絞りの浴衣は古くなっても味わいがあります。いくつかご紹介します。
※ 本記事の「その1」はこちら↓
https://kimono-kitai.info/11191.html
1.有松絞りの浴衣
①格子柄
格子柄の浴衣です。縦横の線が不規則なので「やたら格子」でしょうか。
「三浦絞り」ですが、母が夏の部屋着として長年着用、洗濯したものなので、藍は薄くなり、近くで見ると絞りは少しつぶれています。
②くっきり三浦絞り
こちらはあまり着用していないものです。
濃い藍色の印象が強く
くっきりとした「三浦絞り」です。
2.藍地の絞り浴衣
①不明な柄
柄は3種類。上下(又は左右)に突起物が付いた丸い文様と松皮菱風の文様、そして小さな菱形です。
これがメインの絞りです。何の意匠でしょうか。傘の柄のようなものが両側に付いています。この不思議な柄、もしお分かりになる方がいらしたらコメントをお願いします。
②雪の結晶? 柄
ちょっといびつな雪の結晶に見えます。
△雪の結晶の写真(wikipedia.orgより)
雪の結晶と見れば、涼しさが感じられます。
③七宝文
藍の部分を円と見なすと七宝つなぎ文に思えます。
浴衣ならではの大胆な柄です。
3.白地の絞り浴衣
白地に「おっこち絞り」と「平縫い巻き上げ絞り」を施した浴衣です。(おっこち絞りについては2018.6.24の記事参照)
胸から肩にかけての藍絞りがシャープで、粋な着こなしもできそうです。
4.浴衣の手入れ
①浴衣の洗濯
今日ご紹介した浴衣はすべて自宅で手洗いしているものです。長年、着用と洗濯を繰り返すうちに藍染は退色したり、絞りは少し伸びてきたりしますが、それも味と考え、気にせずに着ています。
クリーニングに出す場合、ドライクリーニングのために汗が落ちなかったり、絞りがプレスされてしまったり、キツい糊付けで着にくくなったり…と、トラブルがよくあるようです。
着物や浴衣の知識があり、手作業でクリーニングしてくれるかどうかの確認をするなど、注意が必要です。
②素早く手洗い
私は洗濯機は使わずに手洗いしています。
紺地の浴衣や、白地に濃い色の柄がある浴衣は、色落ちや色移りを避けるために、水に浸ける時間をできるだけ短くしたいからです。
たらいや洗濯用バケツに水をたっぷり入れ、洗剤をほんの少し入れて軽く押し洗いしたらすぐにすすいで脱水します。
脱水は30秒~1分ぐらい。
干すときはきもの用ハンガーがおすすめです。
5.着てみる
梅雨が明けたので、浴衣を着てみました。
七宝文の絞り浴衣を、半襟と帯締めを使ってきもの風にしてみました。
博多織の半幅帯で矢の字結びにしました。文庫結びも良いですが、こちらのほうが落ち着きます。
続きは次回に……