので)

 

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半衿のほどいたところを縫い直して出来上がりです。

 

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上の段は上から18~25cm、下の段は25~32cmのところに7cmのループ(紐通し)があります。

それぞれ下の縫い目部分で紐をキープして衿が上に上がって行かないようにするのです。

娘はこれを早速着付け教室で使っています。

今まで長襦袢の衿が詰まってくるのが悩みでしたが、「今回はうまく着られている」とのことです。

 

3.衣紋抜き…通す位置によって衿はどう変わる?

次に、私が持っている既製品のうそつき長襦袢*(二部式)に付いている衣紋抜きを使って、実際に衿の形がどう変わるかを試してみました。

*うそつき長襦袢……裾と袖は長襦袢の生地で出来ているが、胴の部分は木綿などの別の布で仕立てられている長襦袢のこと

 

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うそつき長襦袢の上部分。(実際は肌着や肌襦袢の上に着ます)
これは紐付きなので、身八つ口に紐を通して前で結びます。

①上の段(上から17~24cmのループ)

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紐を通しました。

 

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衿はこのようになります。

②下の段(上から24~30cmのループ)

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紐を通しました

 

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衣紋の抜け方は少なくなりますが、このくらいでも問題はないと思います。

私が体験した日本和装の先生は、別の生徒さんに、「衣紋抜きの下の段はほとんど使わないと思ってください」と指導していました。

この角度は着付け教室的にはNGなのだと思います。

③さらににその上も

この襦袢の場合、衣紋抜きは2で紹介したものと違い、ループの布が身頃に縫い止められています。

 

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それによって、ループの上にも紐を通すことが出来るので、3段に使えそうです。

 

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上から17cmのところに紐を通しました。

 

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こんな着方も可能だということでしょうか……

 

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ご覧のように衣紋の抜き方でも着姿の印象は大きく変わります。

<衣紋抜き>は初心者だけでなく、色々な着方を楽しみたい人にとっても役立つのではないかと思いました。

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