雨の季節になりました。きもの用雨コート(雨ゴート)は様々な色や素材でできています。憂鬱な雨ですが、きもの好きにとっては時に楽しみに変わることも……。
今日は、雨を楽しむために私がいつも着ている雨コートをご紹介します。
1.黄八丈の雨コート
①母のお下がり
私が30代から着ているものです。
古くなり裾が擦れている部分もありますが、先日また丸洗い+ガード(撥水)加工をしました。
生地が厚手なので、雪の日のお茶会にも来て行きました。
私の一番好きな雨コートです。
②綾織り黄八丈
色が薄く光沢があるので、改まった場所へ行く時の雨コートとして、又は単に塵よけとして着ています。
日の当たり加減で色合いが微妙に変化しますが、暗い雨の日にはちょうどよい明るさです。
①②とも着物用の黄八丈着尺をコートに仕立てたものです。
2.雨コート用生地で仕立てたもの
これは雨コート用に織られた生地で作られています。
つやがあり薄くて軽い生地です。
蒸し暑い梅雨でもこのコートは着心地が良いです。
3.夏用 紗の雨コート
夏に重宝する紗のコートです。
軽くて薄いので、雨が心配な外出時にはよく持ち歩いています。あづま袋に入れて……袋込みで360gです。また夏以外でも、裾模様や刺繍のきものを着た時の塵よけとして使うと、車の乗り降りが安心して出来ます。
4.二部式雨コート
①紬の二部式雨コート
明るい色と柄です。
裾をつけなければ道行きコートです。
②携帯用ポーチ付きナイロンの二部式コート
フリーサイズなので誰にでも合うようにできています。
Amazonで購入出来ます
ナイロン100%にワッシャー加工と撥水加工が施されています。おしゃれなコートとはいえませんが、携帯していれば急な雨でも安心です。
③化繊の二部式雨コート
これは義母が手作りしてくれたもの。生地が厚手で冬でも暖かいです。
袖が出ないようにスナップも付いています。
化繊なので扱いが気楽です。冬の雨や寒さ対策として、出かける時は上だけ。帰りはバッグから取り出して裾を付けて…というように使っています。
④紗(化繊)の二部式雨コート
これも義母の手作りです。
透ける素材ですが、ポリエステルなので蒸れます。
真夏を除く春~秋の塵よけ+通年の雨対策として使っています。薄く軽いので袷の季節でも裾だけ携帯して突然の雨用に。普通の道行きコートの下に巻けば着物の裾を守れます。
5.昭和の若い人用雨コート
①10代の頃着ていた雨コート
袖丈は60.5cm(1尺6寸)もあります。
②20代のコート
まだ色は赤でした。袖丈も55cmと長めです。
傘の柄は好きでしたが、やはり雨の日に真っ赤なコートは少し気が引けました。昔は「若い人は”赤”」と決まっていたようですね。
年齢と共に色々な雨コートを着られるようになり、雨の日も楽しめるようになりました。
6.これから雨コートを買う人へ
総丈(一部式)と二部式雨コート、どちらが良いのでしょうか?
それぞれの特徴を挙げると……
◇一部式の特徴
①脱ぎ着が楽
②シルエットがきれい
ただし
③自分の丈に合わせて作るので価格が高くなる
◇二部式の特徴
①携帯しやすい
②天気にあわせて使い分けできる
ただし
③着るのに少し手間がかかる
初めて雨コートを買う場合は……二部式がおすすめです。
既製品では化繊が多いですが、とりあえずはそれで間に合うと思います。きものに慣れて、頻繁に着るようになったら、好みの柄で自分の丈に合わせた一部式のものを作ることをおすすめします。
7.雨コート新情報
昔では考えられない革新的な生地の雨コートが数年前から人気です。
又次回お伝えします。