書評

きもの漫画『推し着物』書評(レビュー)

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今日は漫画を取り上げます。タイトルは『推し着物』です。

私が初めて出会った着物漫画ですが、共感や感心する部分がいくつもありました。

1.着物「推し」が書いたガイドブック

①タイトルと購入動機

「推し」は近年よく耳にする言葉で、タイトルからも新時代の着物の話だということがわかります。

「推し」とは、もとは周りの人にすすめたくなるほど大好きなアイドルや俳優のことでしたが、今では人だけでなく物やことがら全般に使われているようです。

きもの好きの人が興味を持つタイトルですね。私もこのタイトルに惹かれて読んでみたくなりました。

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△『推し着物』表紙

推し着物

推し着物

岡野く仔
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②著者紹介

著者は岡野く仔。

岩手県出身で5月22日生まれ。この漫画を描いているときに状況し、現在は東京在住。

本のあとがきには、著者の着物との関係がわかる部分がありました。

小さい頃からきものにあこがれ、「着物を私服にしたい!」と母親に言ったら「無理に決まってんでしょ。お金がかかるし、周りから何か祭かって言われるわよ、恥ずかしい」と否定されていましたが、今着物5年生です!ふはは!

(『推し着物』あとがきより)

子供の頃から着物好きだったようですね。

幼い頃の夢を実現し今は毎日着物の生活らしいです。

③ガイドブック

各話ごとに着物に憧れを持つ様々な人物が登場し、アドバイスを貰いながら、あまりお金をかけずに自分に合う着こなしを見つけてゆく様子が描かれます。

気楽に読める案内書のような存在でもあります。

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△『推し着物』裏表紙

「推し」の着物男子が登場します。

 

2.気に入った点、共感した点など

①気に入った点

言葉よりも漫画の方がわかりやすい

着物の言葉に馴染みがない人でも漫画を見ればよくわかるので、一般的な着物入門書よりわかりやすいと思いました。

(漫画に登場する着物男子が基本を優しく教えてくれています)

漫画によって、イメージを膨らませることができる

モノクロの漫画は読者が自由にきものに色付けできるので、登場人物たちの着方をヒントに手持ちのきものでイメージできそうです。

漫画なら奇抜な取り合わせも違和感が少ない

和洋折衷コーデに抵抗を感じている人も、岡野さんの描く漫画は穏やかな印象を与えるので、提案された取り合わせを受け入れやすいと思いました。

②共感した点

著者の推しポイント

本編とは別に時々登場する「作者の着物の推しポイント」が、「私と同じ!」と思うところがありました。

例えば、羽織を着た時の膨らんだ背中の部分。

私も母の羽織姿のこの部分が好きで、自分が着てもお気に入りポイントです。

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△羽織の背中の膨らみ

その他にも「そうそう!」と思ったポイントがあり、世代が違っても感覚は同じなのだなぁ、と思いました。

周りの目が気になっていた登場人物

漫画の主人公は、友だちと遊びに行く時に着物を笑われてしまい、それがトラウマになっていました。
着物は大げさと思われてしまうところが1つのハードルですね。

私の場合

私は友人から指摘されたことはありませんが、学生時代から変わった人と思われていたと思います。

またスマホがなかった私の若い頃は、街や電車の中できょろきょろ人を観察する人が多かったので、着物を着れば常に視線を感じていました。

当時の中年女性はみな着物経験者だったので、きっといろいろ批判的なことも感じながら見ていたのだと思います。

たとえば高校1年の時、ハーフアップにリボンで肩ぐらいの髪を垂らし、着物で歌舞伎座の客席に座っていると、後ろの女性が私に聞こえるように「着物のときは髪を上げないと衿がよごれるわよね~!」と隣の人に話していました。

非常識な少女だと思ったのでしょう。(昭和の着物警察ですね)

まあ、着物を着たらあまり周りの目は気にしないのが秘訣だと思います。

③気になった点

リアルさを追求しているのでしょうか。登場する高齢女性の顔がシワだらけでちょっと嫌な感じでした。(現実を突きつけられるようで…)

 

3.どんな人におすすめ?

①きものに興味を持ち始めた人

独特なきもの用語も漫画で教えてくれます。
「『普段着』としての着物と『フォーマルな場』での着物の違い」からはじまり、おさえておくべきポイントが随所にあり、自然に読むことができます。

②きものの魅力がわからない人

「着物には魅力を感じない」という人でも、人の「推し」はちょっとのぞいてみたくなるのでは?
「こういうものにハマる人がいるのね」という視点で楽しめそうです。

③正統派の着方しか知らない人

一般的な着方しかできない私も、『推し着物』を読みながら、自分も何か変えられることがあるかしら…と思いました。

私が以前試したのは、ハンカチを半衿にしたことぐらいで、漫画に登場する和洋折衷コーデはなかなか難しそうです。

 

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黄八丈の着物に木綿ハンカチの半衿を合わせて普段と違う装いにチャレンジしたときのもの。

 

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これは叔母の若い頃の黄八丈(?)で、娘に着せる代わりに自分で試してみました。

 

着物の着方は時代と共に変化するようです。

『推し着物』には新しい着方のヒントがあるかもしれません。

 

* * *

今日は漫画『推し着物』をご紹介しました。

パワーや癒しをくれたり、時には現実世界から逃れてストレス発散や気分転換ができる存在。
それが着物なのかもしれません。

 

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