イベント訪問

鏑木清方記念美術館

2016年1月2日

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鎌倉市雪ノ下にある鏑木清方(かぶらき きよかた)記念美術館に行きました。

 

1.鏑木清方とは

きものが好きな人のほとんどは鏑木清方ファンではないでしょうか。清方は明治から昭和にかけて活躍した日本画家です。以下に清方の略歴をご紹介します。

①明治11年(1878年)・誕生
東京神田に生まれました。本名は健一。

②明治24年(1891年)・13歳
日本画家、浮世絵師の水野年方(としかた)に入門し「清方」の号をもらいます。

③明治27年(1894年)・16歳
プロの挿絵画家として新聞などに挿絵を書いて活躍しはじめます。

④明治34年(1901年)・23歳
泉鏡花と出会い、本の口絵(くちえ)*や装丁を依頼されます。

*口絵…表紙の次、または本文の前に付けられた絵のこと。

この頃から本格的な日本画にも意欲をみせ、文学を題材とした作品を多く発表しはじめます。

⑤明治36年(1903年)・25歳
雑誌『文藝倶楽部』の口絵を飾るようになり、挿絵作家としての地位を確かなものにします。

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▲ 明治40年の作品「嫁ぐ人」 [ソースA]

美しさや華やかさだけでなく、神秘性のある作品です。鳥かごのおうむは嫁ぐ娘の未来を暗示しているように思えます。

*中央の”嫁ぐ”女性…上品な被布衿(ひふえり)の道行コートを着ています。
*後ろ姿の女性…帯は孔雀、きものは燕の裾模様
*右側の少女…大きな蝶の柄の振袖には肩揚げが見えます。妹でしょうか…

⑥大正4年(1915年)・37歳
文展で最高賞を受賞します。

⑦大正8年(1919年)・41歳
第1回帝国美術院展(帝展)の審査員を務めます。

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▲ 大正14年の作品「朝凉(あさすず)」 [ソースA]

おさげ髪の少女は清方の娘。肩揚げが施された夏の着物姿が清楚で可憐です。

⑧昭和2年(1927年)・49歳
作品「築地明石町」が帝国美術院賞を受賞し、清方の名声は不動のものになりました。

⑨昭和21年(1946年)・68歳
第1回日本美術展覧会(日展)の審査員を務めます。

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▲ 昭和22年の作品「虫の音」 [ソースA]

私は10代の頃からこの絵が大好きでした。江戸の情緒溢れるこの作品が、戦後間もない頃に描かれたとは意外です。袖口から覗く赤い長襦袢と下駄の足元が素敵です。

⑩昭和29年(1954年)・76歳
文化勲章受賞。鎌倉雪ノ下に転居。

⑪昭和47年(1972年)・93歳
鎌倉雪ノ下にて逝去。

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▲ 晩年の鏑木清方 [ソースB]

⑫平成10年(1998年)
住居跡に記念美術館が建てられました。

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鏑木清方記念美術館

 

2.新春の風情と羽子板展

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今回の企画展は新春の様子を描いた清方の作品と、押絵羽子板です。ほんの少し、絵葉書からご紹介します。

①新春の風情

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▲ 明治45年「元日の朝」、『婦人世界』の口絵 [ソースA]

印象に残った作品です。格子柄のきものに紋付の長羽織を着て白い前掛けをした女性。明治や大正時代では当たり前の服装と仕草。昭和でもお正月にはこんな光景があったことでしょう。
懐かしさを感じます。

②押絵羽子板

昭和10年に清方は三越の個展で『明治風俗十二ヶ月』という作品を出品します。

その作品をもとに、永井周山という押絵師が制作した押絵羽子板が12枚展示されていました。もちろん元になった清方の絵も一緒に並んでいました。

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▲昭和10年「かるた」、『明治風俗十二ヶ月』1月 [ソースA]

清方の絵では少女の顔がもっと幼く描かれていました。

赤い振袖に黄色のしごき*が可愛いです。
しごき…しごき帯のこと。もとは着物の裾をたくしあげた時に留めるため使われたひも。ひと幅の布をそのまま縫わずにしごいて締めたことからその名があるようです。

清方の描いた作品と羽子板の押絵を見比べて違いを発見するのも面白く、1月から12月までの絵と羽子板を時が経つのも忘れて鑑賞しました。 「新春の風情と羽子板展」は平成28年1月17日まで開催中です。(入館料は200円)

 

3.お土産♪

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絵葉書や一筆箋などのおみやげを買うのも楽しみのひとつです。絵葉書は色々なセットになったものやバラ売りなど、種類が大変豊富です。

絵はがき12枚セット……777円
絵はがき8枚セット……518円
絵はがきバラ売り……86円
一筆箋……258円
クリアファイル(A4サイズ)……258円

 

4.羽子板の帯留め

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この日は季節限定の為、あまり出番がなかった羽子板の帯留めをしました。

きものについては次回ご紹介します。

 

画像の引用元:[ソースA]鏑木清方記念美術館絵はがき
[ソースB]鏑木清方記念美術館パンフレット
略歴の出典:鏑木清方記念美術館パンフレット

 

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