先月、きものインフルエンサーで着付け講師のすなおさんが待望の本を出版しました。
タイトルは『はじめてさんからベテランさんまで使える楽しくなる着付け100のコツ』です。
きもの初心者からベテランまで、手に取ってほしい本ですのでご紹介します。
1.きっと役に立つ本
①著者紹介
すなおさんは滋賀県出身の32歳。YouTubeの着付け動画で大人気の女性です。
著書では次のように紹介されています。
厚生労働大臣認定1級着付け技能士。
YouTube「すなおの着物チャンネル」のチャンネル登録者数は23万人、Instagramフォロワー数は6.7は万人。
「着物の良さを広めタンスの着物を循環させる」という夢に向かって全力疾走の2児の母。
(『楽しくなる着付け 100のコツ』より抜粋引用)
△すなおさん(『楽しくなる着付け 100のコツ』より)
△『楽しくなる着付け 100のコツ』
②お手本になるお姉さん
今まで若い人から着付けについて質問されたときは、説明のあとに必ず「『すなお・きもの』で検索すれば、きっとわかるわよ!」と「すなおの着物チャンネル」動画をすすめてきました。
言葉で説明されてわかったつもりでも、実際にやってみると必ず別の疑問が出てくるものなので、そんなときいつでも何度でも見られる動画は強い味方になるからです。
何よりもすなおさんが若くてチャーミングなので、動画を見ていて楽しいし、若い人にとってお手本になるお姉さん的な存在だと思っています。
③購入の動機
- YouTube「すなおの着物チャンネル」で本の出版を知り、あの動画が書籍になるとどうなるか興味があった
- 娘に読ませたいと思った
- パラパラ眺めるだけでも楽しそうだと思った
2.おすすめのページと気になった点
①おすすめページ
肩ぐるぐる回しで衿元ピタリ
着ている時に衣紋が詰まってきてしまう、という初心者誰もが抱く悩みには、すなおさんお得意の「肩ぐるぐる回し」術が効果的です。
その他の着付けNGあるあるも写真で解説しています。
着崩れしない歩き方・座り方
このページはモデルさんではなくすなおさん自身が登場。
真似をすれば綺麗な着物姿になるかも……。
もう怖くない!トイレのしかた
私もよく聞かれる質問です。着物初心者さんが必ず抱える悩みの一つだと思います。
写真でわかりやすく解説されていました。
いかり肩をなで肩に!衿周りテク
私も娘に振袖を着せる時に苦労しました。
いかり肩の人のタオル補正について、有効なアドバイスもあります。
②感心した点
- 着物のハウツー本なのに堅苦しさがない
- 細かい着付けの解説写真はモデルさんだが(著者が着せているので当然)、随所に著者の着姿が登場し、親しみを感じさせる
- ほとんどの着物と帯、小物が著者の私物ということで、着物のカタログ的なよそよそしさがなく、身近でイメージしやすい
- 1つの悩みと回答が1ページに収められているので、どのページを開いても役に立つ情報を得ることができる
- 写真だけでなく、イラストによる解説もわかりやすい
③気になった点
目指すのは著者の着姿ではなく……
すなおさんはいつも若々しくはんなりと着物を着こなしていますが、年齢や体型や立場、場面によって着物の着方は色々あります。
彼女の衿合わせも独特で似合っていると思いますが、すべての人に合うものではないと思います。
すなおさんの着姿を見習いつつ、自分にあった着付けを目指すことが必要だと思いました。
小柄な人のコーディネート
「小柄な人はきものと帯を同系色に」というアドバイスがありましたが、着物はもともと小柄な日本人が着てきたものなので、あえて同系色でまとめる必要はないと思います。
コーディネートの理屈としては理解できますが、取り合わせ方でかえって不自然になることもありそうです。
3.どんな人におすすめ?
この本は誰が手にとっても楽しめて役に立つと思いますが、あえて挙げるなら…
①きものに興味を持ち始めた人
「きものをもっと楽しむワクワクコーディネート」の章では、様々な取り合わせの例が写真解説されているので、きもの初心者には良いヒントになると思います。
②着付けはある程度できるようになったが、いろいろ細かい悩みが出て来た人
着付けのポイントがそのまま目次になっているので、悩みの解決策がすぐに見つかりそうです。
③長年きものを着ている人
ベテランにとっても、今まで気付かなかったこと、参考になることが必ずあると思いました。
今日はすなおさんの本『はじめてさんからベテランさんまで使える楽しくなる着付け100のコツ』をご紹介しました。
すなおさんのYouTube動画と合わせてご覧になるとより分かりやすいと思います。
すなおさんは著書の最後にこのように書いています。
もしもあなたの家のタンスに眠っているきものがあるのなら、ぜひ、勇気を出して着てみてほしいなと思っています。
ちょっとぐらい見栄えが悪くたって大丈夫。
その一歩が、これからの人生をガラっと変えるきっかけになるかもしれません。